ベルナルド・ベルトルッチ
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ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci、1941年3月16日 - )は、イタリア・パルマ出身の映画監督。早くから詩人として才能を発揮。ローマ大学を中退後、『ソドムの市』等で知られるピエル・パオロ・パゾリーニの助監督を務め、62年の監督処女作『殺し』がヴェネチア映画祭で高く評価されたことから、世界的な映画監督としての道を歩みはじめる。
[編集] 解説
イタリア人ではあるが監督デビュー前からロベルト・ロッセリーニとピエル・パオロ・パゾリーニ以外のイタリア人監督を認めないと公言しており、ジャン=リュック・ゴダールを始めとするヌーヴェルヴァーグの面々を兄貴分的な同胞と見なしていた。それは、インタビューや記者会見では一切イタリア語を使わずフランス語で押し通すほどであったと言う。
監督作『ラスト・エンペラー』、『シェリタリング・スカイ』、『リトル・ブッダ』は、東洋三部作と呼ばれる。
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(73年)は大胆な性描写で知られ、ポルノか芸術か、の二項対立の論議を生み出した。撮影にあたりベルトルッチは主演のマーロン・ブランドに対し、ブランド自身であることを求めたため、ブランドは「一瞬一瞬が暴行されているように感じた」と語ったという。
『ラスト・エンペラー』(87年)はアカデミー賞作品賞、監督賞(ベルナルド・ベルトルッチ)など計9部門を受賞した。
撮影監督ヴィットリオ・ストラーロ(『地獄の黙示録』等)とのコンビで世に送り出した数々の作品、前述の『ラスト・エンペラー』を含め『暗殺の森』(70年)『1900年』(76年)が国際的に高い評価を受けている。しかし、一方では『シェリタリング・スカイ』以降の主にハリウッド資本で制作された作品については「色ボケした」との批判もあり、1980年代にはあったカリスマ性は現在では薄れている。
[編集] 監督作品
- 殺し La Commare secca (1962)
- 革命前夜 Prima della rivoluzione (1964)
- 暗殺のオペラ LaStrategia del ragno (1970)
- 暗殺の森 Il Conformista (1970)
- ラストタンゴ・イン・パリ Ultimo tango a Parigi (1972)
- 1900年 1900 (1976)
- ルナ Luna (1979)
- ある愚か者の悲劇 La Tragedia di un uomo ridicolo (1981)
- ラストエンペラー The Last Emperor (1987)
- シェルタリング・スカイ The Sheltering Sky (1990)
- リトル・ブッダ Little Buddha (1993)
- 魅せられて Stealing Beauty (1996)
- シャンドライの恋 Besieged (1999)
- 10ミニッツ・オールダー イデアの森 Ten Minutes Older: The Cello (2002)
- ドリーマーズ The Dreamers (2003)