キャットフード
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キャットフード は工業的に生産された猫用飼料である。猫の飼育に適した組成が工夫されている。
本来肉食性である猫はタウリンなど必須栄養素が多い。市販のキャットフードはそれらを含んでおり、その他のペット用の飼料は主食として猫に適さない。
(訳注: 以下は英語版の翻訳です。日本でいう市販の「キャットフード」だけでなく、家庭で調理する製品も含みます。また内容の中に日本の現状にそぐわない部分があるかもしれません。全訳後に加筆/修正をお願いします)
目次 |
[編集] 原料
一般的なブランドの多くが食品産業の廃材を用いている。猫の専門家の中には、過剰に処理され固形となっていることと並んでこの点が猫の年齢に関係した病気の元になっていると主張する人がいる。加えて、一般的なブランドの多くが基本的に穀物ベースであり、しばしば大量のトウモロコシや米を含み、これに肉類と必須ビタミン類を添加している。またしばしば「動物消化物 animal digest」即ち様々な動物の肉から抽出した調味料をふんだんに含んでいる。
それほど有名でないペット飼料メーカは、もっと「自然な」製法を用いることがある。穀物や副産物類の含有率が低い。中には、Innova EVOのように穀物を全く含まないブランドも若干ある。自然派ブランドはしばしば人間が食べる場合に近いやりかたで肉を切っていると主張し、「ヒューマングレード」と称している。この種のブランドの多くは栄養を猫の自然な食事に合せるため、生の材料から作られている。それらのブランドは一般的に、生肉に内臓、粉砕骨、ある種の生の植物、補助栄養素を加えている。
飼い主の多くは自家製の飼料を与えている。調理済みの肉や生肉、粉砕骨、野菜ピューレに添加物としてタウリン、その他ビタミン剤を加えている。本来、猫は生肉に含まれる多くの細菌に対して抵抗力があるが、肉には寄生虫その他病原体が含まれることがあり、そのため一旦凍結させてから用いることがある(訳注: 寄生虫の成体、卵は冷凍によって破壊される)。添加するビタミン剤として、人間用のものを用いる場合と、猫専用のものを用いる場合とがある。獣医師は自家製飼料に消化酵素を添加することを勧める場合がある。このような自家製飼料に類似した生食を、パッケージにして販売する業者もある。パック入り飼料は冷凍保存し、必要な部分だけ解凍して与えるのが普通である。
何年も前から菜食主義キャットフードが販売されている。これは主に菜食主義者である飼い主をターゲットにしたものである。菜食主義キャットフードに対してはほとんどの獣医師が反対している。猫は偏った肉食動物であり、肉からでないと十分な量を摂取できない栄養素を必要としているからである。そのような栄養素の中には、タウリン、アラキドン酸、ビタミンA、ビタミンB12、ナイアシンが含まれる。これらは植物性材料からは十分得られない。もっとも、猫はこれらの多くを合成することはできる。これらを適切に添加したとしても、多くの菜食主義キャットフードには他の問題もある。尿が酸性になる問題は肉ベースの飼料では起りにくい。若干のメーカはAAFCOのキャットフード栄養組成基準 AAFCO's Cat Food Nutrient Profile に合格しているというラベルを貼っているが、それ以外のメーカは製品単独で用いることを勧めず、他のものを足す必要があるとしている。この指示に従わず後者を総合栄養食だと思い込んで、愛猫を栄養失調にした経験を持つ飼い主も多い。
[編集] キャットフードの形態
市販のキャットフードは固形飼料(ドライフード)または缶入り(猫缶)であることがおおい。猫缶類似の成分をパウチに入れたブランドもある。もっともパウチは猫のおやつとして用いられることの方が一般的である。生の飼料を冷凍して販売しているメーカもある。パイ状、メダル状に分割して、あるいは飼い主が自分で分割できるように大きなブロックのまま販売される。
固形飼料はそのまま袋詰めにされ販売される。その状態で長期間保存できる(数ヶ月、あるいは数年も)。猫缶はもっと小分けにして販売される。3、5.5、13オンス缶が一般的である。冷凍飼料はポンドいくらで販売される。
猫のエンスーや獣医師はできるだけ猫缶、自家製飼料、生飼料を増やすべきで、全てをこれらにしてもいいと推奨している。これらの飼料が水を多く含んでいることが理由の一つである。固形飼料と水で育てられた猫より健康に良い量の水を摂取できると考えられるからである。またこれらの飼料は総じて穀物他の炭水化物の量が少ない。固形飼料に比べ猫缶や生飼料の組成の方が猫の自然な食餌に近い。固形飼料の利点は長持ちすることと安価であることである。猫缶、自家製飼料、生飼料を用いると、猫の下部尿路疾患、糖尿病、慢性腎不全、便秘(時として巨大結腸をひきおこす)、肥満等がはっきりと減少すると一般的に考えられている。多くの飼い主が、猫缶主体で飼育した場合に起りやすいかもしれないとされる歯科上の問題よりも、これらの方が明らかに問題であると考えている。
