はないちもんめ
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はないちもんめは、こどもの遊びのひとつ。二組に分かれて、歌を歌いながら歩き、メンバーのやりとりをする。実際には、貧乏な家の子供(または女の子)が口減らしの為に、人買いに一匁(もんめ)で買われ、人買い同士が「勝った(買った)」「負けた(マケた)」と囃し立てる悲しい歌としても一部に知られている。
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[編集] 遊び方
- それぞれの組は手をつないで一列に並んで向かい合う。
- 前回勝った組から「か~ってうれしいはないちもんめ」と歌の一節を歌いだす。歌っている組は前に進み、相手の組はあとずさりする。はないちもんめの「め」の部分で足を蹴り上げる。
- 歌い終わると、今度は負けた組が「まけ~てくやしいはないちもんめ」と歌って、前に進む。このように、歌の一節を交互に歌いながら前後に歩く。
- 歌が終わると、それぞれの組で相談して、相手の組から誰をこちらの組にもらうかを決める。決まった組は「き~まった」と叫ぶ。
- それぞれ「××ちゃん」ともらいたい相手を披露しあう。
- 双方の代表者がじゃんけんを行い、勝った組の主張どおりにメンバーがもらわれていく。
- 片方の組からメンバーがいなくなれば終了。つづける場合には1にもどる。
[編集] 歌詞
地方によって、いろいろなバージョンがある。
- 埼玉県大宮市植水地区で行われていたバージョン(関東?):「勝ってうれしいはないちもんめ、負けてくやしいはないちもんめ、となりのおばさんちょっと来ておくれ、鬼がいるから行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、釜がないから行かれない、布団かぶってちょっと来ておくれ、布団破れて行かれない(?)、あの子がほしい、あの子じゃわからん、この子がほしい、この子じゃわからん、相談しよう、そうしよう」
- 群馬バージョン「勝って嬉しいはないちもんめ」「負けて悔しいはないちもんめ」「隣のおばさんちょっと来ておくれ」「鬼が怖くて行けられない」「御釜かぶってちょっと来ておくれ」「御釜底抜け行けられない」「御布団かぶってちょっと来ておくれ」「御布団ぼろぼろ行けられない」「あの子が欲しい」「あの子じゃ分からん」「この子が欲しい」「この子じゃ分からん」「相談しよう、そうしよう」
- 関西(大阪府・兵庫県・京都府など)バージョン:遊び方3のあと、「タンス、長持、どの子が欲しい?」「どの子じゃわからん」「あの子が欲しい」「あの子じゃわからん」「この子が欲しい」「この子じゃわからん」「相談しましょ」「そうしましょ」の歌が入ってから、4で相談する
- 名古屋バージョン:「勝ってうれしいはないちもんめ、負けて悔しい大根の尻尾、隣のおばさんちょっとおいで、鬼がいるからよう行かん、お釜かぶってちょっとおいで、お釜底抜けよう行かん、座布団かぶってちょっとおいで、座布団びりびりよう行かん、あの子が欲しい、あの子じゃわからん、この子が欲しい、この子じゃわからん、相談しましょ、そうしましょ」
- 静岡バージョン:遊び方3のあと、「あの子が欲しい」「あの子じゃわからん」「この子が欲しい」「この子じゃわからん」「ま~るくなって相談、あっかんべ~(と言いながらお互いに「あっかんべ~」のしぐさをする)」と言う。5は、「××ちゃんが欲しい」「○○くんが欲しい」と言い、6で、指名された人同士でじゃんけんをする。
- 富山バージョン:遊び方6の前に「ねこねこねずみとり いたちがおいかけた それじゃんけんぽん」という歌を歌いながら、指名された子どもが、小指と小指をつないでけんけんをしながら回り、最後にじゃんけんをする
- 宮城県南部の一例:まず、二組に分かれたらとなりのおばさんちょっと来ておくれ、鬼がいるから行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、釜破れて行かれない、鉄砲かついでちょっと来ておくれ、鉄砲ないから行かれない。あの子がほしい、あの子じゃわからん、相談しましょ(相談すべし)、そうしましょ(そうすべし)」とやる。そして5で名乗り合ったら、「なーにで行くの」「ひっぱりこ(じゃんけん等)でゆくの」と勝負方法が選択できる。
- 新潟県新潟市内で歌われていたバージョン:「勝ってうれしい花いちもんめ、負けて悔しい花いちもんめ、隣のおばさんちょっとおいで、鬼が怖くて行かれません、お釜かぶってちょっとおいで、お釜底抜け行かれません、座布団かぶってちょっとおいで、座布団ぼろぼろ行かれません、あの子が欲しい、あの子じゃわからん、この子が欲しい、この子じゃわからん、相談しましょ、そうしましょ」で、それぞれ相談。決まったら「き~まった~き~まった~」と叫び、指名する人の名前を呼ぶ際「かわいいかわいい」をつける
- 東京都:2と3で前に進む最後は片足を蹴り出す。「勝ってうれしい花いちもんめ、負けて悔しい花いちもんめ、隣のおばさんちょっと来ておくれ、鬼が怖くて行かれない、お布団かぶってちょっと来ておくれ、お布団ぼろぼろ行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、お釜底抜け行かれない、あの子が欲しい、あの子じゃわからん、この子が欲しい、この子じゃわからん、相談しよう、そうしよう」
- 神奈川県横浜市のとある地域バージョン?:「勝ってうれしい花いちもんめ、負けて悔しい花いちもんめ、隣のおばさんちょっと来ておくれ、鬼が怖くて行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、お釜底抜け行かれない、鉄砲かついでちょっと来ておくれ、鉄砲玉無し行かれない、お布団かぶってちょっと来ておくれ、お布団びりびり行かれない、あの子が欲しい、あの子じゃ分からん、この子が欲しい、この子じゃ分からん、相談しよう、そうしよう」
- 神奈川県川崎市:「勝ってうれしいはないちもんめ、負けてくやしいはないちもんめ、隣のおばさんちょっと来ておくれ、鬼がいるから行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、お釜底抜け行かれない、鉄砲かついでちょっと来ておくれ、鉄砲ないから行かれない、お布団かぶってちょっと来ておくれ、お布団びりびり行かれない、あの子が欲しい、あの子じゃ分からん、この子が欲しい、この子じゃ分からん、相談しよう、そうしよう」
- 千葉県バージョン?:「勝ってうれしい花いちもんめ、負けて悔しい花いちもんめ、隣のおばさんちょっと来ておくれ、鬼が怖くて行かれない、お釜かぶってちょっと来ておくれ、お釜底抜け行かれない、座布団かぶってちょっと来ておくれ、座布団ぼろぼろ行かれない、あの子が欲しい、あの子じゃわからん、この子が欲しい、この子じゃわからん、相談しよう、そうしよう」
- 福島県①:「勝ってうれしいはないちもんめ 負けてくやしいはないちもんめ あの子がほしい あの子じゃ分からん その子がほしい その子じゃ分からん 相談しましょ そうしましょ ちょいとま~る~め・・・き~まった そっちからどうぞ そっちからどうぞ ××ちゃんがほしい ○○ちゃんがほしい 何でいくの (じゃんけん又は引っ張りっこなど)でいくよ」
- 福島県②:「もんめもんめもんめはないちもんめ あの子がほしい あの子じゃ分からん 相談しましょ そうしましょ・・・○○ちゃんがほしい ××ちゃんがほしい」
- 福島県③:「ふるさと求めてはないちもんめ・・・」ではじまる
- 愛媛県:遊び方3のあと、「あの子が欲しい」「あの子じゃわからん」「相談しましょ」「そうしましょ」