安原製作所
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安原製作所(やすはらせいさくしょ)は個人営業によるカメラメーカー。創業者は京セラで10年間カメラの設計に携わっていた安原伸。1997年に創業し、2004年2月に業務を終了した。なお東京都世田谷区駒沢にあった本社は、30平方米程度の広さしかなく、自らを「世界最小のカメラメーカー」と称した。 一式、秋月、Lマウント標準レンズを開発、販売した。
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[編集] 製品
[編集] 一式
1999年発売。機械制御式の縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッターを搭載したレンジファインダーカメラ。Lマウント(ライカスクリューマウント)を採用しており、標準レンズの50mm/f2.8のほかにも、市場にある豊富な(他社製)交換レンズが使用できる。TTL露出計をそなえており、その動作はファインダーのLED表示で確認できる。 生産は中国の鳳凰光学(Phenix Optical)に委託しており、月産300台ほどであった。
販売は直販のみで、安原製作所のWebサイトによる予約販売だった。出荷済みの予約番号を公開していたため、予約者は自分の順番を心待ちにするのだが、ほとんどの場合、数ヶ月は待たされたようである。
[編集] 秋月
2003年発売。フラッシュ内蔵のAE機でありながら、レンジファインダーによるマニュアルフォーカスのコンパクトカメラ。巻き上げ・巻き戻しも手動。30mm/f2.8のレンズが固着している。
[編集] MC YASUHARA 50mm/f2.8
Lマウントレンズ。基本的には一式用だが、もちろん、他のLマウントカメラでも使用できる。
[編集] 輸入商品
[編集] 鳳凰205
中国の江西光学(現在の鳳凰光学)が製造したレンジファインダーのコンパクトカメラ。
[編集] 長城PF-1
中国の宝源光学が製造したレンズ固着式一眼レフカメラ。 (中国版フジカST-F)
[編集] WIDE PAN PRO II
米国のパンフレックス社が製造するブローニー判パノラマカメラ。フィルムを半円形のドラムに巻きつけ、その周りをシャッターが移動する本当のパノラマカメラ。その機能、形状と重量から考えると、決して誰にでも勧められるようなカメラではないが、プロ・アマチュアを問わず、一部の写真家には高く評価されている。
[編集] 裏開発計画
有志によるRPN式(逆ポーランド方式)電卓の開発計画があった。RPN式は、HP社などの電卓が採用している記法で、技術者や金融の専門家などに根強い人気がある。残念なことに日本ヒューレット・パッカードによる輸入・販売が終了し、国内でRPN式電卓を入手することは困難になったため、少量生産でも安価になってきたカスタムLSIを利用して、この電卓を独自に開発しようとした。