固形飼料を主とすることを勧めるエンスーや獣医師もいる。固形飼料は噛み砕く必要があるので、その際歯石がとれるというのである。しかし近年この利点は大したことがないとされた。獣医師によっては、猫缶、特に魚味のものやプルトップの缶に入ったものは甲状腺機能亢進症と関連があると信じている。自家製飼料は固形飼料や猫缶よりも口腔内の健康になにがしかの益があると思われるが、口腔内の健康にとっては歯ブラシや獣医師による清掃には及ばない。
便利かつ安価なので、飼い主はしばしば固形飼料を好む。価格の差は明らかであり、そればかりか数日間も放置して猫に自由に食べさせることもできる。一方猫缶や生飼料は数時間で腐ったり不味くなったりする。
[編集] キャットフードの栄養価
- この節全体の典拠は[1]である。
残飯よりも専用に調整された飼料の方がペットのためだというのは周知のことである。たまに残飯を与えるのは構わないが、過剰にあてがうとペットの栄養バランスが崩れる。"complete and balanced"と書かれたキャットフードを購入することがペットにとって栄養的に望ましい。
"complete and balanced" と表示するには、分析試験または飼育試験の結果が全米飼料検査官協会 (en:Association of American Feed Control Officials, AAFCO]] ) の基準を満たす必要がある。AAFCOの猫栄養専門分科会 (Feline Nutrition Expert (FNE) Subcommittee have) は新しい栄養成分の基準を発表した。この基準は1992年に決まり、その後1995年に研究成果を反映させて改訂された。
これまでAAFCOが認める権威としてNational Research Council (NRC) が勧告を行ってきたがAAFCOの栄養基準はこれを置き換えるものである。AAFCOの栄養成分の基準に基づいて "complete and balanced" と表示された飼料は定められた全ての栄養素の量が各々一定範囲に収まっていなければならない。分科会は現在の猫の栄養に関する情報を考慮してそれらの範囲を決定した。栄養素の比率はキャットフードメーカが飼料を生産する際の情報として活用できるように定められている。
現在の基準では栄養価にはライフステージによって成長・出産期向け、成猫の健康維持向けの二つが定められている。このため成猫向け飼料ではいくつかの栄養素が減らされており、過剰摂取を防ぐことができる。また、いくつかの栄養素については、最初から最大摂取量を守るよう躾ける必要がある。栄養失調より栄養過剰が今日のペットフードの多くに共通する問題になっているからである。
飼育試験のプロトコルも改訂された。このような改善の結果、AAFCOの栄養基準または飼育試験の合格ラベルがある場合、"complete and balanced" という記載はさらに信用できるようになり、消費者のためになった。これ以外のシールや宣伝文句、他の機関を名乗った証明などは安全性を増すものではなく、消費者を惑わすものとなりうる。
- (訳註: 日本では"complete and balanced"にあたるものは「総合栄養食」であり、(他の動物ではなく)猫用の飼料であることと共に、次のように表示される
- 「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」ないしは
- 「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています。」
- ペットフード公正取引協議会の基準はAAFCOと同様である。ペットフード工業会のサイトを参照されたい)
以下の表にAAFCOの栄養基準を掲載する(猫用)。尚、乾燥状態での表示であることに注意すべきである。商品に掲載されている分析結果は飼料の状態でのものである。それらは乾燥状態にしないと意味のある比較ができない。猫缶では75%が水であるから、乾燥状態の4倍の量として表示されている。固形飼料では10%が水であるから、1.1倍になっている。
構文解析失敗 (不明なエラー): {栄養価 (単位)}_{乾燥質量}={栄養価 (単位)}_{餌状態} \times \left ( \frac {100} {\left ( 100-{水分 (パーセント)} \right )} \right )
栄養素 | 単位 (乾燥状態) |
成長・出産期 下限 |
成猫の維持 下限 |
上限 |
---|---|---|---|---|
タンパク質 | % | 30.0 | 26.0 | |
アルギニン | % | 1.25 | 1.04 | |
ヒスチジン | % | 0.31 | 0.31 | |
イソロイシン | % | 0.52 | 0.52 | |
ロイシン | % | 1.25 | 1.25 | |
リジン | % | 1.20 | 0.83 | |
メチオニン-シスチン | % | 1.10 | 1.10 | |
メチオニン | % | 0.62 | 0.62 | 1.50 |
フェニルアラニン-チロシン | % | 0.88 | 0.88 | |
