リンギット
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リンギットはマレーシアの通貨単位で、MYRまたはRMで記される。 またマレーシア・ドルとも呼ばれるがリンギットまたはリンギが一般的。 補助単位はセン(sen)で、RM 1=100 sen。1リンギット=31.74円(2006年8月4日現在)。
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[編集] 為替相場制度の変遷
1997年のアジア通貨危機を乗り切る通貨管理政策の一環で、1998年9月2日に固定相場制へ移行した事に伴い、RM3.80=USドル1.00の交換レートとなっていたが、2005年7月21日に通貨バスケット制による管理変動相場制に移行を発表、翌日より実施された。
[編集] 制度変更の背景と影響
変動相場制への変更は、2005年初のドル安傾向に連動した過度のリンギット価値下落を防ぐことが目的で、人民元の切り上げと同時に行うことで輸出競争力の確保を図った。
制度変更当初から2005年12月までは1 USD=RM 3.77~3.78のレベルで推移したが、2006年1月に入って海外から投資資金流入により、1 USD=RM 3.73までリンギット高が進む。しかしながら、制度変更前からの変動幅は依然として小さく、通貨バスケット制の範囲内であるため、マレーシア中央銀行の大幅な介入の可能性は低い。
2006年1Q~2Qにおいては、1 USD=RM 3.60を割る水準までリンギット高が進むが、3Q~4Q中盤は若干弱含み、3.65-3.70のレンジまで戻った。しかしながら、06年11月末から年末にかけて株式投資や企業買収のための国外資金流入により、1 USD =RM 3.53まで急進した。
全世界的な燃料需要の増加に後押しされ、マレーシア経済は天然ガスや石油、パーム油などの天然資源輸出により堅実な成長を続けると見込まれ、外貨収支上も恒常的に入超の状態が続くと予測される。そのため、今後のリンギット高傾向が続く可能性は高い。
対ドル為替相場:マレーシア中央銀行(Bank Negara Malaysia)
[編集] 紙幣
紙幣はRM100、RM50、RM10、RM5、RM2、RM1の6種類。従来発行、流通していた500、1,000リンギット紙幣は、全て法的価値を失っている。すべての紙幣に初代国王アブドル・ラーマン(Tuanku Abdul Rahman ibni Almarhum Tuanku Muhammad)の肖像が印刷されている。
- 1リンギット(青):キナバル山と「ワウブラン(三日月)」型の凧
- 2リンギット(ライラック色):クアラ・ルンプール・タワー(Menara Kuala Lumpur)と人工衛星MEASAT
- 5リンギット(緑):クアラルンプール国際空港とペトロナスツインタワー
- 10リンギット(赤):クアラルンプールのプトラLRT、マレーシア航空機、マレーシア国際海運(MISC)の貨物船
- 50リンギット(青・グレー):ペトロナス社の海上石油掘削基地
- 100リンギット(紫):プロトン自動車生産ラインとエンジン
紙幣イメージ:マレーシア中央銀行 紙幣見本
[編集] 硬貨
硬貨は 50sen、20sen、10sen、5sen、1senの5種類がそれぞれ流通している。 なお、従来流通していたRM1硬貨は2005年12月6日をもって廃貨となった。