レヴァイアサン戦記
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レヴァイアサン戦記(-せんき)は、夏見正隆によって著された架空戦記小説。
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[編集] あらすじ
第二次世界大戦中のミッドウェー海戦にてアメリカ合衆国太平洋艦隊に勝利、そのまま連合国と対等な立場で終戦を迎えたものの、戦後の大不況により利根川を国境として西日本帝国と東日本共和国に分裂、その後21世紀に入り、宇宙からのなぞの落下物をめぐって戦争勃発寸前になる。
[編集] 舞台背景
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 西日本帝国
資本主義国家。首都は西東京。帝国とは名ばかりで既に身分制度は廃止されているものと思われる。天皇を国家元首としているが実質は立憲君主制で内閣総理大臣が政務を担当しており、天皇は京都にいる。
- 国防体制
西日本帝国軍は陸・海・空の三軍からなっている。帝国陸軍は文中には90式戦車を主力戦車とするような記述がみられる。そのほかにはパトリオットミサイル、81式短距離対空誘導弾(81式短SAM)など、現在の陸上自衛隊装備と共通する部分も見られる。帝国海軍は世界最大の戦艦『大和』や太平洋戦争(作中では太平洋一年戦争)時代の航空母艦5隻など、世界有数の装備を保有している。空母の艦載機は川崎重工がライセンス生産したF/A-18 ホーネットを採用している模様。その他、攻撃型潜水艦『さつましらなみ』や対潜フリゲート『瑞穂』など、多数の艦艇を保有している。『群青』、『新緑』の二隻のイージス艦はアメリカのタイコンデロガ級イージス巡洋艦を購入もしくはライセンス生産したものと思われる。帝国空軍は航空自衛隊と共通している装備があり、F-15JイーグルやF-1支援戦闘機がその代表的な例である。また、対地攻撃・対艦攻撃などの戦術作戦を行うF-15E ストライクイーグル、航空機の管制・空中警戒を行うE-3AセントリーAWACSも保有している。特徴的なのは硫黄島空軍基地に配備されている衛星高度戦闘機VX-708Aで、これらは後述の東日本宇宙空母の領空侵犯に対処すべく配備されている。帝国陸軍には国家安全保障局があり、主に情報戦を担当している。
- 政府一般
西日本政府は基本的に現在の日本国政府と変わりないものと思われる。ただし、防衛省は国防総省となっているが・・・外務省と国防総省が財務省と対立している雰囲気をにおわせる1シーンが見られる。また基本的に西日本帝国の官庁は年功序列と思われる。1巻の文中に海軍省という記述が見されるが詳細は不明。
- 国民生活
帝都西東京にある六本木では高級クラブで財閥などの金持ちが遊んでいる描写があることから、やはり政財界の圧力が感じられる。帝国総理大臣の木谷信一郎が私学助成を全廃し、全国の私立大学が首都圏の名門校を除いて軒並み倒産し、国公立大学や生き残った私学校の競争率が恐ろしいほど上昇、授業料も医学部にいたっては80倍という異常な状況になっている。また、自動車税なども非常に高額に設定されており、駐車違反にいたっては100万円、それも1時間おきに100万円ずつ上乗せされていくため1日の最高額が2400万円と言う超高額罰金システムとなっている。
[編集] 東日本共和国
社会主義国家。暫定首都は新潟。平等党(東側諸国における共産党や労働党に相当)が一党独裁政策を採っている。暫定首都とは、東日本がいずれは西日本帝国を占領し、東京を首都とするという願望をあらわにしている。
- 国防体制
東日本人民軍は陸・海・空の三軍と平等党警護隊、議事堂警護隊という計5軍によって成り立っている。軍の装備は全体的に老朽化しており、空軍機で西日本のF-15Jに張り合えるのはMiG-29フルクラム位である。また攻撃ヘリもMi-24ハインドが配備されているが数は少ないと思われる
- 政府一般
基本的に他国と大差ないが平等党書記長山多田大三の独裁体制といえる。
- 国民生活
同国では国民に漢字や割り算すら教えないという。当然英語・社会科なども教えず、愚民化政策といえる。一般国民は一応個人名があるような描写が見られるが、基本的に国民番号という番号で呼ばれている。ちなみに同国は北朝鮮よりはいくらかは社交的といえる描写が見られる。
[編集] 主な登場人物
- 愛月有理砂
西日本帝国海軍中尉、空母『赤城』F/A-18Jパイロット。27歳。宇宙からの落下物内の怪物“レヴァイアサン”の攻撃時、“レヴァイアサン”の攻撃を受け東日本領内に墜落、脱出後は究極戦機と呼ばれる星間飛翔体に乗り込み、“レヴァイアサン”と対決する。空軍の衛星高度戦隊にボーイフレンドがいる。
- 葉狩真一
西日本帝国海軍特務少尉、29歳。海軍の研究所で働いている天才学者。ただし外見的には女性に「ダサい」といわれる。六本木でやくざにコンクリート詰めにされそうになるが助かり、究極戦機開発の責任者になる。
- 立花五月
東日本共和国中央委員会所属議事堂警護隊少尉、21歳。父親が科学者で、同警護隊員全員が受けているマインドコントロールを受けておらず、西日本のスパイ容疑がかけられた際、西日本に亡命する。
- 水無月是清
東日本共和国陸軍大尉、25歳。情報部の分析官だったが農林大臣の父が銃殺されると機械化平等第1師団戦車隊に降格される。同師団が“レヴァイアサン”の攻撃により壊滅した際、部下とともに西日本に亡命する。
- 望月ひとみ
西日本帝国空軍空挺航空団UH-53パイロット、25歳中尉。究極戦機のパイロットの一人として選出される。
- 森高美月
西日本帝国海軍戦艦『大和』シーハリアーFAR.2パイロット、23歳少尉。究極戦機のパイロットとして選出される。
- 木谷信一郎
西日本帝国内閣総理大臣。46歳
- 山多田大三
東日本共和国平等党書記長。年齢不詳。個人崇拝を強める独裁者。
- 羽生恵
西日本帝国空軍中佐。38歳
- 矢永瀬慎二
- 加藤田要
東日本共和国第一官房書記。年齢不詳