乗合行為
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乗合行為(のりあいこうい)とは、タクシーや貸切バスなど、日本の国土交通省による乗合自動車としての許認可を受けていない者が不特定多数の乗客(旅客)を乗り合わせる形態での運行を行うことで、通常は道路運送法に抵触する違法行為である。したがって、合法的に営業している乗合旅客運送事業については、これを乗合行為とは呼ばない。
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[編集] タクシーにおける乗合行為
乗合(のりあい)行為とは、タクシーにおいて、国土交通省による乗合タクシーの許可を得ないで、不特定多数の乗客(旅客)をいちどに乗車させることをいう。業界では俗に「つめこみ」などとも呼ばれ、違法行為である。
[編集] 手口
タクシーは乗客が運転手に行き先を指示するが、乗合行為では逆に 運転手から客を誘う点が特徴である。具体的には、「横浜方面、あと2人!」などと、 乗り場の客に声をかける。客の勧誘は運転手がやる場合もあるが、呼び込み専門の人間が いる場合もある。
なお、呼び込み自体が違法行為である。
[編集] 白タクとの関係
免許を取得して営業しているタクシーは、乗合行為が当局に摘発された場合、 運転手だけでなく事業所全体が非常に重い行政処分を課される。 そのため、極めてリスクが高く、最近は見かけることはあまりない。
それに対して白タクは、そもそも営業自体が違法であるから、乗合行為は平然と行われる。
[編集] 運転手のメリット
タクシーは一回の輸送でメーター料金を一度だけ収受するが、乗合行為はたいていの場合、 乗り合わせた客それぞれから料金をせしめる。料金はあらかじめ交渉によって決められるため (そもそも、白タクにはメーターは付いていないので、当たり前)、 メーターを作動させることは稀である。したがって、いちど走っただけで、通常の何倍も おいしい思いができる。
なお、料金メーターを入れないで輸送すること自体も、違法行為である。
[編集] 乗合行為が行われるシチュエーション
[編集] 深夜のターミナル駅
もっともよく見かけるパターン。終電車に乗り損なった客は、割と長距離の場合が多いため、 通常、発生するであろうメーター料金よりダンピングし、割安感を演出。
[編集] 公営競技場
レースが終わった後は、大量の観客が押し寄せる。観客は勝っても負けても、 レースの終わってしまった会場など興味がないので、早く帰りたいという心理が強く働き、 交通機関の奪い合いになる。そこにつけ込み、「はい、駅まであと3人、いない?」 などと勧誘するのである。
[編集] 早朝の公設市場
東京の築地市場などで働く人は、バスは未だ走っておらず、タクシーの台数も 非常に少ない時間帯に職場まで移動しなければならない。そこにつけ込み、 例えば築地市場であれば新橋の駅前などで「築地4人いけるよ!」などと勧誘する。 しかし、違法営業の取り締まりが厳しくなっているため昨今であり、 こうした光景を見ることはほとんどなくなった。
[編集] 乗合行為に該当しない場合
タクシー待ちをしている乗客同士が、「中央線方面なんですけど、 一緒に乗りませんか」などと、自分たちの意志により申し合わせて同乗する「相乗り」は乗合行為には該当しない。なぜなら、相乗りするまでのプロセスに運転手が介在せずに乗客の側から運送の申し込みがなされるうえ、料金も人数に関わりなく正規のメーター料金が収受され、乗客の側で折半(割り勘)等されるためである。
また、合法的に乗合旅客運送事業を営んでいる者の中には、廃止代替バスなど、自家用車やタクシーで乗合輸送を行うケースもある。
[編集] 貸切バスにおける乗合行為
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