トヨタ・コンフォート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トヨタ・コンフォート | |
---|---|
スタンダード・タクシー仕様(第一交通産業) | |
SG・タクシー仕様(東京無線) | |
教習車仕様 | |
GT-Zスーパーチャージャー | |
製造期間 | 1995年 – |
ボディタイプ | 4ドアセダン(タクシー・教習車向け) |
駆動方式 | FR |
全長 | 4590mm |
全幅 | 1695mm |
全高 | 1515mm |
ホイルベース | 2785mm |
最小回転半径 | 5.1m |
先代 | トヨタ・コロナ(T140系タクシー仕様) トヨタ・マークIIセダン(X80系タクシー及び教習車仕様) |
姉妹車、OEM | トヨタ・クラウンコンフォート トヨタ・クラウンセダン |
車台が共通の車種 | トヨタ・マークII(X80系) |
同クラスの車種 | 日産・クルー |
この表は自動車のスペック表テンプレートを使用しています |
コンフォート (comfort) は、1995年12月に登場したトヨタ自動車が生産するセダン型の乗用車である。タクシー、教習車として用いることを前提に開発された。
製造はトヨタグループの関東自動車工業東冨士工場(静岡県裾野市)で行われる。通称コンフォ・タダコン・無印コン。
目次 |
[編集] 概要
1993年に発売された日産・クルーに対抗すべく、小型タクシーおよび教習車用途の車両として1995年12月にデビュー。ベースはX80系マークIIセダン。型式は XS11/XS11Y (3Y-PE/4S-FE) と XS13Y (3S-FE)、教習車には型式の後にYがつく。FR方式で、サスペンションはフロントがストラット、リアが5リンクという形式で、オーソドックスを通り越して今日の目で見れば大変古めかしいといわれる。後席の寸法と後部ラゲージルームの容積を可及的大きくとり、無線機や料金メーターなどのタクシー業務用機器取り付けスペースを設けるなど、完全にタクシー向けに特化された設計である。また、このシリーズは40万キロメートル以上の走行に耐えられるようにスポット溶接を減らしてあえて車体剛性を落としているのも特徴である。日産クルーと違い、Bピラーの位置は左右対称になっている。中型タクシー用の姉妹車のクラウンコンフォートは運転席の寸法を10センチメートル延長してある。タクシー向けに設計された車種ではあるが、タクシー・教習車とも個人でもディーラーにて購入は可能である。グレードはスタンダード、デラックスパッケージ、SGがある。2001年と2004年にマイナーチェンジが行われた。価格は153.3万円から186.6万円。
[編集] エンジン
排気量 2,000 cc の LPG (3Y-PE) を基本とし、教習車向けには 1,800 cc ガソリンの 4S-FE (2001年のマイナーチェンジで 2,000 cc の 3S-FE に変更)も用意され、さらに1995年から2000年には 2,400 cc ディーゼル (2L-T) も用意されていた。
[編集] トランスミッション
トランスミッションはタクシー仕様・教習車仕様ともに5速MTと4速ATも設定。ちなみにコンフォート・クラウンコンフォート・クラウンセダンシリーズ(XS1x系)の中でガソリンエンジンでMTの設定があるのは教習車だけである。
[編集] コンフォートGT-Zスーパーチャージャー
2003年、2000ccガソリンエンジン教習車の5速MT仕様をベースに、トヨタテクノクラフトの手によってスーパーチャージャー搭載、サスペンションのチューニング等を施したスポーツセダン仕様の「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」が6月24日から11月17日まで、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県のトヨペット店の期間販売地域限定にて計59台販売された(生産台数は先行試作車含め60台)。価格は227.0万円から291.8万円。 なお、同車のプロジェクトはTRD部門ではなく特装車部門が行ったため、TRDコンフォートという表現は正しくない。
ベースエンジンは3S-FE型直列4気筒DOHC(ハイメカツインカムエンジン)で、これに小倉クラッチ製ルーツブロワー式スーパーチャージャーTX07を組み合わせ、使用燃料をプレミアムガソリンとすることにより、最大 0.3 kgf/cm2 の過給圧で実馬力 118 kW (160 ps)/6,100 rpm、221 N m (22.5 kg m)/3300 rpm という出力を得ている。これは、ノーマル比 26% のパワーアップ(ノーマルはカタログ上 96 kW (130 ps)/5,600 rpm、181 N m (18.5 km m)/4,400 rpm)で、3S-GEエンジンを縦置き搭載するアルテッツァRS (SXE10) の(カタログ上 154.4 kW (210ps)/7,600 rpm、215.7 N m (22.0 kg m)/6,400 rpm)よりも低速域からのトルクバンドを広くとり、トータルでの扱いやすさ、そしてエンジンよりもシャーシがはるかに勝っている標準車へのパワー感という「味付け」を狙ったものである。なお、車両重量は 1,300 kg (総重量1,575 kg)、パワーウエイトレシオは 8.13 (9.84) kg/ps である。最高速はリミッターカットでのサーキット走行で 204 km/h というデータが残っている。
その他、専用のブレーキパッド(フロント)&ブレーキシュー(リア)、フロントスポイラー、ブラックアウトされたウレタン風リアスポイラー、専用マフラーが奢られているほか、標準でRSワタナベ製のエイトスポークアルミホイールとブリヂストン POTENZA G3 が装備されている。トランクの左上についているエンブレムまで、古きよき1980年代テイストを醸し出している。車高は純正比マイナス 30 mm とし、日常での使い勝手も考慮したダウン量となっている。
オプションとして、大森計器製の電気式3連メーター(ブースト・油圧・油温)、強化クラッチ、LSD(TRDorZEXEL)、前席TRDセミバケットシート、TRDエアバッグ付ステアリング・シフトノブ等の装備があった。
[編集] D1仕様
2004年チューニングショップ OKUYAMA の手によって、トヨタテクノクラフトが調達した3台の中古1800教習車(SXS11Y)をうち2台を使用して製作(残り1台は部品取り)、エンジンを3S-GTEに換装、Do-Luck のエアロパーツにガルウィング装着のドリフト仕様のコンフォートが登場し、各イベントで走行された。その後D1グランプリに出る機会を逃したままガレージに眠っていたところ、2006年D1グランプリ参戦中のAPPレーシングの2号車として OKUYAMA にて再度大改造ののち 2006D1 グランプリの国内ラウンドに参戦することになった。その際に規定に合わせてガルウィングを撤去。同年第3戦富士では追走ベスト16進出を果たした。
[編集] 取扱いディーラー
トヨペット店。ただし、大阪府内は2006年8月7日まで大阪トヨタ。教習車仕様に限り東京トヨタでも取扱う。
なお、2004年4月以前は教習車仕様に限り、ネッツ店、ビスタ店(チェイサー/クレスタ両車の教習車仕様取扱いの名残)でも取り扱っていたが、両店併合に伴い取り扱いを中止した。