抜毛症
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抜毛症(ばつもうしょう、Trichotillomania、トリコチロマニア)とは、正常な毛を引き抜いてしまう性癖によって頭部に脱毛斑が出現する疾患。抜毛癖(ばつもうへき)と訳される事もある。DSM-IV及びICD-10では、習慣および衝動の障害(habit and impulse disorders)の中の一項目として挙げられている。円形脱毛症だと思っている人が、実は抜毛症であったというケースも多いという。
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[編集] 頻度
一説によると人口の0.5~2%が抜毛症だとされる。しかし、医者の考えや判断によってこの割合はかなり変化するため、あまり正確な情報ではない。この症状を訴える人の大半は10代であるが、成人に達した後でも起こるとされる。大半は女性である。頻度としては円形脱毛症の10~20%であるが、抜毛行為自体は学童期の癖としてはかなり多い。また、家庭や学校での人間関係で悩んでいる場合が多い。知能低下はないことが多い。大人しい内向的性格に多いとされる。
[編集] 原因
様々な要素が複合して起こるものとされ、明確な一つの原因はない。かつては、ストレスや不安が主な原因であると考えられていた。しかし、最近では抜毛症は神経細胞と脳のコミュニケーションの一部に支障があるために起こるという説も有力である。だが、現段階ではいずれの説も推測の域を越えてはいない。
[編集] 症状
脱毛斑は手の届きやすい前頭部に多い。前の方が利き腕側に偏って脱毛し、直線上の脱毛斑になる。毛の太さも正常で抜けやすさはない。毛を食べてしまう食毛症を合併している場合がある。
[編集] 治療
よく患児の悩みを聞くとともに、毛を抜くことを怒ったりせず母親や周囲の人々が暖かく接することが大事である。症状が強い場合、精神科の医師とよく相談することも必要である。
[編集] 関連項目
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