アフターウォーの機動兵器
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アフターウォーの機動兵器(アフターウォーのきどうへいき)は、「ガンダムシリーズ」のうち、アニメ『機動新世紀ガンダムX』をはじめとするアフターウォーを舞台とする作品に登場する架空の機動兵器(モビルスーツ及びモビルアーマー)の機体について述べる。なお、作品内でガンダムタイプと呼ばれる機体については各独立項目参照。順番は型式番号順。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 旧地球連邦軍
以下の機体の詳細は個別項目を参照。
- GT-9600 ガンダムレオパルド
- GT-9600-D ガンダムレオパルドデストロイ
- GW-9800 ガンダムエアマスター
- GW-9800-B ガンダムエアマスターバースト
- GX-9900 ガンダムX
- GX-9900-DV ガンダムXディバイダー
- GS-9900 Gファルコン
[編集] ドータップ
ドータップ | |
型式番号 | DT-6600 |
所属 | 旧地球連邦軍 |
頭頂高 | 10.0m |
本体重量 | 5.2t |
武装 | 80mmキャノン砲 |
旧連邦の戦闘ポット。ドートレスの支援機として宇宙で使用されるが、劇中での描写はきわめて少なかった。
当然1stガンダムのボールをモチーフとしているが、キャノン砲は機体下部にあり、腕部パーツの一部がドートレスと共有。
- 機体名はアニメ用語の「同タップ」から。
[編集] ドータップ水中型
ドータップを水中用に改造したもの。戦後、シーバルチャーがサルベージ作業などで使用した。武装は機体下部のキャノン砲に替わり四連装魚雷発射管ポット。劇中での描写はやはりきわめて少ない。
[編集] ドートレス
ドートレス | |
型式番号 | DT-6800 |
所属 | 旧地球連邦軍 新地球連邦軍 バルチャー フリーデン アルタネイティヴ社 |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.3m |
本体重量 | 7.0t |
主な搭乗者 | ジャミル・ニート 新地球連邦軍兵士 アルタネイティヴ社警備隊員 バルチャー他 |
武装 | 90mmマシンガン ビームサーベル シールド |
旧地球連邦軍の主力量産型モビルスーツ。第7次宇宙戦争時に旧地球連邦軍の主力として多数量産された機体である。汎用性が高く、多少の改修で地上・宇宙問わず運用可能なほか、戦後も生産が続けられ、数多くの機体がバルチャーやアルタネイティブ社、農村の自警団などによって運用されている。新連邦でも引き続き主力であったが、次世代機のバリエントやドートレス・ネオの登場により第一線からは退きつつある。新地球連邦軍所属機のみビームサーベルが装備されている。カラーリングは白を基調とし、胸部のみ橘色であるが、旧連邦の頃よりバリエーションごとに胸部のカラーリングが異なる。
- 機体名はアニメ用語である「同トレス」から。第二次世界大戦時の米海軍の急降下爆撃機ドーントレスともかけている。
- 『機動戦士ガンダム』に登場したジムのような存在で、数々のバリエーションが存在する。デザインはジムをモチーフにしているが、特徴的な三つ目の頭部(ガンダムの頭部センサー配置をモチーフに『新機動戦記ガンダムW』のリーオーの意匠を移入した頭部デザイン)により、ジムとの差別化が図られている。
[編集] ドートレスのバリエーション
- DT-6800W ドートレス・ウェポン
- ドートレスの右肩に240mmキャノンを装備した支援用の機体。機動性がやや低下している。胸部のカラーリングは紺色。『モビルスーツバリエーション』に登場したジム・キャノンに相当するといえる。
- DT-6800C ドートレス・コマンド
- 通信機能を強化した指揮官用の機体。頭部の形状が異なり、アンテナが二本になっている以外は通常のドートレスと変わらない。胸部のカラーリングは深緑。
- DT-6800FA ドートレス・フライヤー
- 飛行用バックパックを装備した機体。機動性などに難はあったが、戦後は航空兵器がほとんど失われていたためまずまずの戦果を挙げた。カラーリングは胴体中央部が灰色、他は橘色。
- DT-6800HMC DHMCワイズワラビー
