それでもボクはやってない
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それでもボクはやってない |
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監督 | 周防正行 |
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製作総指揮 | 桝井省志 |
製作 | 亀山千広 関口大輔 佐々木芳野 |
脚本 | 周防正行 |
出演者 | 加瀬亮 瀬戸朝香 役所広司 竹中直人 |
音楽 | 周防義和 |
撮影 | 柏野直樹 |
編集 | 菊池純一 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2007年1月20日 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
IMDb | |
『それでもボクはやってない』は日本映画。2007年1月20日公開。フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ、東宝製作。
目次 |
[編集] 概要
周防正行監督10年ぶりの映画。『Shall we ダンス?』以来、地道にリサーチをしてきた監督がどうしても作りたかったという、日本の裁判制度に疑問を投げかける作品である。周防監督は元東京高裁判事木谷明の著書「刑事裁判の心」を読んで感動し、同氏に協力を求めその監修の下にこの映画は製作された。モチーフとして、2002年に東京高裁で逆転無罪判決が出た痴漢冤罪事件などを使っている。痴漢冤罪事件を通じて、日本の刑事裁判の実態を映像化している。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
フリーターの金子徹平(加瀬)は会社の面接に向かうために、朝の通勤ラッシュで混雑する通勤電車に乗った。乗換駅で降りると、女子中学生から「いま痴漢したでしょ!」と身に覚えのない痴漢容疑を掛けられ、そのまま駅の事務室に連れて行かれる。
駅の事務室では何も聞かれないまま警察官に引き渡され、署で取り調べを受けることになるが、「ぼくは何もやっていない」という訴えには全く耳を貸さない刑事に嫌気がさし、帰ろうとした瞬間、「お前は逮捕されているんだ! 私人による現行犯逮捕だ」と手錠を掛けられ留置所に入れられてしまう。
一緒の留置所にいた詐欺師に教えられ、当番弁護士(一回目は無料で相談を受けられる)を呼び、話を聞いて貰うが、当番弁護士は徹平が否認し続けていれば三ヶ月間は留置所暮らしであることと、起訴されて有罪となる確率は99.9%であり(1000件に1件しか無罪とならない)、否認事件に限っても無罪となるのは3%程度にすぎないということを話す。その上で、痴漢の罪を(やっていなかったとしても)素直に認め、示談に持ち込むことを提案するが、徹平はその提案を断り、否認し続けることを選択する。
しかし、警察署や検察庁での取り調べでは自分の主張を聞いてもらえず、ついには検察が起訴を決定する。
一方、徹平の母や大学時代からの友人らも、弁護士探しや再現VTRの制作などで徹平の無実を信じ奔走し始める。
そして公判開始。徹平の事件を担当した裁判官は「無罪病」と揶揄されるほど、刑事裁判の基礎に立ち返って被告人の有罪に確証がとれるまで丁寧な審理を行い、有罪との確証がなければ無罪判決を出す裁判官だった。当初、丁寧な裁判進行が行われるが、裁判途中で件の裁判官が左遷され、裁判官が交代してしまう。
次に徹平の裁判を担当した裁判官は、極めて杓子定規な訴訟指揮を行う人物。最初から徹平の有罪を決めてかかっているような「結論ありき」的な態度に徹平らは不安を隠せない。
結審の日。裁判官は弁護側が主張を読み上げるのに目を瞑っている。判決言い渡し日が翌日となった日、眠れない徹平に徹平の母は「無実なんだから大丈夫よ」と励ます。
そして判決言い渡しの日。裁判官が徹平に言い渡した判決は 有罪(執行猶予付き懲役2ヶ月)だった・・・。 都合のいいことだけを強調し、もっともらしいだけの理由を読み上げる裁判官に、徹平は立ち尽くしたまま。 心の中で「ボクは日本の裁判が真実を追究する場ではないことが今わかった。裁判とは<<とりあえず>>有罪か無罪かを決める場にすぎないんだ・・・」と呟く。
[編集] キャスト
他
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- 冤罪者の悲痛な叫び…痴漢裁判の恐怖
- ぬれぎぬ/長崎(本映画の作成契機とされた事件と当事者インタビュー記事)
- 太田出版(本映画の作成契機とされた事件の本「お父さんはやってない」)
[編集] 関連項目
周防正行監督作品 |
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変態家族 兄貴の嫁さん | ファンシイダンス | シコふんじゃった。 | Shall we ダンス? | それでもボクはやってない |
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