セイタカシギ
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セイタカシギ | ||||||||||||||||
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夏羽、頭部が黒っぽくなる。 |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Himantopus himantopus Linnaeus, 1758 |
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英名 | ||||||||||||||||
Black-winged Stilt |
セイタカシギ(背高鷸、学名 Himantopus himantopus)は、チドリ目セイタカシギ科に分類される鳥。
目次 |
[編集] 分布
ユーラシア大陸の暖地、アフリカ北部、オーストラリア、南北アメリカ大陸に、渡り鳥または留鳥として分布する。
日本ではかつて迷鳥としてまれに記録される程度だったが、1978年以降、東京湾や愛知県の埋立地などで繁殖する個体群が現れた。現在は各地で渡来が確認されており、東京湾の谷津干潟ではいつでも見られる普通種である。
[編集] 特徴
体長(嘴の先から尾羽までの長さ)は 40cm ほどだが、付け根から指先まで 25cm ほどもある長い脚が特徴で、和名もこの脚に由来する。この長い脚で水辺を歩き回り、昆虫や小魚、エビやカニなどを捕食する。脚が長いぶん、干潟などの浅瀬で競合するサギや他のシギ・チドリ類よりも深い場所にまで足を延ばすことができる。
足は赤または桃色で、翼は灰色、首筋から腹部にかけては白、嘴は黒という体色で、地味な鳥が多いシギ類の中でも目立つ体色である。
夏羽では頭頂部から後頭部にかけてが黒くなり、冬羽では白または灰色になる。 雄は背面が光沢を帯びた黒色、雄は背面が褐色がかり、頭部は少々灰色がかる。
鳴き声は「ケレッ、ケレッ、ケレッ」。
[編集] 写真
クロエリセイタカシギ Hh mexicanus |
中国北戴河にて。 |
[編集] 鳴き声
[編集] 亜種
次の亜種が確認されている。 いずれの亜種も腹部の白と背面の黒ないし灰色は共通するが、頭部などに外見上の違いが認められる。
- セイタカシギ
- H. h. himantopus, (英名: Black-winged Stilt)
ユーラシア南部、アフリカ北部に分布する。日本で見られるものは多くが本亜種またはオーストラリアセイタカシギである。
- オーストラリアセイタカシギ
- H. h. leucocephalus, (英名: White-headed Stilt)
東南アジアからオーストラリアにかけて見られ、頭部の白色部分が広いのが特徴。H. leucocephalus と記載される場合もある。
- クロエリセイタカシギ
- H. h. mexicanus, (英名: Black-necked Stilt)
南北アメリカ大陸に分布する亜種。頭部が黒く、眼の周りが白いのが特徴。Sibley-Monroe checklist では H. mexicanus と記載されている。
- ナンベイセイタカシギ
- H. h. melanurus, (英名: White-backed Stilt)
Hh mexicanus より大きく、頭頂が白い。南米大陸に分布する。
- ハワイセイタカシギ
- H. h. knudseni
ハワイ諸島に分布する希少種で絶滅が危惧されている。Hh mexicanus より黒い部分が広いのが特徴。
[編集] Sibley分類体系での位置
コウノトリ目> チドリ亜目> チドリ下目> チドリ小目> チドリ上科> チドリ科> セイタカシギ亜科> セイタカシギ族
[編集] Status
- 絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
[編集] 外部リンク
- 絶滅危惧種情報 セイタカシギ(環境省生物多様性センター)
- Himantopus himantopus (IUCN RedList)
- Himantopus mexicanus (IUCN RedList)
[編集] 注釈
- ^ 2006年12月の環境省鳥類レッドリスト改訂によるランク下げ(レッドリスト新旧対照表)