ジャイロジェット・ピストル
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ジャイロジェット・ピストル(Gyrojet pistol)は、1960年代初めにアメリカのMBA社が開発した世界初のロケット弾発射用の拳銃である。
名前はジェットだが発射される弾体は固体ロケットであり、尾部に3個の噴射口を持ち回転するように飛ぶためこう名づけられたと思われる。発射の際も弾体が飛行する際も拳銃ほど大きな音を出さず、それでいて命中すれば大きな威力があるということで発売直後は話題を集めた。しかし命中精度があまりに悪く、また専用のロケット弾が高価すぎて次第に市場から姿を消した銃である。後継機も考えられていたようで、一応本銃はジャイロジェットピストルMk.I(Iはローマ数字の1)が正式名称である。また、同様のロケット弾を用いるジェイロジェット・カービンやジャイロジェット軽機関銃なども構想されていた。
通常の拳銃に似せてあるが基本的にはロケットランチャーなので、構造はきわめて単純である。プレス製造のフレームはあちこちに丸い穴が開いている(軽量化以上の意味があるのか不明)。一応バレルは存在するが、弾体の自転により弾道を安定させるために滑腔砲身である。ハンマーはトリガーの真上にあり、ロケット弾の先端を叩くようになっている。この衝撃でロケット弾の尾部が固定のファイアリングピンにぶつかり着火、ハンマーを押しのけてバレルから発射される。この際にハンマーはコックされ次弾がマガジンからせり出すという仕組みになっている。スライド状のパーツが銃の上にあるが、これは不発弾などを取り除くためのカバーであり撃発時には動かない。また至近距離での威力の低下があまりにもひどく、玩具の域を脱していなかった。
おそらく最初で最後の片手で撃てるロケット砲と思われる。特異な銃であったので007シリーズで登場している。
[編集] 登場作品
- 映画『007は二度死ぬ』:タイガー田中(丹波哲郎)が使用。
- 映画『未来警察』:ロボット悪用を企んだ黒幕の科学者が使用
- 漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』:両津勘吉が使用。
- 小説『緋牡丹警察2-O』(鳴海丈):大田沙織が使用。
- テーブルトークRPG『Cyberpunk 2020』
- オンラインシューティングゲーム『Thing-Thing Arena』
[編集] 外部リンク
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