- ドートレスの地上での機動性向上を狙って開発された機体。極端に大型化した脚部が特徴で、頭部も性能向上型に換装されている。Dはドートレス、HMCは「ハイ・モビル・カスタム」で高機動改良機の意味。カラーリングは青。劇中に登場したのは青いエニル機のみで、これが正式カラーかどうかは不明。
- DT-6800HM DHMCファイヤーワラビー
- ザコット一味が使用したバリエーション。火炎放射器を装備し、炎の時計部隊の異名をとった。頭部は通常のドートレスに近いデザイン。カラーリングはブラウン系。
- NRX-0018-2 ドートレス・ネオ
- ドートレス直系の新型機。詳細はドートレス・ネオを参照。
[編集] ドートレスのカスタム機
- DT-6800 ドートレス改
- 戦後多数登場したバルチャーオリジナルモビルスーツの内ドートレスをベースとした機体の総称。そのためジェニス系のパーツが使われていることも珍しくなく。分類は困難である。ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズでは、本編第2話に登場した紫色一色の機体を採用している。
- DT-6800 ドートレス・タンク
- ドートレスの下半身を戦車の車体にしたもの。コストが低く操縦も容易で、主に農村の自警団に普及した。対モビルスーツ戦には不向き。バルチャーがジャンクパーツでレストアした機体で、新連邦はもとより旧連邦でも正式採用されていた機体ではないとされている。しかし、劇中で戦前にモビルスーツサイズの戦車が存在したことを伺わせる描写がある。『モビルスーツバリエーション』に登場したザクタンクに相当するといえる。
- DT-6800A/C/W ドートレス・アルタネイティヴ社仕様
- アルタネイティヴ社で生産されたドートレスはカラーリングが異なるほかは連邦所属機と変わらない。劇中では、アルタ社のエージェント、ライク・アントが駆るコマンド率いる3機がGXに搭乗したガロードの最初の対戦相手であった。アルタネイテブ社壊滅後、フリーデンが交易に用いたドートレスは同社製のカラーリングであり、同社壊滅時に回収したパーツを組み立てたものと考えられる。カラーリングは、グレーを基調とし、頭部と胸部カラーは通常型とウエポンが橘色、コマンドが赤となっている。
[編集] ドーシート
ドーシート | |
型式番号 | DTM-7000 |
所属 | 旧地球連邦軍 シーバルチャー |
頭頂高 | 16.4m |
本体重量 | 6.3t |
武装 | 魚雷×8 対空魚雷×4 ビーム砲×2 可変ピッチ型ハイパースクリュー×2 |
旧地球連邦軍の水陸両用モビルスーツ。推進器を背部に背負う形式。
- 機体名はアニメ用語の「同シート」から。作中に登場したモビルスーツのうち唯一カトキハジメがデザインした。
[編集] ドーシートIII
ドーシートIII | |
型式番号 | DTM-7200 |
所属 | 旧地球連邦軍 シーバルチャー |
頭頂高 | 17.0m |
本体重量 | 7.6t |
武装 | 魚雷×4 ビーム砲×4 |
旧地球連邦軍の水中用モビルスーツ。 ドーシートの改良機。脚部がウォータージェット推進器になっているため水中適応性が高いが、水陸両用モビルスーツとしての機能は薄い。
en:DTM-7000 Daughseat#DTM-7200 Daughseat III
[編集] ガンダムベルフェゴール
ガンダムベルフェゴール | |
型式番号 | GB-9700 |
所属 | 旧地球連邦軍 フリー |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
主な搭乗者 | カイ |
武装 | 大出力ビームサーベル ヒートワイヤー クローアーム×2 (ダブル)ソニック・スマッシュ砲 (漫画版) バスターソード |
第7次宇宙大戦後期、旧地球連邦軍・宇宙革命軍を問わずニュータイプの存在は非常に大きなものとなっており、特に一般兵に与える心理的影響は、戦略的な見地からも無視できないほど深刻なものとなっていた。事実、旧地球連邦軍のガンダムタイプや宇宙革命軍のベルティゴ、フェブラルなど実戦投入されたニュータイプ用の機体も多く、軍のニュータイプへの関心の高さが伺える。それを踏まえて旧地球連邦軍が開発したのが対ニュータイプ専用モビルスーツである。本機はその特殊な任務のため、コストを度外視した高性能を追及しており、ヒートワイヤー、接近戦用のクローアーム、砲撃戦用のソニック・スマッシュ砲を装備してあらゆる局面で絶大な戦闘能力を発揮する。さらにNT対応のフラッシュ・システムを搭載しており、機体および武装の制御に援用されている。
