ねこまんま
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ねこまんまとは、
- 飯の食べ方に与えられる俗称。ねこめし(猫飯)とも呼ばれる。「まんま」とは、飯の幼児語。飯に鰹節をかけ混ぜ込んだものを言う地方と、飯に味噌汁、特にダシをとった煮干の残り物をかけたものをそう呼ぶ地方とに分かれる。後者は、総じて、日本の食事マナー上では好ましくないとされる食事法を指すことが多い。
- 字義通りの猫の餌のこと。1.に列挙したようなものに加えて、たとえば鰹節ではなく魚の食べ残しを御飯に乗せたものなど。この場合は完全に人間の食物としては扱われない。一説には、こちらが本義とされる。
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[編集] ねこまんまの種類
[編集] 鰹節をかけた飯
飯に鰹節をかけ、混ぜ込んだものをねこまんまと呼ぶ地方は、主に東日本に見られる。かけた鰹節の上に醤油をかけるかかけないかも文化や各人の嗜好等によって異なる。
猫魔スキー場(福島県)では、「ねこまんま」が販売されているが、それはこの形態のねこまんまである。
[編集] 汁をかけた飯
汁をかけた飯をねこまんまと呼ぶ地方は、主に西日本に見られる。かける汁は味噌汁が多いが、すまし汁や豚汁など、味噌汁でない汁をかけてもねこまんまと呼ばれる。他の地方では汁かけ飯、ぶっかけ御飯、犬飯などとも呼ばれる。
また宮崎県では、ねこまんまに似た冷や汁と呼ばれる郷土料理が存在する。ねこまんまが基本的に暖かい味噌汁であるのに対し、冷や汁はその名の通り冷たい味噌汁を熱い麦飯にかけて食べる。冷や汁に使われる味噌汁は通常の食卓にのぼるものとは異なり、調味した味噌を冷たい出汁で伸ばしたものである。
[編集] 犬猫に与える場合
かつてはペットの餌代を軽減するため、人間の残飯を「ねこまんま」「犬飯」の状態にして与える事が多かった。しかし日本の経済成長による所得向上で、餌にかかる費用に困窮しなくなり、猫缶はじめ各種のキャットフードやドッグフードが市場に出回るようになったため、残飯を犬猫に与える家庭は減少している。ただし言葉だけは残っておりキャットフードをねこまんまと呼ぶこともある。
また、人間の食事は塩分が多すぎることと、犬猫にとっては蛋白質の摂取が重要であって炭水化物の摂取はエネルギー元にはなりえないという知識が広まったため、ペットに与えることは好ましくないという常識の普及も、減少の一因となっている。
なお、ネギ類には犬猫の赤血球を破壊する物質が含まれているため、時に重度の貧血をもたらす。このためネギそのもの、もしくはネギ類の抽出物を含むような食品を与えてはならない。
[編集] ねこまんまラーメン
福岡市周辺に展開しているラーメンチェーン店の金龍では、かつて豚骨ラーメンの中に鰹節と米飯を入れた「ねこまんまラーメン」を販売していた。現在は販売されていない。
[編集] 芸人
かつて、北野武率いる、たけし軍団にねこまんまという芸人がいた。なべやかんとコンビを組み、漫才等を行っていたが、鳴かず飛ばずの状態が続き2002年に、芸能界引退。現在は、実家である群馬県伊香保温泉の旅館を継いでいる。
[編集] 出版物
日本出版社からにっぽん話題スクープの増刊号として発行されている、ネコの写真を扱った雑誌。隔月刊であり、発売日は偶数月の16日。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 遠藤哲夫「第2章 なぜ、人びとは、かくもネコまんまに興奮するのか?」『汁かけめし快食學』(ちくま文庫)、筑摩書房、2004年。(ISBN 4-480-03978-3)
[編集] 外部リンク
- 文化人類学的ネコまんま研究室
- ねこまんま 株式会社日本出版社の公式サイト
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