日本で開催された展覧会の一覧
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日本で開催された展覧会の一覧(にほんでかいさいされたてんらんかいのいちらん)では、日本で開催された主要な展覧会を掲載する。
東京都写真美術館での展覧会は、東京都写真美術館の展覧会を参照のこと。
[編集] 日本の主要な展覧会
[編集] 1975年
[編集] 1976年
- アメリカ絵画 1900-1940 近代から現代への軌跡(1976年9月23日-10月11日;東京新宿・伊勢丹)
- ニューヨークのホイットニー美術館のコレクションより作品を選んだ企画。20世紀後半のアメリカ美術興隆のさきがけとなるような、20世紀前半の主として前衛的な作品を紹介。以降、同種の企画がなされていないため、貴重な内容となっている。取り上げられた作家は多数。
- キュービズム展(1976年10月2日-11月14日;東京国立近代美術館、11月23日-12月19日;京都国立近代美術館)
- ヨーロッパのキュビスムを、日本作家の作品も一部含めて、130点強の作品により、網羅的に紹介する企画。展覧会カタログは、作家略歴、参考年表、きわめて詳細な文献リストを含んでおり、貴重な資料である。その後、網羅的なキュビスム展が開催されていないことは残念でもあり、不思議でもある。
[編集] 1979年
[編集] 1980年
- 日本グラフィック展
- オブジェTOKYO展
- 公募展。日本グラフィック展とオブジェTOKYO展がのちにアーバナート展になる。
- ハラ・アニュアル(;原美術館)
- 若手アーティスト発掘の展覧会として後にシリーズ化した。
- 現代美術の歩み(41人の作家による戦後彫刻の足跡)展(;神奈川県立県民ホールギャラリー)
- 篠原有司男、吉村益信、中西夏之、工藤哲巳ら「ネオダダ」グループの作品が選出される。
- アート・ナウ'80(;兵庫県立近代美術館)
- 出品作家の「ザ・プレイ」が美術館東側の窓枠を取り外し、外気と屋外環境を美術館内に導入した。
- まがいものの光景・現代美術とユーモア」展(;国立国際美術館)
- 篠原有司男が選出される。「反芸術」が「まがいもの」という言葉で市民権を得、「ユーモア」という用語で美術史へ回収されていった。
- デュシャン大ガラス東京ヴァージョン完成記念展(;東京大学教養学部美術博物館)
- 第1回浜松野外美術展(;中田島砂丘)
- 87年まで開催。80年代以降数多く開催される野外美術館の先駆。作家以外に美術評論家、地元住民も参加した。
- 架空通信テント美術館(;夙川公園)
- 津高和一の主宰による仮設美術館。「生活の場、即美術との接触の場」の理念のもと160名が200点出品。
- アジア現代美術展(;福岡市美術館)
- 「第1回アジア美術展」の第2部としてアジア各地13カ国の現代美術を紹介した。
[編集] 1981年
- 平行芸術展
- 峯村敏明が企画によって、のちにシリーズ化した。1981年以来ほぼ毎年、東京青山の小原流会館で開催されてきた、現代美術界でも最長命企画展のひとつ。2005年の第20回展をもって最終回を迎えた。
[編集] 1982年
- 芸術と革命展(ИСКУССТВО И РЕВОЛЮЦИЯ、1982年10月14日-12月6日;西武美術館)
[編集] 1983年
[編集] 1984年
- 構成主義と幾何学的抽象(1984年9月22日-11月11日;東京国立近代美術館、11月20日-12月21日;京都国立近代美術館)
- 芸術としての写真 その誕生から今日まで ―シカゴ美術館のコレクションから―(国立国際美術館10月6日‐12月4日):写真史の全体を見渡せる、標準的な企画。16部構成で作品数は180点。
- 取り上げられた写真家は、アジェ、キューン、コーバーン(コバーン)、野島康三、スティーグリッツ、スタイケン、アボット、カニンガム、アダムズ、ワルター・ヘーゲ、アルベルト・レンゲル=パッチ、ロジェ・パリー、ザンダー、チャールズ・シーラー、ウンボ、タバール(1点)、ストランド、ウェストン、マン・レイ、モホリ=ナジ、アルヴァレス・ブラヴォ、ブラッサイ、ケルテス、ラルティーグ、カルティエ=ブレッソン、ウォーカー・エヴァンズ、アーノルド・ニューマン、ウィージー、シスキンド、ユージン・スミスなど72名。
- 展覧会カタログは、詳細な作家略歴に加えて、技法解説がある。
[編集] 1985年
[編集] 1986年
- 古賀春江 前衛画家の歩み(1986年4月12日-5月18日;石橋美術館、5月24日-6月29日;ブリジストン美術館)
- 近代の見なおし ポストモダンの建築1960-1986(1986年9月6日-10月19日;東京国立近代美術館)
