国鉄DF91形ディーゼル機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
DF91形ディーゼル機関車(でぃーえふー91がたでぃーぜるきかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)のディーゼル機関車の一形式であるが、同一形式・同一番号で2種類各1両の機関車が存在した。ここでは便宜的に「初代」「二代目」と区別し、記述する。この区別は国鉄内部の正式な呼称ではない。
目次 |
[編集] DF91形ディーゼル機関車(初代)
[編集] 製造の背景
国鉄がディーゼル機関車の開発を模索していたころ、国内の車両メーカーは国鉄および海外への売り込みをはかるべく、独自の機関車を設計・試作した。これらの機関車は、合計9形式が国鉄に借り入れられ、40代、のちに90代の形式を与えられて試用された。一部の形式は国鉄が正式に購入した。 それらの試作機関車のうち、本線用として製造されたのが本形式である。本形式は、台湾向け輸出車両と同時に製作され、国鉄が試用したのちに台湾鉄道へと輸出された。国内メーカー各社が技術アピールと共に国鉄への導入をも目論んでいた他の試作ディーゼル機関車とは異なり、本形式は元々輸出用として製作されたものを、輸出に先立って国鉄線上を借りる形でトライアル走行したものである(線路を貸す国鉄にも、新しいディーゼル機関車を試用できるというメリットがあった)。従って、試用期間も1ヶ月と非常に短かった。なお、本形式は後述するDF91形(二代目)とはまったく別の機関車である。 その後台湾鉄路管理局に納入された同機はR0形として活躍後現在は廃車となったが、同型機R6が苗栗の鉄道博物館に保存されている。
[編集] 構造
エンジンは日立製作所がドイツのMAN社のエンジンをライセンス製作した12気筒のV6V22/30形1420馬力機関である。動力伝達方式は電気式を採用した。
車体は長大なセミセンターキャブで、ボンネットの高さは運転室と同じという、アメリカンスタイルをしている。軸配置はC-C。
[編集] 製造
1959年(昭和34年)に日立製作所で製造された。
[編集] 運用
1959年(昭和34年)8月の1ヶ月間のみ国鉄が借り入れ、水戸機関区に配置。常磐線の旅客列車牽引などに試用された。
[編集] 主要諸元
- 全長:15,370mm
- 全幅:2,875mm
- 全高:3,750mm
- 運転整備重量:84.5t
- 機関:日立・MAN製V6V22/30形ディーゼル機関1基
- 軸配置:C-C
- 出力:1420PS/900rpm
- 動力伝達方式:電気式
- 主発電機出力:
- 主電動機
- 出力:
- 歯車比:
- 最大運転速度:100km/h
[編集] DF91形ディーゼル機関車(二代目)
1955年(昭和30年)に川崎車輌製造され、当初はDF40形と呼称された。1957年(昭和32年)5月に国鉄が借り入れ、1958年(昭和33年)8月に国鉄が購入。1962年(昭和37年)にDF91形と改称された。借り入れている期間は重複しているが、DF91形(初代)をメーカーに返却したあとでDF40形をDF91形に改称したため、同一形式・同一番号の重複、いわゆる二車現存とはなっていない。詳細は国鉄DF40形ディーゼル機関車の項を参照。
日本国有鉄道のディーゼル機関車 |
---|
DB10/DC10・DC11/DD10・DD11・DD12・DD13・DD14・DD15・DD16・DD17・DD18・DD19・DD20・DD21 DD40(DD92)・DD41(DD90)・DD42・DD91・DD93 DD50・DD51・DD53・DD54/DE10・DE11・DE15・DE50/DF41(DF92)・DF90・DF91I・DF40(DF91II)・DF93/DF50 ケDB10・ケDB11 |
カテゴリ: 日本のディーゼル機関車 | 日本国有鉄道 | 鉄道関連のスタブ項目