後方支援
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後方支援(こうほうしえん combat service support)とは第一線部隊の後方において作戦を支援するあらゆる業務を包括する概念である。直接戦闘に係わる戦闘兵種と区別して後方兵種と呼ばれる。
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[編集] 概説
後方支援とは軍事作戦を支援するために作戦部隊に対して行われる計画的かつ組織的な業務を総称する。作戦部隊を後方から支援するために必要な業務は非常に多岐にわたる。最も代表的かつ重要な後方支援として兵站(補給)業務、すなわち補給、輸送、整備、衛生が挙げられる。それ以外にも事務、会計、衛生、通信、法務、気象、航空管制、警務、施設、化学、人事、整備、通信、武器管理、情報、教育、研究、プログラミング、音楽などさまざまな業務があり、軍隊組織の運用と作戦の円滑な遂行を支えている。
[編集] 機能
[編集] 衛生
衛生は負傷兵を治療、後送する業務のことである。負傷兵をすばやく前線に復帰、復帰が難しい場合は後送することで前線部隊の負担を最低限にすることができる。(負傷兵は対応に人員を割いてしまうため、所属する部隊の戦闘力を低下させる)また戦闘が行われなくても、天候や作戦地域の衛生状態、性病の蔓延の程度によって戦闘とは関係ない死傷者・疾患者がしばしば発生するため、防疫業務や戦場における衛生指導も担当する。
[編集] 整備
整備は武器や兵器などの機械類を良好な状態に維持するための業務である。機械化された部隊においては兵器の不調が戦闘力を大きく低下させる。特に海軍、空軍は陸軍とは違って兵器への戦闘力の依存度が非常に高く、その整備状況が勝敗に影響を与える場合もある。また高度な技術が用いられている兵器であればあるほど、故障率が上昇する。ハイテク技術が一般的に普及している現代においては、この整備が果たすべき役割の意味は非常に大きい。