- 比較的早い時期における、国内外のポストモダンの紹介であり、当時におけるポストモダンのとらえ方を知ることができ、その後の考え方との違いを見ることができる。日本の建築家として取り上げられたのは、安藤忠雄、石山修武、磯崎新、伊東豊雄、黒川紀章、槇文彦、毛綱毅曠、高松伸、象設計集団の8人と1グループである。
[編集] 1987年
- 芸術と革命Ⅱ展(1987年11月28日-12月20日;西武美術館)
- 1982年の「芸術と革命展」の続篇。この続篇では、多くの作家を取り上げてはいるものの、網羅的な内容の前回と異なり、むしろ、一部の作家に重点を置いた構成となっている。例えば、ウラジーミル・V・マヤコフスキー(Владимир В. Маяковский)、アレクサンドル・M・ロドチェンコ(Александр М. Родченко)、ヴァルヴァーラ・F・ステパノーヴァ(Варвара Ф. Степанова)、フセヴォロド・E・メイエレホリド(Всеволод Е. Мейерхольд)、セルゲイ・M・エイゼンシュテイン(Сергей М. Эйзенштейн)。
[編集] 1988年
- 1920年代日本展(東京都美術館4月9日~6月5日、愛知県美術館6月19日~6月29日、山口県立美術館7月15日~8月21日、兵庫県立近代美術館10月15日~11月23日、主催:東京都美術館・山口県立美術館・兵庫県立近代美術館・朝日新聞社など)The 1920’s in Japan
- 日本の写真1930年代展(神奈川県立近代美術館。1988年9月10日から10月30日)
- タイトルどおり、日本の1930年代の写真を網羅的に取り上げた写真展。野島康三、安井仲治、中山岩太、小石清、木村伊兵衛などを含む写真家55名の総計348点もの作品が取り上げられている(ただし、展覧会カタログには、29点ほどの作品の図版が紹介されていない)。「日本近代写真の成立と展開」以前の写真展としては、もっとも本格的に、日本の戦間期の写真を取り上げた写真展として、高く評価することができる(「日本近代写真の成立と展開」で取り上げられていない、18名の写真家も本展で紹介されている)。カタログには、桑原甲子雄、中島徳博(兵庫県立近代美術館)、飯沢耕太郎の諸氏の解説のほか、作家略歴、写真史年表、資料解説、技法解説という盛りだくさんの内容が含まれている。惜しむらくは、参考文献リストがないことである。なお、本展の実現に関与しているのは、当時の神奈川県立近代美術館の足立朗学芸員と福岡市美術館の松浦仁学芸員・金子隆一学芸員である。
- なお、上記「18名の写真家」とは、以下のとおりである。
- 京都国立近代美術館所蔵 アメリカの写真家たち(渋谷区立松濤美術館12月13日‐1989年1月22日)
[編集] 1989年
[編集] 1990年
- グラフィックデザインの今日(1990年9月26日-11月11日;東京国立近代美術館工芸館)
- 21人+1グループの現代を代表する内外のデザイナーをとりあげ、タイトルどおり、現在のグラフィックデザインの状況を概観しようとする企画。日本人デザイナーでは、福田繁雄、亀倉雄策、勝井三雄、松永真、永井一正、仲條正義、中村誠、佐藤晃一、田中一光、戸田正寿の各氏。
- 観念の刻印 1990日本の版画・写真・立体(1990年11月18日-1991年1月20日;栃木県美術館)
- 「地方の一弱小美術館」として、比較的安価な「版画」をそのコレクションの中心にすえてきた栃木県美術館が、版画作品の多様化により、写真や立体作品との境界が、きわめてあいまいであることを明確に示して見せた好企画。紹介された23人(グループを含む)の日本の現代作家(IDEAL COPY、H et H、川村克彦、今道子、中川政昭、森村泰昌ら)の作品を見ることにより、既成の区分に対する疑念を感じることができる。
[編集] 1991年
- 写真のエコール・ド・パリ(目黒区美術館4月13日-5月26日、三重県立美術館6月22日-7月28日、北海道立近代美術館8月31日-9月29日、河口湖美術館10月9日-12月9日、静岡県立美術館1992年2月15日-3月29日、ひろしま美術館4月4日-5月10日)
- 1910年代から第二次世界大戦終了までのパリにおける写真状況を、「写真のエコール・ド・パリ」と新たに名づけてとらえようとする試みで、ツァイト・フォトも企画に協力している。取り上げられた写真家は、次の27名で、この中には、その後も含めて、日本においてはこの企画でしか紹介されていない写真家が何人も含まれており、その展覧会カタログは、貴重な資料となっている。(以下のカタカナ表記は、この企画のチラシや展覧会カタログにおける表記)
