尾木直樹
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尾木 直樹(おぎ なおき、1947年- )は、滋賀県生まれの教育評論家。
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[編集] 略歴・人物
滋賀県伊吹町(現米原市)出身。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、海城高校の教員、石神井(しゃくじい)中学校などの東京都の公立中高等学校の教員や東京大学非常勤講師を経て現在法政大学キャリアデザイン学部教授、早稲田大学大学院教育学研究科客員教授。教育現場で22年のキャリアを持つ。学生時代、同じ教育学部出身の研究者、鈴木春二・柿崎繁・高木隆造などとも交流。
日本教師教育学会常任理事 、日本精神保健社会学会理事である他、個人で臨床教育研究所「虹」を主催している。
大学では、「臨床教育相談論」、「キャリアガイダンス論」等(法政大)の講義を担当している。教育問題に関する著書は130冊以上。生徒へ発行した学級通信類は4000号以上。
また、日本テレビの番組審議会委員を務めており、印象に残った良い番組として「女王の教室」を挙げている。
[編集] いじめ問題での積極的発言
2005年9月に発生し、自殺した女児が残した遺書の存在を学校や教育委員会が知りながら握りつぶしていたことなどの不適切な対応が2006年10月に発覚して社会問題化した北海道滝川市での小学生いじめ自殺事件や、2006年10月に発生した福岡県筑前町の中学生いじめ自殺事件に対しても、積極的に発言している。
今の教育現場では、「成果主義」が横行し「数値目標」を掲げて教育委員会に「いじめは3カ年計画で5割減にする」と約束させられるため、上手くいってないことは伏せるのが当たり前であり、たとえ自分のクラスにいじめが3件あっても校長には0件として報告するし、校長も自分のところに集まった件数が30件であっても教育委員会には20件と報告するのが現実だと憂いている。また、現在の競争主義的な教育原理のおかげで、本来の基本教育理念が吹き飛んでいると危惧している。
[編集] 著書
- なぜ変える?教育基本法(岩波書店、2006年10月、共著)
- 尾木直樹の教育事件簿(学事出版、2006年8月)
- 「学力低下」をどうみるか(NHK出版、2002年11月)
- 思春期の危機をどう見るか(岩波新書、2000年8月)
- 学校を救済せよ(学陽書房、1998年3月、宮台真司との共著)
ほか多数。