フェニルアラニン | % | 0.42 | 0.42 | |
スレオニン | % | 0.73 | 0.73 | |
トリプトファン | % | 0.25 | 0.16 | |
バリン | % | 0.62 | 0.62 | |
脂質b | % | 9.0 | 9.0 | |
リノレイン酸 | % | 0.5 | 0.5 | |
アラキドン酸 | % | 0.02 | 0.02 | |
無機質 | ||||
カルシウム | % | 1.0 | 0.6 | |
リン | % | 0.8 | 0.5 | |
カリウム | % | 0.6 | 0.6 | |
ナトリウム | % | 0.2 | 0.2 | |
塩素 | % | 0.3 | 0.3 | |
マグネシウムc | % | 0.08 | 0.04 | |
鉄d | mg/kg | 80.0 | 80.0 | |
銅 (extruded food)e | mg/kg | 15.0 | 5.0 | |
銅(缶入)e | mg/kg | 5.0 | 5.0 | |
マンガン | mg/kg | 7.5 | 7.5 | |
亜鉛 | mg/kg | 75.0 | 75.0 | 2000.0 |
沃素 | mg/kg | 0.35 | 0.35 | |
セレン | mg/kg | 0.1 | 0.1 | |
ビタミン類 | ||||
ビタミンA | IU/kg | 9000.0 | 5000.0 | 750000.0 |
ビタミンD | IU/kg | 750.0 | 500.0 | 10000.0 |
ビタミンEf | IU/kg | 30.0 | 30.0 | |
ビタミンKg | mg/kg | 0.1 | 0.1 | |
サイアミンh | mg/kg | 5.0 | 5.0 | |
リボフラビン | mg/kg | 4.0 | 4.0 | |
パントテン酸 | mg/kg | 5.0 | 5.0 | |
ナイアシン | mg/kg | 60.0 | 60.0 | |
ピリドキシン | mg/kg | 4.0 | 4.0 | |
葉酸 | mg/kg | 0.8 | 0.8 | |
ビオチンi | mg/kg | 0.07 | 0.07 | |
ビタミンB12 | mg/kg | 0.02 | 0.02 | |
コリンj | mg/kg | 2400.0 | 2400.0 | |
タウリン (extruded food) | % | 0.10 | 0.10 | |
タウリン(缶入) | % | 0.20 | 0.20 | |
栄養素 | 単位 (乾燥状態) |
成長・出産期 下限 |
成猫の維持 下限 |
上限 |
註
a エネルギー密度を 4.0kcal/g と仮定する。タンパク質、脂質、糖質の修正アトウォーター係数がそれぞれ3.5、8.5、3.5 kcal/g であることによる。食餌が 4.5 kcal/g を超す場合は、カロリーを減らさなければならないが、4.0 kcal/g 未満の場合は減らす必要はない。
e 酸化物の形での銅の生体利用率は極めて低い。従って、それらを添加しても栄養価には含めるべきではない。
f 食餌 1 kg につき、魚油 1 g あたり 10 IU のビタミンEを加える。
g 魚が乾燥質量の25%を超えない場合は、ビタミンKを添加する必要はない。
h サイアミンの90%までもが、加工(調理)により破壊されうる。加工後にここに示した値を満たしていなければいけない。
i 抗菌成分や抗ビタミン成分が含まれていない場合は、ビオチンを添加する必要はない。
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[編集] キャットフードのブランド
訳出せず。興味のある方は英語版の該当箇所をどうぞ。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- ^ David A. Dzanis, D.V.M., Ph.D., DACVN Division of Animal Feeds, Center for Veterinary Medicine. (November 1997). "SELECTING NUTRITIOUS PET FOODS" INFORMATION FOR CONSUMERS. Food and Drug Administration - Center for Veterinary Medicine. .
[編集] 外部リンク
- From the U.S. Food and Drug Administration - Center For Veterinary Medicine
- The Vegetarian Society UK on the potential dangers of a vegetarian diet for cats
- From Max's House Feline Medical And Behavior Database
- From Animal Protection Institute