- ロール・アルバン=ギヨ(Laure Albin-Guillot; 1880年-1962年)
- ウージェーヌ・アジェ(Eugène Atget; 1857年-1927年)
- ハンス・ベルメール(Hans Bellmer; 1902年-1975年)
- ブラン・エ・ドゥミリー(Theo Blanc 1898年-1985年 et Antoine Demilly; 1892年-1964年)
- エルヴィン・ブルメンフェルト(Erwin Blumenfeld; 1897年-1969年)
- ジャック=アンドレ・ボワッファール(Jacque-André Boiffard; 1902年-1961年)
- ピエール・ブーシェ(ピエール・ブーシェ-ル)(Pierre Boucher; 1908年-2000年)
- コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi; 1876年-1957年)
- ブラッサイ(Brassaï; 1899年-1984年)
- アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson; 1908年-2004年)
- ロベール・ドアノー(Robert Doisneau; 1912年-1994年)
- ジゼル・フロイント(Gisèle Freund; 1912年-2000年)
- ピエール・ガスマン(Pierre Gassmann; 1913年生まれ)
- ホルスト(Horst; 1906年-1999年)
- ゲオルグ・ホインニンゲン=ヒューネ(George Hoyningen-Huene; 1900年-1968年)
- ピエール・ジャアン(Pierre Jahan; 1909年生まれ)
- アンドレ・ケルテス(André Kertész; 1894年-1985年)
- フランソワ・コラー(François Kollar; 1904年-1979年)
- ジェルメーヌ・クルル(Germaine Krull; 1897年-1985年)
- ジャック=アンリ・ラルティーグ(Jacques-Henri Lartigue; 1894年-1986年)
- エリー・ロタール(Eli Lotar; 1905年-1969年)
- マン・レイ(Man Ray; 1890年-1976年)
- ウィリー・ロニ(Willy Ronis; 1910年生まれ)
- エマニュエル・スジェ(Emmanuel Sougez; 1889年-1972年)
- モーリス・タバール(Maurice Tabard; 1897年-1984年)
- アルフレド・ヴァレンテ(アルフレッド・ヴァレンテ)(Alfredo Valente; 1899年-1973年)
- ヴォルス(Wols; 1913年-1951年)
- 展覧会カタログについては、上記写真家の作品214点という豊富な図版のほか、作家解説、主要参考文献、年表、解説文の英訳が含まれている。なお、展覧会カタログの「作家解説」の中には、"Contemporary Photographers"(有名な英語版写真家人名辞典)の経歴の丸写し(丸訳)的な内容がある。(例えば、Eli Lotar)
- 1910年代から第二次世界大戦終了までのパリにおける写真状況を、「写真のエコール・ド・パリ」と新たに名づけてとらえようとする試みで、ツァイト・フォトも企画に協力している。取り上げられた写真家は、次の27名で、この中には、その後も含めて、日本においてはこの企画でしか紹介されていない写真家が何人も含まれており、その展覧会カタログは、貴重な資料となっている。(以下のカタカナ表記は、この企画のチラシや展覧会カタログにおける表記)
[編集] 1992年
- 日本の抽象絵画 1910-1945(1992年4月4日-5月10日;板橋区立美術館、5月15日-6月21日;岡山県立美術館、7月11日-8月9日;姫路市立美術館、8月22日-9月13日;京都府京都文化博物館、9月26日-10月25日;北海道立函館美術館、10月30日-11月29日)
[編集] 1993年
- 迷宮都市 新しいイズムの建築家たち(1993年2月27日-3月28日;セゾン美術館、5月9日-6月6日;つかしんホール)
- 若手(開催当時、30代後半から40代前半)の建築家7名(大江匡、隈研吾、妹島和世、竹山聖、團紀彦、内藤廣、若林広幸)を取り上げ、写真、模型、図面等により、その作品や思想を綜合的に紹介する展覧会。「建築展」としてどのような展示が可能なのかを検証することを意図していたのか、建築家ごとに展示形態を大きく変えるなど、実験的な色彩が極めて濃い。