だがその高性能の反面、搭乗者の安全性は考慮されておらず、特殊な制御系から来る精神的な負荷や高機動に伴う激烈なGなどパイロットを使い捨てのパーツとみなした設計が成された感がある。
正式な記録は残っていないため、本機が大戦当時に実戦投入されたかは定かではない。アフターウォー0024年にはニュータイプ研究所の廃墟からカイによって発見され、そのまま彼の搭乗機となった。機体自体のスペックとパイロットの技量も相成って、開発から四半世紀近いアフターウォー0024年においても有数の戦闘能力を誇る。
ガンダムヴァサーゴやガンダムアシュタロンは本機を基として開発されている。
[編集] 設定経緯
もともとはゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズにて設定されたオリジナルのモビルスーツであり、アニメ『機動新世紀ガンダムX』本編には登場しない。ゲーム中ではリミッター解除を行なうことで威力絶大の攻撃を行なうことができる。 その後はゲーム媒体での登場にとどまっていたが、角川書店発行の漫画雑誌「月刊ガンダムエース」連載の『機動新世紀ガンダムX~UNDER THE MOONLIGHT~』にて主人公のライバル機として登場することとなった。
[編集] 新地球連邦軍
以下の機体の詳細は個別項目を参照。
- GX-9901 ガンダムダブルエックス
- NRX-0013 ガンダムヴァサーゴ
- NRX-0013-CB ガンダムヴァサーゴチェストブレイク
- NRX-0015 ガンダムアシュタロン
- NRX-0015-HC ガンダムアシュタロンハーミットクラブ
[編集] コルレル
コルレル | |
型式番号 | NRX-007 |
所属 | 新地球連邦軍 |
頭頂高 | 17.9m |
本体重量 | 4.5t |
主な搭乗者 | デマー・グライフ |
武装 | ビームナイフ |
軽量化、運動性を徹底した試作機。フロスト兄弟が取り寄せ、ガンダムダブルエックス追討を命じられたデマー・グライフに与えられた。モビルスーツとしては極限までの軽量化がなされているため、手足の長い痩身のフォルムをしており、武装もビームナイフを一本所持するのが、かろうじて可能なほどである。バッタのように跳ね回り、空中で数回バク転して飛び蹴りを放つなど、モビルスーツにあるまじき動きをし、その敏捷さで相手を撹乱した隙に、モビルスーツの駆動部やコクピットをナイフで狙えば、十分危険な攻撃力を発揮する。カラーリングは当初グレーと赤であったが、デマーの強い要望に沿って(認識番号のマークまで)、デマー自らの手で真っ白に染め上げられている。
ガロードはシャギア・フロストに誘い込まれた狭所でコルレルに襲撃され、そのスピードとナイフ捌きで窮地に陥る。ガロードほど腕の立つパイロットでも、ライフルやサーベルで捉えることは不可能だったが、軽量化のためその装甲はきわめて脆弱で、ガロードの奇策で転倒させられた隙に、バルカン砲の斉射を浴びて粉砕される。
- 機体名はCorre(スペイン語で「走る」の意)から。
- このモビルスーツのデザインがエヴァンゲリオンを連想させることから、放送当初よりエヴァのパクリ疑惑があったが、デザイナーの石垣純哉は高松監督からのオーダーは『あしたのジョー』の力石徹がモチーフであると言及している。
- デザイン上では他の新連邦モビルスーツと同じく頭部センサーはデュアルアイであるのだが、『SDガンダム GGENERATION F』でのカットインではモノアイとなっている。
[編集] バリエント
バリエント | |
型式番号 | NRX-009 (NR-001) |
所属 | 新地球連邦軍 バルチャー |
頭頂高 | 17m |
本体重量 | 6.2t |
武装 | ビームライフル ビームサーベル×2 ミサイル×4 |
主な搭乗者 |
戦後初めて正式採用された量産モビルスーツ。脚部を変形させ推進装置とすることで、ある程度の飛行が可能。戦後、ほとんどの地域で航空兵器が失われていたため、新連邦の勢力拡大に多大な貢献をすることとなった。その機動力の高さから宇宙での革命軍との戦いでも主力機として用いられた。
- 機体名はvariant(英語で「変形」の意)から。
