カンラン
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カンランとは、植物の名であるが、以下の三つがある。
カンラン | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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カンラン(寒蘭)は、ラン科の植物の一つ。本州南部以南の森林内に生育する。東洋ランとして栽培され、野生個体はほとんど見られないほど減少している。
[編集] 特徴
カンラン(Cymbidium kanran Makino)は、単子葉植物ラン科シュンラン属の蘭で、本州の紀伊半島から南の四国、九州、琉球列島にかけて分布するランである。地面に根を広げる、地生蘭である。
日本産のランの中では大柄なもののひとつで、よく育ったものは草丈が70cmにもなる。茎は球形の偽球茎となる。匍匐茎はなく、株立ちになる。葉は細長く、やや堅く、上に向かって伸び、ゆるやかに曲がって、その先端はほぼ横を向く。葉は深緑で、つやがあり、表面も縁も滑らか。根は太く、長い。
花は冬に咲く。カンランは寒蘭で、このことを指す。花茎は偽球茎の基部から伸びる。花茎は細くて堅く、葉を抜き出る。茎に沿って花を数輪~十数輪つける。花弁は細長く、先がとがる。外三弁はやや大きくて外に張り、内二弁はやや小柄。花色は変化に富み、普通は緑色に赤っぽい筋やぼかしが入る。赤っぽいものや黄色のものも知られる。唇弁は小振りで、白~黄色みを帯び、赤い小斑があるのが普通。
花を鑑賞するために採取され、栽培される。特に鑑賞価値を認められたものは東洋ランのひとつ、寒蘭の品種として認められる。
[編集] 分布
本州では紀伊半島、それに四国、九州の南岸から琉球列島にかけて分布する。ただし、現在では乱獲のため、自生を見ることはほとんどできない。多くのラン科植物が乱獲の対象になっているが、特にカンランは山草ブーム以前から乱獲の対象になっていた。これは、この種の分布域が狭く、個体数がもともと少ない上、栽培がやや難しいこともあって、よい品種には大変高い値がついて取引されたことにもよる。
採集者の間ではよい品種の坪(出現地点における生息場所)の情報がやり取りされ、徹底的に採集がなされた。採取の始まったころは、花の香りで蘭のありかを探したと伝えられるが、そのような状況はすぐになくなり、昭和30ー40年代には、すでに寒蘭採集は地面を透かして、長さ数cmの葉をつけた株を探す作業であった。昭和の終わりころには地面にはいつくばって地表に姿を見せた葉先を探したとも言う。さらにその後は、これという場所を決め、土を穂って篩にかけ、地下茎を探すこともあるようである。最盛期には、高知県の有名産地で、地元小学生を総動員して、山麓から上に向けて耕して探したとの伝説があり、そのために山容が変わったとさえ言われる。
現在では、恐らく日本国内において、花が咲いている株を野外で探すのは不可能と言っても過言ではない。絶滅しないのが不思議な状況と言える。ただ、この類は、種子の発芽の後、菌根に頼って地下で過ごす期間が長く、先の篩を用いるのは、それを狙ってのことではあるが、そのために小さな株が見過ごされて生き残っている例があるのであろうと思われる。