年間最優秀力士賞
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年間最優秀力士賞(ねんかんさいゆうしゅうりきししょう)は、その一年間に大相撲の幕内で最も多く勝ち星を挙げた力士を顕彰するもの。
1957年(昭和32年)、11月の九州場所が本場所に加わって初めて年5場所制になったことから、その年の最多勝力士は誰かという興味が新たに生まれ、設立されたもの。同年栃錦清隆が59勝(16敗)で最初に受賞したが、年6場所制になった翌1958年(昭和33年)の若乃花幹士 (初代)(75勝14敗1分)からが、現在では公式記録として扱われている。
目次 |
[編集] 歴代受賞者
[編集] 1950・60年代
年 | 四股名 | 年間成績 | 備 考 |
---|---|---|---|
1957年 | 栃錦清隆 | 59勝16敗 | 年5場所制での受賞 |
1958年 | 若乃花幹士 | 75勝14敗1分 | |
1959年 | 栃錦清隆 | 77勝13敗 | |
1960年 | 大鵬幸喜 | 66勝24敗 | |
1961年 | 大鵬幸喜 | 71勝19敗 | |
1962年 | 大鵬幸喜 | 77勝13敗 | |
1963年 | 大鵬幸喜 | 81勝9敗 | |
1964年 | 大鵬幸喜 | 69勝11敗10休 | 名古屋場所を途中休場(1勝) |
1965年 | 佐田の山晋松 | 74勝16敗 | |
1966年 | 柏戸剛 | 71勝19敗 | |
1967年 | 柏戸剛 | 70勝20敗 | |
大鵬幸喜 | 70勝6敗14休 | 名古屋場所(2勝)と九州場所(1勝)を途中休場 | |
1968年 | 玉乃島正洋 (のち玉の海正洋) |
69勝21敗 | |
1969年 | 北の富士勝昭 | 63勝27敗 |
[編集] 1970年代
年 | 四股名 | 年間成績 | 備 考 |
---|---|---|---|
1970年 | 北の富士勝昭 玉の海正洋 |
75勝15敗 | |
1971年 | 北の富士勝昭 | 73勝17敗 | |
1972年 | 輪島大士 | 63勝27敗 | |
1973年 | 輪島大士 | 77勝12敗1休 | 九州場所千秋楽を優勝決定後に休場(12勝) |
1974年 | 北の湖敏満 | 73勝17敗 | |
1975年 | 北の湖敏満 | 71勝19敗 | |
1976年 | 輪島大士 | 77勝13敗 | |
1977年 | 北の湖敏満 | 80勝10敗 | |
1978年 | 北の湖敏満 | 82勝8敗 | |
1979年 | 北の湖敏満 | 77勝13敗 |
[編集] 1980年代
年 | 四股名 | 年間成績 | 備 考 |
---|---|---|---|
1980年 | 北の湖敏満 | 77勝13敗 | |
1981年 | 北の湖敏満 | 69勝15敗6休 | 九州場所を途中休場(5勝) |
1982年 | 千代の富士貢 | 74勝16敗 | |
1983年 | 隆の里俊英 | 78勝12敗 | |
1984年 | 若嶋津六夫 | 71勝19敗 | |
1985年 | 千代の富士貢 | 80勝10敗 | |
1986年 | 千代の富士貢 | 68勝10敗12休 | 春場所を途中休場(1勝) |
1987年 | 北勝海信芳 | 74勝16敗 | |
1988年 | 旭富士正也 | 73勝17敗 | |
1989年 | 北勝海正芳 | 72勝18敗 |
[編集] 1990年代
年 | 四股名 | 年間成績 | 備 考 |
---|---|---|---|
1990年 | 旭富士正也 | 70勝20敗 | |
1991年 | 霧島一博 | 62勝18敗 | |
1992年 | 貴花田光司 (のち貴乃花光司) |
60勝30敗 | 歴代最少勝ち星での受賞 |
1993年 | 曙太郎 | 76勝14敗 | |
1994年 | 貴乃花光司 | 80勝10敗 | |
1995年 | 貴乃花光司 | 80勝10敗 | |
1996年 | 貴乃花光司 | 70勝5敗15休 | 九州場所を全休 |
1997年 | 貴乃花光司 | 78勝12敗 | |
1998年 | 若乃花勝 | 67勝23敗 | |
1999年 | 武蔵丸光洋 | 73勝17敗 |
[編集] 2000年代
年 | 四股名 | 年間成績 | 備 考 |
---|---|---|---|
2000年 | 曙太郎 | 76勝14敗 | |
2001年 | 武蔵丸光洋 | 73勝17敗 | |
2002年 | 朝青龍明徳 | 66勝24敗 | |
2003年 | 朝青龍明徳 | 67勝18敗5休 | 名古屋場所を途中休場(5勝) |
2004年 | 朝青龍明徳 | 78勝12敗 | |
2005年 | 朝青龍明徳 | 84勝6敗 | 年間最多勝記録 |
2006年 | 朝青龍明徳 | 67勝11敗12休 | 夏場所を途中休場(1勝) |
