パドック
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パドックは、競馬場に設えた下見所のことである。
[編集] 競馬のパドック
パドックでは次の競走開始前に、出走する競走馬が数周回に渡って、厩務員にひかれてゆっくりと歩くように周り、ファンが観客席から馬体状態などをじっくりと確認する。また、競走馬を落ち着かせることもパドック周回の重要な目的である。なお本馬場に向かう前の最後の一周は騎手が騎乗する。
地方競馬など規模の小さい競馬場では、パドックと本馬場はスタンド横の馬道(通路)でつながっているが、中央競馬のような規模の大きい競馬場では、ほとんどが地下馬道でつながれている。本馬場入場後は、軽く走ってウォーミングアップ(「返し馬」と呼ばれる)を行い、そこで馬の状態などを最終確認する。
また、パドックの形状は通例本馬場と同様に、直線と円弧を組み合わせた形となっているが、京都競馬場のように真円形のパドックを持つ競馬場も存在する。周回方向に関しては、中央競馬の競馬場のパドックでは本馬場の周回方向とは関係なく、すべて左回りとなっている。一方、地方競馬では佐賀競馬場が右回りとなっている。
競馬以外の公営競技ではパドックという施設は無いが、競輪、オートレースの脚見せや競艇の周回展示並びにスタート展示は、競馬のパドックに相当するような目的で行われている。