ネヴァダ級戦艦
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ネヴァダ級戦艦 | |
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艦級概観 | |
艦種 | 戦艦 |
艦名 | 州名。1番艦はネヴァダ州に因む。 |
前級 | ニューヨーク級戦艦 |
次級 | ペンシルバニア級戦艦 |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:27,500 トン |
全長 | 583 ft (177.7 m) |
全幅 | 95 ft 3 in (29 m) |
吃水 | 28.5 ft (8.7 m) |
機関 | |
最大速力 | 20.5 ノット (38 kp/h) |
航続距離 | 5,192海里(12ノット時) |
乗員 | 士官、兵員864名 |
武装 |
ネヴァダ級戦艦(Nevada-class battleships)は、アメリカ海軍の戦艦の艦級。本級はアメリカ海軍において初めて三連装砲塔を搭載した艦であった。
本級は主機の燃料に重油を採用した最初のアメリカ戦艦であり、2軸推進最後の艦であった(以降の戦艦は全て4軸推進)。オクラホマはレシプロ機関を採用した最後の艦であった。武装は当初舷側部分に5インチ砲を装備していたが、艦首及び船尾部分に装着されていた砲は波の影響を受け非常に多湿だったため間もなく撤去された。オクラホマの装備したVTE(Vertical Triple Expansion)エンジンは信頼性に欠け、ネヴァダに比べて振動が大きく採用した艦は少数であった。
本級は第一次世界大戦が始まる前は大西洋で活動し、戦争が始まると連合軍補給線の保護支援のために1918年にヨーロッパへ展開した。その任務は大戦後も続き、1920年代の初めまで行われた。両艦とも艦隊主力の中でも最古参の艦であった。1927年から1929年にかけて広範囲な近代化が行われ、主砲仰角の改善、三脚マストで支持された火器管制装置、二基のカタパルト及び着弾観測機が装備された。本級の51口径単装5インチ砲は波の影響を受ける舷側部分から上部構造部分に移設され、25口径5インチ対空砲が増設された。舷側部分の装甲も強化され、艦幅は33mに増加した。ネヴァダの蒸気タービンはその当時退役したノースダコタの蒸気タービンと交換された。オクラホマの主機交換は行われなかった。
本級は2隻とも1941年12月8日の真珠湾攻撃で撃沈された。これは旧式戦艦の防水が十分な物ではなかったことの証明であった。オクラホマは転覆し廃棄されたが、ネヴァダは1942年に引き上げられ近代化が行われた。副砲は38口径5インチ両用砲が装着され、多数の40mmおよび20mm対空砲が装備された。上部構造物は完全に変更され、司令塔は小型化された。ネヴァダはヨーロッパ、太平洋の両戦線で上陸作戦の砲撃支援を行うなどして活躍した。大戦後は早々に退役し、ビキニ環礁での原爆実験に供用された後、1948年に標的艦として沈められた。
ネヴァダ級はアメリカ海軍における「標準型戦艦」コンセプトの一部であった。その設計概念はアメリカ海軍に低速部隊と高速部隊の包括した運用を可能とする重要な物であった。「標準型」の概念は長距離射撃、21ノットの速度、700ヤード(640m)の回転半径およびダメージ・コントロールの改善が含まれていた。この「標準型」にはペンシルバニア級、テネシー級、ニューメキシコ級およびコロラド級が含まれた。
[編集] 関連項目
ネヴァダ級戦艦 |
ネヴァダ | オクラホマ |
アメリカ海軍戦艦一覧 |