[編集] 記録等
[編集] 年間80勝以上の力士
年 / 四股名 | 初場所 | 春場所 | 夏場所 | 名古屋場所 | 秋場所 | 九州場所 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2005年 朝青龍 |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
84勝6敗 |
1978年 北の湖 |
西横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 11勝4敗 |
82勝8敗 |
1967年 大鵬 |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 12勝3敗 |
東横綱 14勝1敗 |
西横綱 12勝3敗 |
81勝9敗 |
1977年 北の湖 |
東横綱 12勝3敗 |
西横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 12勝3敗 |
東横綱 13勝2敗 |
西横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 |
80勝10敗 |
1985年 千代の富士 |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 11勝4敗 |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 11勝4敗 |
東横綱 15戦全勝 (優勝) |
東横綱 14勝1敗 (優勝) |
80勝10敗 |
1994年 貴乃花 |
西大関 14勝1敗 (優勝) |
東大関 11勝4敗 |
西大関 14勝1敗 (優勝) |
東大関 11勝4敗 |
西張出大関 15戦全勝 (優勝) |
東大関 15戦全勝 (優勝) |
80勝10敗 |
1995年 貴乃花 |
東横綱 13勝2敗 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 |
西横綱 14勝1敗 (優勝) |
東横綱 13勝2敗 (優勝) |
東横綱 15勝全勝 (優勝) |
東横綱 12勝3敗 (優勝同点) |
80勝10敗 |
[編集] 参考(70勝以上10敗以下の力士)
年 / 四股名 | 初場所 | 春場所 | 夏場所 | 名古屋場所 | 秋場所 | 九州場所 | 合計 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1967年 大鵬 |
15戦全勝 | 13勝2敗 | 14勝1敗 | 2勝1敗12休 | 15戦全勝 | 11勝2敗2休 | 70勝6敗14休 | *70勝20敗の柏戸と 最多勝を分け合う |
1988年 千代の富士 |
12勝3敗 | 15休 | 14勝1敗 | 15戦全勝 | 15戦全勝 | 14勝1敗 | 70勝5敗15休 | *同年の年間最多勝は 旭富士 |
1996年 貴乃花 |
14勝1敗 | 14勝1敗 | 14勝1敗 | 13勝2敗 | 15戦全勝 | 15休 | 70勝5敗15休 |
[編集] 連続年間最多勝
連続場所数 | 四股名 | 期間/成績 | 期間中の一場所平均勝ち星 | 備考 |
---|---|---|---|---|
5年連続 | 大鵬 | 1960年~1964年
66勝、71勝、77勝、81勝、69勝 |
12.13勝 | *64年に10休あり |
5年連続 | 北の湖 | 1977年~1981年
80勝、82勝、77勝、77勝、69勝 |
12.83勝 | *81年に6休あり |
4年連続 | 朝青龍 | 2002年~2006年*継続中
66勝、67勝、78勝、84勝、67勝 |
12.07勝 | *現役 |
4年連続 | 貴乃花 | 1994年~1997年
80勝、80勝、70勝、78勝 |
12.83勝 | *96年に15休あり |
3年連続 | 北の富士 | 1969年~1971年
63勝、75勝、73勝 |
11.72勝 | *70年は玉の海と同点 |
[編集] 2位力士の記録
- 1978年の若乃花幹士 (2代)は78勝12敗で年間最多勝を逃した。同年の最多勝は北の湖の82勝。2位力士の最多勝記録であり、年間最多勝無経験の力士の最多記録でもある。75勝以上で年間最多勝を逃した力士は他に59年の初代若乃花(76勝、九州場所千秋楽結びの一番で栃錦と最多勝を争った)、77年の輪嶋(75勝、最多勝は北の湖の80勝)。逆にもっとも差をつけられた2位力士は1985年の大乃国康と北天佑勝彦の63勝で、80勝の千代の富士に17勝差。
- 年5場所優勝で年間最多勝を逃したのが1966年の大鵬。初場所全休のあと5連覇で柏戸を追ったが2勝届かなかった。1988年、53連勝の千代の富士も春場所全休があって最多勝は旭富士にさらわれた。