学校の怪談 (映画)
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『学校の怪談』(がっこうのかいだん、gakkou no kwaidan)は日本の映画シリーズ。常光徹の小説「学校の怪談」(講談社)及び日本民話の会のコミック「学校の怪談シリーズ」(ポプラ社)が原作だが、内容はほぼオリジナルである。
目次 |
[編集] 概要
田舎の学校で起こる怪奇現象、いわゆる学校の怪談を題材とした作品。怪談ものではあるが、ホラーというよりは冒険ジュブナイルものといった子供向けを意識した趣きとなっている。野村宏伸や西田尚美、前田亜季など複数の作品に出演している俳優が多いが、いずれも役柄は異なる。
[編集] 『学校の怪談』(1995年)
学校の怪談 | |
監督 | 平山秀幸 |
---|---|
製作 | 東宝、サンダンスカンパニー |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
出演者 | 野村宏伸 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1995年7月8日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 15億円 |
次作 | 学校の怪談2 |
当時小学生の間で広がっていた学校の怪談ブームを受けて製作された。1995年度日本アカデミー賞では脚本賞と美術賞にノミネートされた。
[編集] スタッフ
- 監督:平山秀幸
- 製作:藤峰貞利、高井英幸
- プロデューサー:酒井良雄、藤田義則、瀬田一彦
- 原作:常光徹、日本民話の会
- 脚色:奥寺佐渡子
- 撮影:柴崎幸三
- SFX:中子真治
- 美術:中澤克己
- 編集:川島章正
- 音楽:Fuji-Yama、諸藤彰彦、山崎茂之
- 音楽プロデューサー:高桑忠男
- 助監督:蝶野博
[編集] キャスト
- 小向伸一:野村宏伸
- 篠田亜樹:遠山真澄
- 篠田美夏:米澤史織
- 中村研輔:熱田一
- 瀬川将太:塚田純一郎
- 千葉一:町田昇平
- 小室香織:岡本綾
- クマヒゲ:佐藤正宏
- 千葉均:町田耕平
- 中村由美子:杉山亜矢子
- 口裂け女:佐藤勝栄
- 花子さん:小西杏奈
[編集] キャッチコピー
- 「こんどの夏休みに、出ます」
- 「ウワサがホントになりました」
[編集] 『学校の怪談2』(1996年)
学校の怪談2 | |
監督 | 平山秀幸 |
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製作 | 東宝、サンダンスカンパニー |
脚本 | 奥寺佐渡子 |
出演者 | 野村宏伸、岸田今日子 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1996年7月20日 |
上映時間 | 103分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 16億円 |
前作 | 学校の怪談 |
次作 | 学校の怪談3 |
前作と同じスタッフにより製作された。岸田今日子は本作および『八つ墓村』で1996年度ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した。また、本作以降「東京から来た生徒」、「東京に行く生徒」という設定が加わった。
[編集] スタッフ
- 監督:平山秀幸
- 製作:藤峰貞利、高井英幸
- プロデューサー:藤田義則、瀬田一彦、木村典代
- 原作:常光徹、日本民話の会
- 脚色:奥寺佐渡子
- 撮影:柴崎幸三
- SFXプロデューサー:中子真治
- 美術:中澤克己
- 編集:川島章正
- 音楽:寺嶋民哉
- 音楽プロデューサー:高桑忠男
- 劇中歌:あがた森魚「小さな喫茶店」-IN EINER KLEINEN KONDITOREI-
- 助監督:蝶野博
[編集] キャスト
- 浅野和成:野村宏伸
- 小田桐理香:西田尚美
- 常盤静子:岸田今日子
- 住職・真行:米倉斉加年
- 加賀直弥:細山田隆人
- 今井なな子:前田亜季
- 稲葉杏子:竹中夏海
- 三好憲:太田翔平
- 小田桐司:阿部大和
- ヨシオ:日吉孝明
- ハルエ:皆川香澄
- 人面犬:きたろう
- おまわりさん:神戸浩
- ムラサキババア:北川智繪
[編集] キャッチコピー
- 「そろそろ出る時間です」(実際は「出る」の部分に「・」が付いている)
- 「4時44分、だれも知らない授業が始まる」
[編集] 『学校の怪談3』(1997年)
