アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞
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アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞はアカデミー賞の部門のひとつ。
この部門はアカデミー賞の中でも、最も論争を呼ぶ部門である。世間に大きな影響を及ぼした作品や評価の高かった作品が受賞しないばかりか、しばしばノミネートすらされないためである。特に1994年の「フープ・ドリームス」が巻き起こした論争によって、アカデミー協会はドキュメンタリー映画に対する投票システムを変更せざるを得なくなった。
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[編集] 受賞作品
[編集] 1980年代
- 1980年:「毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン」
- ノミネート:「フロント・ライン/ベトナム戦争の全貌」他
- 1981年:「ジェノサイド ナチスの虐殺 ホロコーストの真実」
- 1982年:"Just Another Missing Kid"(1978年に行方不明になったカナダ人青年の行方を追うドキュメンタリー)
- 1983年:"He Makes Me Feel Like Dancin'"(ニューヨークで子供達にダンスを教えるJacques d'Amboiseのドキュメンタリー)
- 1984年:「ハーヴェイ・ミルク」(ゲイとして初めてサンフランシスコの議員になったハーヴェイ・ミルクの成功と暗殺に関するドキュメンタリー)
- ノミネート:「子供たちをよろしく」「MARLENE/マレーネ」他
- 1985年:"Broken Rainbow"(アリゾナ州のナバホ族のドキュメンタリー)
- ノミネート:「公式命令9066/日本人強制収容所」他
- 1986年:2作品受賞
- "Artie Shaw: Time Is All You've Got"(クラリネット奏者、アーティ・ショーのドキュメンタリー)
- "Down and Out in America"(不景気により仕事を失ったアメリカの農業従事者たちを追う)
- 1987年:"The Ten-Year Lunch: The Wit and Legend of the Algonquin Round Table"(1919年から1929年までの10年間、ニューヨークのアルゴンキン・ホテルにランチのために集まった伝説的な作家・批評家・編集者たちのドキュメンタリー)
- 1988年:「ホテル・テルミニュス 戦犯クラウス・バルビーの生涯」
- 1989年:"Common Threads: Stories from the Quilt"(エイズで亡くなった人々を追ったドキュメンタリー)
[編集] 1990年代
- 1990年:"American Dream"(1985年、ミネソタ州オースティンにある、スパムで知られる精肉会社ホーメル社は従業員の賃金を大幅にカット。それに対する組合の様子やインタビューなどで構成されたドキュメンタリー)
- 1991年:"In the Shadow of the Stars"(オペラに関するドキュメンタリー)
- 1992年:"The Panama Deception"(1989年のアメリカによるパナマ侵攻に関する作品)
- 1993年:"I Am a Promise: The Children of Stanton Elementary School"(フィラデルフィアにあるある小学校がテーマ)
- ノミネート:「クリントンを大統領にした男」他
- 1994年:"Maya Lin: A Strong Clear Vision"(ベトナム戦争記念碑を制作した中国系アメリカ人アーティストのマヤ・リンを追ったドキュメンタリー)
- ノミネート:「ア・グレイト・デイ・イン・ハーレム ~57人のジャズミュージシャンの肖像~」他
- 1995年:"Anne Frank Remembered"(アンネ・フランクのドキュメンタリー映画)
- 1996年:「モハメド・アリ かけがえのない日々」
- 1997年:「ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道」
- 1998年:"The Last Days"(ホロコーストを生き延びた5人のユダヤ系ハンガリア人の物語)
- 1999年:「ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実」
- ノミネート:「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」他
[編集] 2000年代
- 2000年:「ホロコースト:救出された子供たち」
- 2001年:「日曜日の殺人事件」
- ノミネート:「戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界」「プロミス」他
- 2002年:「ボウリング・フォー・コロンバイン」
- ノミネート:「WATARIDORI」「チャレンジ・キッズ 未来に架ける子どもたち」他
- 2003年:「フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白」
- 2004年:"Born Into Brothels: Calcutta's Red Light Kids"(カルカッタの売春宿に生まれた子供達を追ったドキュメンタリー)
- ノミネート:「らくだの涙」「スーパーサイズ・ミー」他
- 2005年:「皇帝ペンギン」
- 2006年:「不都合な真実」
カテゴリ: アカデミー賞 | ドキュメンタリー映画