塩化スルフリル
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塩化スルフリル | |
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IUPAC名 | 塩化スルフリル スルフリルクロリド |
別名 | 塩化スルホニル オキシ塩化硫黄 |
組成式 | Cl2O2S |
式量 | 134.96 g/mol |
形状 | 無色液体 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | 7791-25-5 |
密度と相 | 1.67 g/cm3, 液体 |
水への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
融点 | 69.1 ℃ |
沸点 | −54.1 ℃ |
出典 | ICSC |
塩化スルフリル(えんかスルフリル、sulfuryl chloride)は化学式 SO2Cl2 で表される化合物である。室温では辛味のある悪臭を持つ無色の液体である。即座に加水分解されるため天然には存在しない。
塩化チオニル(塩化スルフィニル、SOCl2)と混同されることがあるが、これら2つの硫黄のオキシ塩化物の性質は全く異なる。塩化スルフリルは塩素 (Cl2) の発生源だが、塩化チオニルは塩化物イオン (Cl−) の発生源である。
目次 |
[編集] 性質
水と激しく反応し、塩化水素を発生させる。
- 2 H2O + SO2Cl2 → 2 HCl + 2 H2SO4
沸点より約 40 ℃ 高い 100 ℃ 以上に加熱すると分解する。放置すると二酸化硫黄と塩素に分解するため、古い塩化スルフリルは黄色みを帯びる。
塩化スルフリルの硫黄原子はテトラヘドラル構造を持ち、その酸化状態は硫酸中の硫黄原子と同じく +6 である。
[編集] 合成法
二酸化硫黄と塩素を活性炭などの触媒の存在下に反応させると得られる。
- SO2 + Cl2 → SO2Cl2
粗生成物は分留によって精製する。市販されているので実験室で調製を行うことはない。
[編集] 用途
塩素の発生源として使われる。液体であるため、塩素ガスに比べ計量や保存が容易である。カルボニル基やスルフィニル基などの活性化置換基に隣接した C−H 結合を C−Cl 結合に変換する試薬として広く用いられる。アゾビスイソブチロニトリル (AIBN) などの開始剤を用いたラジカル反応によるアルカン、アルケン、アルキン、芳香族化合物、エポキシドの塩素化にも利用される。また、アルコールを塩化アルキルに変換する。工業的には殺虫剤の製造が主な用途である。
ウールが縮むのを防止する処理にも用いられる。
[編集] 注意
毒性、腐食性を持ち、催涙物質としてはたらく。水およびジメチルスルホキシドやN,N-ジメチルホルムアミドなどの配位性を持つ溶媒と爆発性の混合物を形成する。