アカデミー室内管弦楽団
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アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)はイギリスのオーケストラ。略称は(ジ・)アカデミー(The Academy)。かつては室内編成のオーケストラで、17~18世紀の音楽を専門にしてきたが、近年では、古楽器オーケストラの台頭や、標準編成のモダン楽器のオーケストラが「古楽奏法」にも取り組む中、編成とレパートリーを拡張して独自の路線を歩み続けている。
ロンドンでネヴィル・マリナーが創立し、1959年に最初の演奏会を行なった。当初は聖マーティン教会の小編成の、指揮者なしの弦楽合奏団として、バロック音楽演奏の復活に貢献してきた。音楽学者・鍵盤楽器奏者のサーストン・ダートの校訂によるJ.S.バッハの管弦楽組曲や『ブランデンブルク協奏曲』、ヴィヴァルディの『四季』の演奏ではそれまでの演奏に見られない新解釈を示し、当時の音楽界で話題を呼んだ。
管楽器を加えるようになってから、演奏曲目に見合うようにしなやかに編成や規模を変更し、バロック音楽だけに留まらず古典音楽から現代音楽までレパートリーを広げて演奏するようになった。録音数も英デッカ(ロンドン)やフィリップスを中心に非常に多い。通常のクラシック音楽の録音活動のほか、映画「アマデウス」(1984年)のサウンドトラックを担当し、普段はクラシック音楽を聴かない人々にも、モーツァルトの2つのト短調交響曲やレクィエムの魅力を知らしめた。他にも『タイタニック』のサウンドトラック、ポピュラー音楽ではナイトウィッシュ『ワンス』などもヒットしている。
原語の名称は直訳すると、セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教区アカデミーということになるため、日本語による呼称を吉田秀和などが「誤訳」と批判してきた(同じような例は、エンシェント室内管弦楽団の場合にも当てはまる)。しかし事情通ではない人たちにも分かりやすい訳語として、日本語名は一般に定着したまま改められてはいない。苦心の訳ではあるが、誤訳とまでいえるかどうかは議論が分かれる。なお、室内オーケストラとはいえない大きな編成を取る場合にはセント・マーティン・アカデミー管弦楽団などと訳される場合もある。
附属の合唱団 (Chorus of St. Martin-in-the-Fields) は1975年に併設されたが、録音数が極めて少ないため、ヨーロッパ以外での認知度は低い。UEFAチャンピオンズリーグの大会テーマ曲(賛歌)は、この合唱団によるものである。
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