- デ・キリコ展 1920-1950(1993年7月16日-8月15日;東京都庭園美術館、8月28日-9月26日;ナビオ美術館、10月30日-12月5日;ふくやま美術館)
[編集] 1994年
- クプカ展(1994年3月18日-5月8日;愛知県美術館、5月21日-6月26日;宮城県美術館、7月9日-8月28日;世田谷美術館)
[編集] 1995年
- アール・デコのポスター(東京国立近代美術館フィルムセンター;1995年8月8日-10月7日)
[編集] 1996年
[編集] 1998年
- モボ・モガ展1910-1935(1998年5月17日-6月28日;神奈川県立近代美術館、その後オーストラリア・シドニーのニュー・サウス・ウェールズ美術館へ巡回)
- 20世紀初頭(大正末から昭和初期)のおよそ25年間にかけての日本のモダニズムを紹介。絵画、版画、デザイン、舞台美術、写真にわたる、幅広い400点以上の作品・資料により、都市、労働者等の視点を交えて、20世紀末の時点から、日本のモダニズムを再考しようという試みである。
[編集] 1999年
- Project N(1998年12月3日-;東京オペラシティアートギャラリー)
- 東京オペラシティアートギャラリーが1999年にスタートした若手絵画の作家を紹介する企画の展覧会シリーズ。
[編集] 2000年
- 近代デザインに見る生活革命 大正デモクラシーから大阪万博まで(2000年1月14日-3月5日;宇都宮美術館)
- 日本の建築、住宅、インテリア、プロダクト・デザイン(インダストリアル・デザイン)など生活を取り巻くデザインを網羅的に追い、日本におけるモダニズム、モダニズムとわれわれの生活との関係、デザインの生活への影響、生活という視点からのデザインの重要性などを検証する。工芸学校や工業試験所の試作品までも含めていることに特徴がある。
[編集] 2001年
- 1930年代日本の印刷デザイン 大衆社会における伝達(2001年8月14日-11月4日;東京国立近代美術館フィルムセンター)
[編集] 2002年
- カンディンスキー展(2002年3月26日-5月26日;東京国立近代美術館、6月8日-7月21日;京都国立近代美術館、8月1日-9月1日;福岡市美術館)
- カンディンスキーの大きな回顧展としては、10年以上ぶりのもの。1913年制作の「コンポジションⅥ」・「コンポジションⅦ」の2大作の展示が特徴となっていた。
- 極東ロシアのモダニズム 1918-1928(2002年4月6日-5月19日;町田市立国際版画美術館、5月26日-7月7日;宇都宮美術館、7月16日-9月1日;北海道立函館美術館)
- ロシアのモダニズム(アヴァン・ギャルド)芸術を、日本をも含めた「極東」という視点で切り取った、五十殿利治氏らによる画期的な企画。絵画はもちろん、版画、グラフィックデザイン、ブックデザイン、カリカチュアなどを取り上げている。展示された作家も、日本人を含めて多数にのぼる。
[編集] 2003年
- 中平卓馬展(横浜美術館10月4日‐12月7日)
- 森山大道展(川崎市市民ミュージアム9月13日‐11月3日)
- PROVOKEの同人であった、盟友とも言える2人の写真企画が、ほぼ同時に、別々の会場で行われた。VIVOの次の世代の個展が公立美術館で行われる時代の到来を告げる重要な回顧展である。荒木経惟・森村泰昌といった写真家のように一般的な話題性はないものの、特に、森山は、海外でもその評価は高く、それから考えると、遅すぎた個展といえる。また、この2つの企画が、いずれも東京都内で行われずに、神奈川県内で行われたということは、東京よりも一足先に、写真部門の充実した美術館を開設できた、川崎、横浜両市の面目躍如というところであろう。なお、森山大道展については、島根県立美術館が、その実現に果たした重要な役割について、注目すべきである(学芸員参照のこと)。今後は、これに続いて、彼らと同じ世代の写真家の個展開催が望まれる。
[編集] 2004年
[編集] 2005年
- ルーヴル美術館所蔵 古代エジプト展(2005年8月2日-10月2日;東京都美術館)
- ルーブル美術館に所蔵されている古代エジプトにかかわる50000点以上のコレクションから、約200点を展示。このコレクションの本格的な紹介という意味では、本邦初であり、エジプト文化を知る上では、見落とすことのできない貴重な企画である。主催は、東京都美術館のほか、NHK、東京新聞など。
[編集] 2006年
[編集] 2007年
[編集] 関連項目
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