スーパーセレクト4WD
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スーパーセレクト4WDは三菱自動車工業が自社製SUV等に採用する駆動変更システム。現行型ではデリカ・スペースギアに搭載されている。進化したスーパーセレクト4WD II は現行型パジェロに採用されている。派生型としてパジェロイオにスーパーセレクト4WD-i、パジェロミニにイージーセレクト4WDが搭載されている。
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[編集] 2Hモード
トランスファのフロント駆動を切断し、フロントハブをセンターで切り離すことで後輪駆動(FR)で動作する。二輪駆動なので経済性や静寂性に優れたモードともいえる。が、フロントドライブシャフトとハブは直結のままであり、通常パートタイムに装備されるフリーハブを装着した4WDに比べ、若干の回転抵抗もある。
[編集] 4Hモード
舗装路・濡れた道・砂利道・雪道といった様々な路面状況に対応できる。スーパーセレクト4WDの基本位置といえる。 2Hに比べ、極端には燃費悪化はしない。が、タイヤの前後回転ロスが大きい走行(峠道や市街地など)では、経済性に劣る。 トルク配分はセンタービスカスにより行い、最大で前輪:後輪=50:50として路面状況に応じて最適な動力配分を制御する。
また、4H・2Hモード相互の切り替えは走行中でも行える(当時初)が、100km/h以内で行わなければならない。
[編集] 4HLcモード
積雪地帯や悪路等、路面状況が悪い状態時に使用する直結4WDハイレンジモード、センターデファレンシャルをロックし直結4WDモードで動作し、4Hモードより高い駆動力が発生する。 4Hモードと比べ、ギア比は同じであるが、タイトコーナーブレーキング現象により、いかなる速度域でも乾燥路の走行には向かない(センターデフあるいは前後のデフの破損などが考えられる) 4Hと同じく、走行中でも操作可能だが、同様に時速100km/h以下での操作となる。
[編集] 4LLcモード
渡河走行・スタックの脱出等、極悪路走行用直結4WDローレンジモード。
低速で高いトルクを得るためのモード。副変速機により非常に低い速度で走ることができる。 (アイドリング+ローでサイドブレーキを引いていても車が動くほどのトルクと考えると分かりやすい) しかし、唯一、4HLc・4HLLcモード相互の切り替えは停車した状態で行わなければならない。