学校の怪談3 | |
監督 | 金子修介 |
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製作 | 東宝、サンダンスカンパニー |
脚本 | しまだみちる |
出演者 | 西田尚美、黒木瞳 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1997年7月19日 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 12億5000万円 |
前作 | 学校の怪談2 |
次作 | 学校の怪談4 |
監督は金子修介に交替。金子は、前作までが「和風」であったのに対し、本作は「洋風」を目指したという。シリーズで唯一鉄筋コンクリートの校舎が舞台となっている。撮影が行われた小学校は、シリーズでSFXプロデューサーを担当する中子真治の母校。
[編集] スタッフ
- 監督:金子修介
- 製作:藤峰貞利、高井英幸
- プロデューサー:藤田義則、瀬田一彦
- 原作:常光徹、日本民話の会
- 脚本:しまだみちる、金子修介
- 撮影:柴崎幸三
- クリーチャーデザイン・クリエイト:高柳祐介
- 美術:及川一
- 衣装:宮本真理
- 編集:川島章正
- 音楽:大谷幸
- 音楽プロデューサー:高桑忠男
- 主題歌:Dual Dream「スプラッシュ」
- SFXプロデューサー:中子真治
- アクション:吉田瑞穂
- スペシャルエフェクトメークアップ:若狭新一
- モデルアニメーション:小杉和次
- 音響効果:伊藤進一
- 助監督:片島章三
[編集] キャスト
- 八橋かおる:西田尚美
- 久保田真知子:黒木瞳
- 藤井繭子:前田亜季
- 久保田良:吉澤拓真
- タイチ:ヒガタケル
- 佐藤茜:米澤史織
- 太田真琴:山田一統
- 木村悟:豊永利行
- 木村柚香:野口由佳
- 塾の教師:野田秀樹
- 校長先生:津川雅彦
- おまわりさん:蛍雪次郎
- 為山先生:野村宏伸
- 木村義男:佐戸井けん太
- 人面犬:林家こぶ平(現・林家正蔵 (9代目))
[編集] キャッチコピー
- 「3番めが1番こわい」
- 「その鏡をのぞいてはいけない」
[編集] 『学校の怪談4』(1999年)
学校の怪談4 | |
監督 | 平山秀幸 |
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製作 | 東宝、サンダンスカンパニー |
配給 | 東宝 |
公開 | 1999年7月10日 |
上映時間 | 99分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | 学校の怪談3 |
監督は再び平山秀幸。モンスター的な妖怪はほとんど登場せず、これまでの作品に比べより「怪談」らしいものとなっている。「学校の怪談」ではあるが、町全体が舞台となっており、学校がメインとなるのは終盤のみである。
幸一を演じる福田亮太と笑福亭松之助は「天才テレビくん」の「MTK スリラー」で共演している。
[編集] スタッフ
- 監督:平山秀幸
- 製作:藤峰貞利、高井英幸
- プロデューサー:藤田義則、瀬田一彦、木村典代
- 原作:常光徹、日本民話の会
- 脚本:奥寺佐渡子
- 撮影:柴崎幸三
- 音楽:宇崎竜童
- 音楽プロデューサー:高桑忠男
- 挿入歌:吉田拓郎「蒼い夏」
- 美術:中澤克己
- 録音:宮本久幸
- 照明:上田なりゆき
- 編集:川島章正
[編集] キャスト
- 安西弥恵:豊田眞唯
- 安西恒:広瀬斗史輝
- 関川幸一:笑福亭松之助
- 国見晴美:原田美枝子
- 国見あゆむ:皆川優紀
- 楡林周治:坂井英人
- 保科須美子:竹島由夏
- 菊池倫平:久保孝則
- 米山恭一:長者康之
- 野々井護:塚田光
- ユキコ:森安加代子
- サカエ:春名美咲
- コウイチ:福田亮太
- ススム:内海卓哉
- テツオ:小此木優也
[編集] キャッチコピー
- 「佐藤先生も泣いた」
- 「つぎは、おまえだ」
[編集] 漫画版
笹野鳥生によるコミカライズが、講談社の漫画雑誌「なかよし」1999年7月号および8月号に掲載された。
[編集] 登場妖怪
- 以下1作目の「学校の怪談」は1、「学校の怪談2」から「学校の怪談4」まではそれぞれ2から4の数字で表記してある。
[編集] シリーズ共通
- 花子さん(赤い服の少女)
- 1から3に登場。1では旧校舎のトイレに現れ、2・3では冒頭およびラストに学校の周囲に現れた。いずれも後姿のみで顔は見えず不気味な笑い声以外は喋らない。