[編集] ガブル
ガブル | |
型式番号 | NRX-010 |
所属 | 新地球連邦軍 |
頭頂高 | 28.3m |
本体重量 | 22.5t |
武装 | 無し |
主な搭乗者 | ミルラ・ドライド |
試作型の大型フィールドジェネレーターを搭載した大型実験機。動きこそ愚鈍だが圧倒的防御力を誇った。固定武装は無く、巨体で敵を押し潰す戦法をとる。
ガンダムダブルエックスとガンダムレオパルドの2機を圧倒したが、レオパルドの捨て身の零距離一斉砲撃で撃破された。その際、レオパルドも中破している。
- 機体名はGable(ペルシャ語では「死」、英語では「破風」の意)から。
[編集] ブリドヴァ
ブリドヴァ | |
型式番号 | NRX-011 |
所属 | 新地球連邦軍 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 5.2t |
武装 | ヒートワイヤー マイクロミサイル |
主な搭乗者 | ドゥエート・ラングラフ |
後方支援機として開発されていたものを接近戦用に改造したカスタム機。牽制用のマイクロミサイルや、敵を切り裂くためのモノフィラメントワイヤー(ヒートワイヤー)といった特殊武器を使う。
- 機体名はロシア語で「剃刀」の意味。
[編集] ラスヴェート
ラスヴェート | |
型式番号 | NRX-016 |
所属 | 新地球連邦軍 |
頭頂高 | 17.8m |
本体重量 | 8.1t |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
主な搭乗者 | アベル・バウアー |
武装 | ビームサーベル ビームライフル |
戦後初めて開発されたニュータイプ専用モビルスーツ。フラッシュシステム搭載機で、戦闘中にアベル・バウアーがその起動に成功させ、フリーデンのクルーを苦しめたが、ティファ・アディールの助けを得たガロード・ランの機転で戦闘不能となる。パイロットのバウアーが殺害された後の行方は不明。ガンダムタイプに極めて似た頭部を持っているのが特徴。飛行能力を持ち高い機動性を発揮している。
- 機体名はロシア語で「夜明け」の意味。
[編集] ラスヴェートのバリエーション
- Bitラスヴェート
- ラスヴェートがフラッシュシステムを起動することで操作できる無人機。外見はラスヴェート本体と全く同じで、武装・性能も一緒なので見分けることは困難である。
- ラスヴェートβ
- コミックボンボン連載版『機動新世紀ガンダムX』に登場した機体。如何なる経緯で開発され、入手されたものなのかは不明である。フリーデンIIに搭載されており、月に向かう際の新地球連邦軍および宇宙革命軍との戦闘でカリス・ノーティラスが使用した。腕部形状などからベルティゴをモデルにして開発されたと思われる。
[編集] ドートレス・ネオ
ドートレス・ネオ | |
型式番号 | NRX-018-2 |
所属 | 新地球連邦軍 バルチャー |
頭頂高 | 18.2m |
本体重量 | 8.0t |
武装 | ワイヤード・ビームライフル×2 ビームライフル |
ドートレス直系の後継機。ガンダムヴァサーゴのデータがフィードバックされており、両腕部にビームカッターの併用が可能なワイヤードビームライフルを固定装備し、接近戦において無類の強さを発揮する。またバリエントと同型のビームライフルを装備した機体も存在する。単体で大気圏飛行能力を有しているなど、新連邦モビルスーツの集大成的存在。
第八次宇宙戦争直前までに多数が量産されたが、正式採用前の最終テスト段階であるため、フロスト兄弟指揮下の司令部直属の精鋭部隊にのみ配備されている。
en:DT-6800A Daughtress#NRX-018-2 Daughtress Neo
[編集] ガディール
ガディール | |
型式番号 | NRMA-006 |
所属 | 新地球連邦軍 |
全長 | 18.2m |
本体重量 | 7.0t |
武装 | ビームライフル |
新連邦が開発した飛行型量産モビルアーマーで、空戦能力のみを特化しており、制空戦闘を任務とする。
