ペトリ (カメラ)
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ペトリ(PETRI)とは、かつて存在した日本のカメラメーカー。
戦前は栗林写真工業として、第二次世界大戦後はペトリカメラ株式会社として、多くの蛇腹カメラや一眼レフカメラを世に送り出した。「ペトリ」と言う社名は、輸出を考慮して聖書の「聖ペトル」から命名。1960年代には「ニコンのカメラと機能は一緒で価格は半値」という安価な製品を主力に据えたが、カメラが高価な道楽品という時代でもあり、独創性ある技術は決して言われるほど悪くなかったものの、安かろう悪かろうというイメージが定着。ついに1977年には倒産の憂き目に遭う。その後、労働組合(総評全国金属)がペトリ工業株式会社として存続させ、労働者自主生産事業として最終モデルとなるMF10を送り出すものの、旧態依然のスクリューマウントで電子化が遅れたカメラには全く競争力はなく、1980年代末のAFカメラブームの中で消えていった。なお、ペトリ工業自体は、埼玉県北葛飾郡杉戸町で望遠鏡の生産をしながら細々と残っている。