激突!
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激突!(げきとつ、原題:Duel=決闘)は、リチャード・マシスンの短編小説を映像化した、1971年製作のアメリカ合衆国の単発テレビドラマ。もともとテレビ放映用に製作された作品だが、日本やヨーロッパでは劇場公開された。1973年に第1回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した。
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[編集] 概要
日本での公開は1973年1月。ユニバーサル社提供。無名時代のスティーブン・スピルバーグが演出し、この作品の成功によって業界内に名前を売った。劇中で、主人公の車や、電話ボックスのガラスにスピルバーグの姿が映っていたことでも知られる。
上映時間はテレビ版が74分、ヨーロッパで劇場公開された版は90分。劇場版ではデニス・ウィーバーのナレーションが無い。現在発売されているビデオは劇場版+ナレーション付きのものである。
運転手が顔を見せず執拗に主人公を追いかけるタンクローリーを、監督は「怪獣のように考えた」と語る。その描写は『ジョーズ』のホホジロザメに引き継がれていく。
松本人志はこの作品を「スピルバーグの最高傑作」と位置づけている。
[編集] あらすじ
平凡なセールスマン、デイヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)は運転中、ハイウェイで何気なく、薄汚れた大型トレーラタンクローリーを追い抜く。すると、大型トレーラは執拗にマンの命をつけ狙うようになって……。
[編集] 演出
作品中では一貫して大型トレーラの運転手の姿を映さず、これによりまるで大型トレーラ自体が追ってくるような効果を演出している。
絵コンテを用いず、大きな地図に撮影ポイントなどを書き込んだものを使って撮影が進められた。
撮影に使用された赤色の乗用車は、米クライスラー製の「プリマス・バリアント」という4気筒のごく普通のクルマであるが、撮影の為、こげ茶色のベース車両が、新車設定にはない赤色に再塗装されている。
一方トレーラは「ピータービルド351」であるが、何台かトラブル時のバックアップ用として用意されていた模様。又トレーラのタイヤはブリヂストン。つまり、日本製である。尚映画の本編では本トラックが暴走行為を繰り返すことの為か、エンブレムは取り外されていた。
なお、本作のカーチェイスシーンはビル・ビクスビー主演のTVシリーズ「超人ハルク」の1エピソードに丸々流用されていたりする。
[編集] 関連項目
[編集] 日本語版
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- 演出:左近允洋
- 翻訳:進藤光太
- 調整:栗林秀年
- 製作:グロービジョン