国際カードビジネス協会
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国際カードビジネス協会 (International CreditCard Business Association) は、1988年に日本信販(現在のUFJニコス・NICOS)が中心となって設立した協会組織で、事業として会員各社(金融機関・信販会社・クレジットカード会社・流通業などと、日専連などの協同組合)に国際カード(VISA・MasterCard)発行組織として発行権を付与し、その国際カードインフラ等を共同運用する他、会員各社やカード会員などの一般市民に対するクレジットカードの啓発・広報活動を行っている。
2005年時点の会員数は114社(設立当初より減少している)。協会長は日本信販・UFJニコスの社長が兼任する。
[編集] 設立の経緯
1980年代前半まで日本国内で「VISA」の附いたクレジットカードを発行出来るのは、いち早く日本にVISAを持ち込んだ住友クレジットサービス(現在の三井住友カード)とその関連組織であるビザ・ジャパン協会(現在のVJA・以下VJA)会員の銀行系カード会社だけであり、VJAとしては銀行系以外の信販会社や流通業が母体のカード会社が加盟するのを門前払いしていた。これはVISA Internationalが当初、先の2団体に限ってプリシリンパルメンバー(発行権・開拓権を付与)としていた関係もある。 しかし日本国内では、VJAに加盟せずともイシュア(発行元)として国際カードが発行できるMasterCardと提携するカード会社が後を絶たず、ジェーシービーを除くと発行枚数的には1990年頃までMasterCardの方が優位である状況が続く。
この事からVISA Internationalは方針転換し、1986年に日本信販にVISAのスペシャルライセンシー(発行権のみ付与)メンバーとして迎入れ、翌年から「日本信販VISAカード」を発行することとなった(MasterCardは以前から発行)。さらに現在のクレディセゾン・オーエムシーカードなどの流通系カード会社にもスペシャルライセンシーメンバーとした。
それまでハウスカード或いはMasterCardの付いた国際カードしか発行出来なかった業種のカード会社にも、VJAに加盟せずに日本信販のライセンスを用いてVISA(とMasterCard)の付いた国際カードを発行出来るよう、抵抗勢力の基に発足したのがこの国際カードビジネス協会であり、現在も加盟会社数ではVJAと同規模である。
また、VJA側も方針転換し、いち早くVJA組織内にコーポレートメンバー部を設立し、信販や流通系カード会社のクレジットカードにもVJAライセンスのVISAカードが発行できる体制を整え、まず日本信販に次いで信販大手のオリエントファイナンス(現在のオリエントコーポレーション)にライセンスを付与(その後UCカードのVISAライセンス供与に転換)し、後年VJA会員会社でもMasterCardが発行出来る様「オムニカード協会」を設立した。
1990年代に入るとDCカード・UCカード・協同クレジットサービス・ミリオンカードサービスの銀行系カード会社がVISA Internationalから直接プリシリンパルメンバーとなり、現在のVISAカード発行体制となる。
(尚、VISAのプリシリンパルメンバーは金融機関あるいはその子会社でなければ加盟できないとされる。)
[編集] 広報・啓発活動
ここ数年は会員会社や業界人向けの講演会やシンポジウムを年数回催し、近年の内容は病院など公共施設でのカード決済の浸透やICクレジットカードを用いたクレジットの将来展望などについてなど。
一般向けにはクレジットカード関係の啓発広告(→クレサラ問題)やキャンペーンに時々協賛する他、「あなたはカード国際人?」というパンフレットと1999年に設立10周年を記念して制作した同タイトルのビデオが消費生活センターなどに配布されている。