チオシアン酸
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チオシアン酸(—さん)は化学式HSCNで表される無機酸の一種である。ロダン酸とも呼ばれる。不安定な無色の液体で、弱酸である。チオシアン酸のエステルは殺虫剤として用いられる。
チオシアン酸鉛(II) に硫化水素を作用させると遊離する。
- Pb(SCN)2 + H2S → PbS + 2 HSCN
アンモニアと二硫化炭素を反応させるとチオシアン酸のアンモニウム塩が生成する。
- 2 NH3 + CS2 → NH4SCN + H2S
よく知られる塩としてチオシアン酸カリウム (KSCN) などがある。これは常温では潮解性のある結晶性の固体で、有毒であり、寒剤、殺虫剤や合成樹脂の原料、金属イオンの除去(ピックリング)、および写真の調色剤としての用途がある。