- 1から3に登場。1に登場したものはカマとしゃれこうべを背負っており、2に登場したときは髪型が1の時とは違っており、3に登場したときは髪形は1のバージョンと同じだが、声が低いのが特徴。笑いながらあぐらをかいて宙を舞っている。都市伝説での「テケテケ」とは異なる。3ではいとこのシャカシャカも登場。1では埴輪の中に封印されていたものが復活し、2では妖怪屏風に潜んでいたものが復活した。
- なお、1と3ではマペットを使って撮影されているが、2はCGで描かれている。
- 動く人体模型
- 1・3に登場。1では旧校舎の理科室にあった人体模型が動き出した。3では良に壊された人体模型が、鏡の世界で塾の教師に化けていた。
- 2・3に登場。2ではきたろう、3では林家こぶ平が演じた。
- 1から3作目に共通して1人は登場し、ラストのドラマに絡んでいたが、4ではメインキャラクターとなっている。
[編集] 学校の怪談 (1作目)に登場
- クマヒゲさん/インフェルノ
- 旧校舎を掃除していた用務員。小向が小学生だったころから学校に居り、死後も学校に留まっていたが、彼の幽霊に妖怪が乗り移る。正体は蜘蛛のような姿をした凶暴な妖怪。目玉は眼鏡と一体化しており、これが弱点であるが、これをなくすとより醜悪な怪物「インフェルノ」に変貌する。校則に厳しく、廊下を走っていると「廊下を走るなぁ!!」と怒鳴りつける。
[編集] 学校の怪談2に登場
- 巨大からくり人形=ヌシ
- 謎のからくり人形の巨大版。かなり前から学校の時計台に住み着いている。無論ただのからくり人形ではなく正体は妖怪である。かなり不気味な姿をしており、見る者に大きなインパクトを与える。からくり時計と融合しており、時計を動かして永遠の4時44分から脱出しようと試みる主人公達を妨害する。4時44分の世界の学校の崩壊とともに消滅したものと思われる。
- 劇中では、40年前に首をなくす謎の死体となった校長・常盤静子が変貌した姿。形見の金色の懐中時計を求めて、浅野和成を追い回す。
[編集] 学校の怪談3に登場
- 鏡の世界の住人。久保田真知子・木村義男・警官(おまわりさん)の姿で現れ、凹凸のほとんど無い真っ白な顔面をしている。自分に顔が無い事を悲しんでおり、鏡の世界にやってきた主人公達から顔を奪おうと刃物を持って追いかけてくる。目的の為なら手段を選ばない。性格は凶悪そのものであり、とても恐ろしい妖怪である。が、間抜けな一面も見せる。
- ゾンビバス
- 運転手を含め、乗客が全員ゾンビのバス。正体は現実世界でのバスの鏡の世界の姿。乗客や運転手のゾンビ達は現実世界では普通の人間であり、言わば現実世界のバスの運転手・乗客がゾンビとなった者達である。その為、人に危害は加えないようである。走行中にスキール音が鳴るほどなので、かなり危険運転なドライバーになってしまったと思われる。冒頭のバスより、ドアのブザー音が乱れている。一応路線バスなので運賃はしっかりと請求する。
- シャカシャカ
- テケテケの従兄弟。テケテケと共に登場する。為山先生がテケテケの従兄弟として形作った粘土細工が勝手に動き出したもの。かなりお茶目な性格のようで、他の妖怪のような明確な悪意は持ち合わせていないようである。
- 赤い大玉
- 百枚オバケ
- 四次元カガミ(タイチの鏡)
- 恐竜骨格
- 怪獣のハリボテの中に潜んでいた。タイチと和解して鏡の世界から脱出しようとする主人公達を妨害するために妖怪達が送り込んだ尖兵。
- タイチ
- 慎町小学校の20年前に亡くなった病弱な少年の亡霊。運動会に出ることに憧れていた。運動会の二人三脚で転んだ子供に目をつけ、鏡の世界に連れ去る悪霊と語られていたが、実際は遊んでくれる友達がほしいだけであった。
[編集] 関連書籍・ゲーム
[編集] 書籍
ストーリーブック
- 学校の怪談ストーリーブック(東宝)
- 学校の怪談2ストーリーブック(東宝)
- 学校の怪談3ストーリーブック(東宝)
小説
映画の小説版となるが、人物設定や話の展開などが映画と少し異なっている。
- 学校の怪談(ポプラ社、岡本賢一)
- 学校の怪談(集英社、岡崎 弘明)
- 学校の怪談2(ポプラ社、岡本賢一)
- 学校の怪談3(ポプラ社、大場惑)
- 学校の怪談4(ポプラ社、秋月達郎)
- 夏のかくれんぼ 学校の怪談4(角川書店、飯野文彦)
その他
- 映画「学校の怪談」によせられたこわーいうわさ(ポプラ社)
[編集] ゲーム
- ホラーアドベンチャーゲーム。一作目の「学校の怪談」の実写映像を使ったゲームとなっている。
[編集] 関連イベント
- 宝塚ファミリーランド・イベントホール 「学校の怪談」「学校の怪談2」
- 同映画版を基にしたお化け屋敷
- SFXプロデューサーの中子真治プロデュースによるお化け屋敷