形状は航空機と変わらず、既存の飛行型モビルアーマーと違い表面の凹凸が少なく空気抵抗が少なそうなフォルムであるが、機体上部にドートレス系の頭部センサーがあり、また機体下部には専用のビームライフルが装着されている。更に両翼のエンジン下にはビームサーベルを装備した腕部が内蔵されており、明らかに航空機とは一線を画したスタイルである。両翼には推進力が高いエンジンを2基配しており、その推進力を生かした一撃離脱戦法を得意とする。ガンダムエアマスターを凌駕する空戦能力を持っており、2機がかりでエアマスターを大破させた。しかし強化されたエアマスターバーストに対しては、3機で挑んでも相手にならず一蹴された。
制空圏の確保を目的として開発されたが、アフターウォー年代の地球でまとまった航空戦力を有しているのは、新連邦を除けばエスタルドのようなごく一部の自治国家のみであり、またその数も僅かである事から、航空戦力はバリエントのような飛行型モビルスーツで十分と判断され生産は少数に留まっている。30機生産されたうち5機のみが対エスタルド戦に試験的に投入されたが、全機失われた。
なお、第七次大戦後において純粋にモビルアーマーとして開発された唯一の機動兵器である。
[編集] 宇宙革命軍
[編集] ジェニス
ジェニス | |
型式番号 | RMS-006 |
所属 | 宇宙革命軍 バルチャー |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.6m |
本体重量 | 7.7t |
武装 | 100mmマシンガン ビームサーベル バルカン マシンキャノン |
第7次宇宙戦争中、旧革命軍が主力として量産した汎用モビルスーツで、高い汎用性と豊富な武装を持っている。また、戦争終結後も旧連邦所属だったドートレス同様多数が残存し、様々なカスタマイズを受けバルチャーやその他のモビルスーツ乗りたちによって運用された。第七次大戦後の宇宙革命軍では、次世代機であるクラウダの配備により辺境コロニーの警備や、コロニーレーザー再建などの作業用モビルスーツとして運用されており、第一線から退いている。ジェニスはじめ、ほとんどの宇宙革命軍モビルスーツはスリットが入ったセンサーや1対の放熱器を備えた頭部が特徴である。基本武装はビームサーベル、マシンガン。
- 機体名称は6月 (June) をもじったもの。『機動戦士ガンダム』のザクIIに相当するモビルスーツである。
- 『∀ガンダム』の黒歴史の記録映像にガンダム系とザク以外でかなり目立って登場した。良く似たザク(ボルジャーノン)のひとつと認識された可能性もある。
[編集] ジェニス改
ジェニスの改修機。(型式番号:RMS-006G) 第七次大戦時、陸戦用に改修されたジェニスで、外見的特長であった両肩部のニードルがオミットされ、機体各所のバーニアが一部省略されている。
[編集] ジェニスのカスタム機
- RMS-006 ジェニス(ローザ隊)
- 女性バルチャーであるローザ・インテンソが保有するローザ艦所属の機体は両肩のニードルがある通常型。赤いカラーリングが特徴である。
- RMS-006G ジェニス改(エニルカスタム)
- エニル・エル専用のジェニス改。頭頂部にサブカメラが増設されている。機体色は青。
- RMS-006G ジェニス改(クロッカオリジナル)
- クロッカ専用のジェニス改。頭部にモヒカン刈り状の飾りが付いている。機体色は紫。
- RMS-006G ジェニス改(スラッシュバッファロー)
- ヴェドバ・モルテ専用のジェニス改。頭部にバッファローの角を彷彿とさせる角飾りが付いている他、各所に装甲が追加されている。機体色は真紅。
- RMS-006G ジェニス改(サテリコン仕様)
- 反革命軍勢力サテリコンが鹵獲し主力として保有していたジェニス。外見はG型だが、宇宙での運用が可能。カラーリングは黄色。
- RMS-006G ジェニス(ガスパカスタム)
- 『UNDER THE MOONLIGHT』の登場人物ガスパの使用するジェニス。頭部はドートレス・ネオのものを流用している。ヒートソードとヒートワイヤーを備えた十徳ナイフのような武器を持つ。しかしガスパはこの機体を扱いきれてない。
[編集] ジュラッグ
ジュラッグ | |
型式番号 | RMS-007G |
所属 | 宇宙革命軍 バルチャー |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.3m |
本体重量 | 6.9t |
主な搭乗者 | エニル・エル |
武装 | マシンキャノン ビームサーベル ビームマシンガン スレッジ |
