ラナオ・デル・スル州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラナオ・デル・スル州(Province of Lanao del Sur)は、フィリピン南部ミンダナオ島のイスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao, ARMM)に属する州である。以前は北ミンダナオ地方の1州であったが、1989年の地方再編と住民投票によってARMMに組み込まれた。
南にマギンダナオ州、コタバト州、東に北ミンダナオ地方のブキドノン州、北にラナオ・デル・ノルテ州と接している。西にはモロ湾の一部であるイラナ湾が広がり、州内にはミンダナオ島で最大のラナオ湖がある。面積は3,872.9km²、人口は800,162人(2000年)、州都はラナオ湖北岸の市、マラウィ(Marawi)である。
フィリピンで6番目に人口が多い、ムスリムのマラナオ人が住み、マラナオ語が通用している。ほかにフィリピノ語、セブアノ語、英語、アラビア語も通用する。
ラナオ(Lanao)はマラナオ語のラナオ(ranao、「湖」)に由来し、マラナオという名も「湖の人」の意味である。このように、この地域でのラナオ湖の存在は大きい。
スペイン人植民者がラナオを1689年に探検した際、巨大な湖を発見し、そこから流れ出る川の出口にダンサラン(Dansalan)という大きな町が湖北端にあることを知った。ダンサランはアメリカ保護下のフィリピン・コモンウェルス時代の1940年に市となる事が決定したが市制施行は戦後の1950年となった。1956年、ダンサラン市は、湖から流れ出るアグス川(Agus)のほとりに咲くユリの花が垂れている様にちなみ、マラナオ語で「もたれる」を意味するラウィ(rawi)からとったマラウィに改名することになった。
ラナオ州は1959年に南北に分割され、南のラナオ・デル・スル州の州都はマラウィとなった。マラウィは1980年に「マラウィ・イスラム市(Islamic City of Marawi)」に再度改名しており、フィリピンの市(chartered city)では唯一ムスリムが多数派を占めている。
- フィリピンの州
-
イロコス地方: イロコス・ノルテ | イロコス・スル | ラ・ウニョン | パンガシナン カガヤン・バレー地方: バタネス | カガヤン | イサベラ | ヌエヴァ・ヴィスカヤ | キリノ 中部ルソン地方: アウロラ | バターン | ブラカン | ヌエヴァ・エシハ | パンパンガ | タルラック | サンバレス カラバルソン地方: バタンガス | カヴィテ | ラグナ | ケソン | リサール ミマロパ地方: オクシデンタル・ミンドロ | オリエンタル・ミンドロ | マリンドゥク | ロンブロン | パラワン ビコル地方: アルバイ | カマリネス・ノルテ | カマリネス・スル | カタンドゥアネス | マスバテ | ソルソゴン コルディリェラ行政地域: アブラ | アパヤオ | ベンゲット | イフガオ | カリンガ | マウンテン 西ヴィサヤ地方: アクラン | アンティーケ | ネグロス・オクシデンタル | カピス | ギマラス | イロイロ 中部ヴィサヤ地方: ボホール | セブ | ネグロス・オリエンタル | シキホル 東ヴィサヤ地方: ビリラン | 東サマル | レイテ | 北サマル | サマル | 南レイテ サンボアンガ半島地方: サンボアンガ・デル・ノルテ | サンボアンガ・デル・スル | サンボアンガ・シブガイ 北ミンダナオ地方: ミサミス・オリエンタル | ミサミス・オクシデンタル | カミギン | ラナオ・デル・ノルテ | ブキドノン ダバオ地方: コンポステラ・バレー | ダバオ | ダバオ・デル・スル | ダバオ・オリエンタル ソクサージェン地方: 南コタバト | コタバト | スルタン・クダラット | サランガニ カラガ地方: アグサン・デル・ノルテ | アグサン・デル・スル | スリガオ・デル・ノルテ | スリガオ・デル・スル イスラム教徒ミンダナオ自治地域: バシラン | ラナオ・デル・スル | マギンダナオ | スールー | タウィタウィ マニラ首都圏: 州無し