ウィスキー級潜水艦
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ウィスキー級潜水艦 (Whiskey class submarine、проект613,644,665) はソ連が冷戦中に製造した潜水艦。
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[編集] 概要
第二次世界大戦中に活躍したのドイツのXXI型潜水艦のデザインを大きく受けつぐ。1949年から1958年までの間に合計236隻が生産され、I、II、III、IV、Vと5つの型を持つ。
この潜水艦は当初沿岸警備潜水艦として設計されたが、50年代から60年代にかけてその一部が誘導ミサイル潜水艦として改造された。1956年ごろに最初の改造を受けたウィスキー型はP-5 (SS-N-3 Shaddock) 対艦ミサイル発射管を艦橋の後ろに1基持った物で、西側にウィスキー・シングル・シリンダー、58年から60年の間に発射管を2基に増やした物はウィスキー・ツイン・シリンダー(プロイェークト644)、さらに60年から63年の間に発射管を4基に増やした物はウィスキー・ロング・ビン(プロイェークト665)と呼ばれた。
SS-N-3ミサイルを発射するためには浮上しなければならず、シングルとツインシリンダータイプは発射管が水平に配置されたので発射前にさらにこれを上に向けなければならなかった。
そして最終型のロングビンでさえ運用成績は悪く、ミサイル発射管と水流の摩擦による雑音も目立ち、ウィスキー級はすぐに全艦退役となった。そのうち4隻だけがウィスキー・キャンバス・バッグ(プロイェークト640)として知られるレーダーピケット艦として残され、また2隻が‘漁業資源調査’および‘海洋学調査’用の潜水艦として残った。
ソ連ではその後ロメオ級潜水艦が沿岸警備潜水艦、ジュリエット級潜水艦が誘導ミサイル潜水艦の役をそれぞれ受け持った。
[編集] 輸出
通常型のみ、誘導ミサイルとレーダーピケット艦は輸出されていない。
- アルバニア(4隻)
- ブルガリア(2隻)
- 中国(5隻、またソ連から供給されたパーツを元に21隻を自国生産、03型として知られる、すでに全艦退役済み)
- エジプト(7隻)
- インドネシア(14隻、うち2隻はスペアパーツとして)
- 北朝鮮(4隻)
- ポーランド(4隻)
[編集] スペック
型によって少し異なる
- 水上排水量:1,080t
- 水中排水量:1,350t
- 全長:76.6m(ロングビンは83.3m)
- 幅:6.3 - 6.5m
- 喫水:4.9m
- 出力:水上4,000hp、水中2,500hp
- 速力:水上18.5ノット、水中13ノット、シュノーケル中7ノット
- 航続距離:水上13,500海里、水中6,500海里
[編集] 関連項目
カテゴリ: 軍艦スタブ | ソ連・ロシアの潜水艦 | 中華人民共和国の潜水艦