ジェニスを陸戦用に再設計した機体。フォートセバーン市の自警団などによって運用された。劇中で登場するのは後述の寒冷地仕様機(ポーラ・ベアー)のみ。エニルが搭乗したモビルスーツで唯一専用カラーが無い。
- 機体名称は7月 (July) から。『機動戦士ガンダム』のグフに相当する機体である。
[編集] ポーラ・ベアー
ジュラッグの寒冷地仕様機(型式番号:RMS-007G)。スノーボード状の雪上・陸上移動オプションである「スレッジ」を装備することができる。フォートセバーン市所属。後に北米の新地球連邦軍抵抗組織にも配属された。劇中ではビームマシンガンを使用しているが、これは戦後の改造で携帯可能になったと思われる。
[編集] セプテム
セプテム | |
型式番号 | RMS-009 |
所属 | 宇宙革命軍 バルチャー |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.5m |
本体重量 | 9.0t |
武装 | 100mmマシンガン ジャイアントバズーカ ビームサーベル |
旧革命軍の重モビルスーツ。ジェニスをベースに重武装・高機動を目的に開発された機体である。宇宙用だが、陸戦タイプも生産された。カラーリングはブルー。
[編集] セプテム改
セプテムの陸上戦タイプをバルチャーが独自に改造した機体(形式番号:RMS-009G)。 防塵機能が強化されており、ロッソ艦所属の機体は赤系統の塗装で塗られていた。
[編集] オクト・エイプ
オクト・エイプ | |
型式番号 | RMS-014 |
所属 | 宇宙革命軍 バルチャー |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 17.2m |
本体重量 | 9.3t |
武装 | 100mmマシンガン ビームライフル ビームサーベル |
旧革命軍の高機動型モビルスーツ。ジェニス、セプテムに比べ大型のメインスラスターを持ち、それにより大気圏飛行能力を有する。また革命軍の量産モビルスーツとしては初めてビームライフルを搭載した機種で、その威力は登場から15年後の新地球連邦軍のビームライフルを凌ぎ、フロスト兄弟も唸らせた革命軍の技術力を見せ付けるなど、量産モビルスーツとしては破格の高性能機である。就役は第七次大戦末期で、生産数は少数に留まり現存数は少ない。カラーリングは赤。
- 機体名称は10月 (October) と4月 (April) を合わせた造語。『機動戦士ガンダム』のゲルググに相当するモビルスーツである。
[編集] オクト・エイプ改
オクト・エイプのバルチャー仕様。元々現存数が少ない機種のため劇中に登場したのはグリーツ・ジョーが保有する機体のみ。しかも純正パーツは使用していないようで飛行能力は無く、メインウエポンもビームライフルではなくジェニスと同型の100mmマシンガンである。カラーリングはグレー(胴体部)と白。
[編集] クラウダ
クラウダ | |
型式番号 | RMS-019 |
所属 | 宇宙革命軍 |
全高 | 18.0m |
本体重量 | 8.4t |
主な搭乗者 | ランスロー・ダーウェル 宇宙革命軍兵士 |
武装 | バルカン砲×2 ビームライフル ビームカッター×2 |
宇宙革命軍が戦後初めて開発した新型モビルスーツ。作中では第32話以降に登場する。量産機のカラーは薄いグレー。
地球に降下させたスパイにより地球情勢を探らせていた革命軍は新連邦の成立が近いことを察知していた。革命軍は再び地球と戦火を交えるためにも強力な新型モビルスーツを欲し、クラウダが開発された。革命軍の本拠地クラウド9をもじって命名されたことからも革命軍の期待の大きさを窺わせる。特筆すべきはその堅牢な装甲にあり、対ビーム性に優れた重装甲はビームライフルの直撃にも耐える程で、量産機としては破格の性能を誇った。これは国力で地球に対抗し得ない革命軍がモビルスーツの量より質を優先し、貴重な機体とパイロットの消耗を低めようとしたたためであると思われる。又、背部に巨大なビームカッターを標準装備させることで対艦戦能力も高められた。
一方で装甲で機体が大きくなったため、特に宇宙での運動性を損なわないように機体各所に巨大なバーニアを備えている。これにより運動性の問題は無くなったものの、バーニア部分には当然装甲が施せないため、巨大なバーニアを各部に露出させるのは同時に弱点を晒すことに他ならず、そこをつかれて撃破されることもままあった。特に腹部正面のバーニアは最も目立ち、狙われやすい部位だった。
クラウダ隊長機(形式番号:RMS-019R)の頭部には複合通信アンテナが設置されており、劇中でランスロー・ダーウェルが搭乗しているのは、この隊長機にクリーム色の塗装をしたものである。一般に、この機体はランスロー専用機と呼ばれる。
- 複数の巨大なバーニアを各所に配した重モビルスーツという点では『機動戦士Ζガンダム』に登場するジ・Oを思わせる機体だが、カスタム機・ニュータイプ専用機ではなく純粋な量産機であり、劇中での扱いやコンセプトなどにおける相違点はかなり多い。
[編集] フェブラル
フェブラル | |
型式番号 | RMSN-002 |
所属 | 宇宙革命軍 |
主な搭乗者 | ランスロー・ダーウェル |
武装 | 5連装ビーム砲×2 ビット |
宇宙革命軍が第七次宇宙戦争末期に投入したニュータイプ専用モビルスーツ。
作中では第1話冒頭などで登場したが、回想シーンなどが中心で物語本編には登場していない。コロニー落とし作戦に際しランスロー・ダーウェルが搭乗している。コロニー落とし作戦が強行され、地球に多数のコロニーが落着する最中、ジャミル・ニートの乗るガンダムXと激戦を繰り広げる。ガンダムXを中破に追い込むが、自らもビームライフルの直撃を受け撃墜される。ランスローはコックピットを分離させて脱出した。
下半身は紡錘状のスカートのような形状で脚部は無く、頭部に分離可能なコックピットを持ち、腕部は各々5連装ビーム砲になっている。ときた洸一の漫画作品『機動新世紀ガンダムX外伝 ニュータイプ戦士ジャミル・ニート』では革命軍のニュータイプ専用モビルスーツの特徴であるビットを使用しているが、アニメ本編では使ったシーンが無い。
- 機体名称は2月 (Febuary) から。『機動戦士ガンダム』に登場するジオングに相当するモビルスーツとして設定されており、デザインもそれを彷彿とさせる。
[編集] ベルティゴ
ベルティゴ | |
型式番号 | RMSN-008 |
所属 | 宇宙革命軍 フォートセバーン |
全高 | 18.5m |
本体重量 | 7.2t |
主な搭乗者 | ランスロー・ダーウェル カリス・ノーティラス |
武装 | マシンキャノン×2 内蔵ビームライフル×2 ビームサーベル×2 ビット×12 |
第7次宇宙戦争時に宇宙革命軍が開発したニュータイプ専用モビルスーツ。作中では第10話で登場したほか、ときた洸一の漫画作品『機動新世紀ガンダムX外伝 ニュータイプ戦士ジャミル・ニート』で、ライラック作戦時での降下部隊護衛としてランスロー・ダーウェルが搭乗している。
ニュータイプ専用機であり、フラッシュシステムによって精神波でコントロールするビットと呼ばれる小型無人ビーム砲台を搭載している。そのため、本機の能力を100パーセント発揮するためには、ニュータイプか人工ニュータイプの力を必要とする。
作中で登場した機体は、ライラック作戦時にモビルアーマーパトゥーリアと共に降下した予備パーツから組み上げた機体である。
- 機体名称 (Vertigo) はスペイン語で「目眩」の意味。
- 『機動戦士ガンダム』に登場するエルメスに相当する機体として設定されているが、形状、塗装などは『機動戦士Ζガンダム』などに登場するキュベレイを彷彿させるデザインである。
- 余談だが、物語後半で再登場してからはビットは封印されたのか、一度も使用していない。
[編集] グランディーネ
グランディーネ | |
型式番号 | MA-06 |
所属 | 宇宙革命軍 アルタネイティヴ社 |
全高 | 34m |
重量 | 72t |
武装 | 長距離荷粒子光弾砲 200mm対空ビーム砲×4 |
宇宙革命軍が地球侵攻に用いた大型モビルアーマー。四脚での安定した姿勢で強力な荷電粒子光弾砲による砲撃を行う移動砲台的な兵器。劇中ではアルタネイティヴ社が回収して所有しており、対フリーデン戦用の切り札として使用した。
[編集] パトゥーリア
パトゥーリア | |
型式番号 | MAN-003 |
所属 | 宇宙革命軍 フォートセバーン |
全長 | 617m |
全高 | 105m |
重量 | 38800t |
武装 | 有線ビーム砲×30 荷粒子砲×4 |
主な搭乗者 | カリス・ノーティラス |
宇宙革命軍が地球攻撃作戦「ライラック作戦」に投入した超大型のニュータイプ専用モビルアーマー。作戦の失敗により北米北部に不時着していた。共に降下した革命軍のドーラット博士は戦後、落着地点にフォートセバーン市を建設し、市長ノモア・ロングとして振る舞いながら、パトゥーリアを修復し、密かに再起を図っていた。ニュータイプ、もしくは人工ニュータイプを生体部品として組み込むことで起動し、多数の有線ビーム砲を用いたオールレンジ攻撃が可能となる。通常は巨大な艦船のような形状だが、攻撃時は中央から二つに開いた形になる。600mを超す全長は、ガンダムシリーズ中全ての機動兵器でも最大級のものである。
- 型式番号や有線ビーム砲による攻撃などから『機動戦士ガンダム』に登場するブラウ・ブロに相当するモビルアーマーといえる。
[編集] 南アジア
[編集] エスタルドス
エスタルドス | |
型式番号 | EMG-001 |
所属 | エスタルド人民共和国 |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.0m |
本体重量 | 8.9tt |
主な搭乗者 | リー・ジャクソン |
武装 | マシンキャノン×2 |
南アジアの小国エスタルドが戦後初めて開発したモビルスーツ。スリットの入った頭部センサーなど宇宙革命軍のモビルスーツに通じる部分も多く、旧革命軍のモビルスーツ技術を応用していることが窺える。既に劇中の時代では後継機のパイロンに生産が移り、第一線を退いていた。エスタルドが新連邦への降伏を余儀なくされた時、抗戦派のリー・ジャクソン将軍が本機を持ち出し、最後の抵抗戦を行い、玉砕した。リー機のカラーリングは白を基調としたもの。
[編集] パイロン
パイロン | |
型式番号 | EMG-002 |
所属 | 南アジア独立小国家 |
生産形態 | 量産型 |
頭頂高 | 16.5m |
本体重量 | 8.0t |
主な搭乗者 | 南アジア独立小国家軍兵士 |
武装 | マシンキャノン×2 70mmマシンガン |
エスタルドスを原型機にし、エスタルドはじめとする南アジア独立小国家各国が共同開発したモビルスーツ。劇中ではエスタルド、ノーザンベル、ガスタールの3国同盟軍の主力として新地球連邦軍と戦った。又、ガスタールが新連邦陣営に移ってからはガスタール軍のパイロンがエスタルドを攻撃した。各国によってカラーリングは異なり、エスタルド軍のものは紺色、ノーザンベル軍では茶色、ガスタール軍では緑色である。
en:ENG-001 Estardoth#ENG-002 Pyron
[編集] その他
[編集] エスペランサ
エスペランサ | |
型式番号 | 無し |
所属 | バルチャー |
生産形態 | カスタムメイド |
全長 | 18.3m |
本体重量 | 6.3t |
主な搭乗者 | エニル・エル |
武装 | ビーム砲×2 マシンキャノン×2 |
太平洋上の都市セインズアイランド近辺に拠点をおくシーバルチャー、ルマーク・カウトがサルベージして集めた兵器のジャンクパーツを組み合わせて製造したモビルアーマー。強力な加速力を持ち機動性は極めて高い。一方で火器は小型のビーム砲とマシンキャノンと弱く、一撃離脱を得意とする。元の世界に舞い戻ることになったエニルがルマークから買い取った。エスペランサ (esperanza) はルマークの故郷の言葉(スペイン語)で「希望」を意味する。ハンドメイドのため型式番号は無し。
ガロードたちの前に現れた際には高機動性でフリーデンのガンダムをも翻弄したが、フリーデンクルーのトニヤ・マームと親交を深めていたエニルは攻撃に徹しきれず退いた。
その後、ゾンダーエプタ島に偶然、立ち寄ってしまったため、島の存在を守秘しようとしたフロスト兄弟による追撃を受け、撃破されてしまった。
[編集] エスペランサII
エニル・エル専用ガンダムとしてデザインされたモビルスーツ。ほかのガンダムタイプとは異なり曲線を多用した女性的なデザイン。膝や脛の構造が独特で、シールドとしての機能を添付されている。
デザイナーはガンダム以外の量産モビルスーツをデザインした石垣純哉。エスペランサの後のエニル専用機として企画されていたがお蔵入りとなり、その役は専用のジェニスカスタムが演じることになる。
[編集] ディクセン
漫画『機動新世紀ガンダムX~UNDER THE MOONLIGHT~』に登場。
[編集] 関連項目
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