美味しんぼの登場人物
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美味しんぼの登場人物(おいしんぼのとうじょうじんぶつ)では、漫画・アニメ『美味しんぼ』に登場する架空の人物について記載する。
登場人物については、長期に渡る連載により人数も多くなっているので、紹介はその一部のみ。また、節分けする意味でも「東西新聞社」・「帝都新聞社」・「その他の人々」に大きく分けてある。なお、海原雄山については「至高のメニュー」アドバイザーであるが、帝都新聞社の人間ではないことから「その他の人々」に分類している。
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[編集] 東西新聞社
東西新聞社はいわゆる全国紙。「社主」がいること、帝都新聞に部数競争で負けたことなどから、朝日新聞がモデルと思われる。通常、全国紙では大阪に「大阪本社」を置くのをはじめ北海道や九州など全国何箇所かの拠点である程度独立した紙面作りを行なっているが、東西新聞の場合は「大阪支社」や「大阪支局」であり、地方面以外は全て東京で編集される形がとられている。 株式は現在二都銀行が東西新聞の安定株主となっている。
[編集] 山岡家
- 山岡士郎 (声優:井上和彦)
- 東西新聞社文化部記者で主人公。中央区月島に在住。結婚前は雑居ビル「グランドビル」屋上のペントハウスに住んでいた。普段はグータラだが食に対する造詣が深く、「究極のメニュー」担当に抜擢された。
- 会社員としての事務処理能力のほどは不明だが、一介の平社員でありながら大企業の社長や著名な文化人、果ては副総理大臣との直接のコネクションを持ち、かつこれらに軽口を叩くことを相手に許容されていることから、コミュニケーション能力は著しく高い。
- 初登場時は27歳で、後の話では「30過ぎ」と表現されている(「30過ぎたらみんなオヤジだ」と言う理由でオヤジ狩りに遭った)ことから、緩やかに歳を重ねているようだ。
- 海原雄山の実子で、父の才能を受け継ぎ、食ばかりでなく芸術に対する感覚も鋭いものを持っていることが作品の随所に描かれている(但し、女性に対する感覚が鈍いのは栗田ゆう子との結婚に至る顛末でも明らか)。父が芸術の為に母を犠牲にし死に追いやったと思い込み、彼とは絶縁状態にある。後に真相は異なることが判明するが、未だに彼を許してはいない。母の死去後に家を出て行く際(原作では大学生の時、ドラマ版では高校生の時)、当時の海原雄山の絵画や陶器を全て破り捨て、ぶち壊している。被害総額は数千万円から数億円らしい(しかしその後「雄山が昔描いた水墨画があるはずだ」など矛盾した発言がある、ちなみに幼少時の士郎の為に作った食器類は、雄山が別の所に保管していたらしく、全て無事である)。雄山との対決は初期は勝つことも多かったが、雄山のキャラ変更に伴い次第に勝てなくなり究極対至高のメニューのころには雄山に勝ちを譲ってもらうか審査員の贔屓目がないと勝てないようになってしまった。しかしながら、雄山が時より独り言などで山岡を認める発言をしているため、対決を経て力はついているようである。
- なお、名字の「山岡」は母が結婚する前の旧姓である。通称ではなく戸籍上もそうであるが、どういう法手続を経て改姓したかは不明である(母方の親類で「山岡」姓の者の養子になる方法が考えられるが、そういった登場人物は一切登場していない。家庭裁判所に改名申請をし、それが承認されたのだろうか)。また栗田ゆう子との結婚前、ゆう子の両親に「海原雄山とは縁を切っていて、法的にも無関係である」旨の発言をしているが、実の血縁関係にある親子が法的に縁を切る方法は特別養子縁組以外に存在しない。
- 中川夫妻を初めとする美食倶楽部の調理人、従業員からは今も「士郎様」「若」と慕われており、それらの人々は全て、彼が雄山と和解し美食倶楽部に戻ってくる日を心待ちにしている。
- 同僚の栗田ゆう子と結婚し、二卵性双生児(息子・陽士(ようじ)、娘・遊美(ゆみ))の父となった現在でもお互いを名字に「さん」付けで呼んで(TVアニメではゆう子に対しては「栗田くん」と呼んでいた)おり、下の名前を呼び合ったことは無い。趣味は当初、競馬やジャズだったが、競馬は雄山との戦いに敗北してからは一切止めた(但し、一時期解禁しており(18巻「生肉勝負!!前編」、「続、生肉勝負」参照)、それ以降再び止め、競馬番組だけは現在も見ている)。
- 食の好みに関しては日本食が主だが、中華料理も好む。食材について好き嫌いは殆ど無い(調理法など、別の意味では好き嫌いが激しい)が、ラーメンは「カン水と化学調味料の臭いがする」、吟醸酒は「吟醸香が苦手」との理由で、あまり好きではない。以前は冷やし中華の事を「あんなものに中華の名を使ってほしくない」と言う程嫌いだったが、雄山が冷やし中華を罵倒した時冷やし中華の肩を持ち、結果雄山に冷やし中華を料理と認めさせることに成功する。
- 酒は日本酒・ウイスキー・ワイン・焼酎等何でも嗜む(吟醸酒以外)がビールに関しては麦芽とホップのみの、きちんとした製法で作ったビール(特にエビスビール)しか飲まず、ドライビール、発泡酒・その他雑酒・その他醸造酒の類は「舌の上にピラミッドどころか電柱すら立たない」と全く飲む気もしない。日本酒も酒類審議会や大メーカーが適当に級種ラベルを貼っているだけの得体の知れないニセ酒は飲まない。
- 出社時は常に黒のスーツで、かつては休日の海釣りや登山にまでこの格好で来ていた、その事でゆう子に同じ服ばっかりとからかわれた事もある。高校時代はただ飯研究会に所属(ちなみに、この時期に親知らずを抜歯している)。大学時代は冒険探検部に籍を置いていたが、活動には参加せずコンパにのみ参加、金を払わず酒だけ飲んでいた。
- 好きな作家は水上勉で、太宰治と三島由紀夫は大嫌い。また、コンピュータにはわりと興味があるようで、インターネットが普及する前からニフティサーブでの情報収集を提案したりした。熱狂的なマッキントッシュ派でウィンドウズをはじめとするマイクロソフトのOSは毛嫌いしている。一度だけタイムスリップして食材を探したことがある。
- 余談ではあるが、前世は中国明代の仙人の弟子の「丘士郎」(20巻「奇妙な皿」参照)という説もある。
- モデルについては説が多いが、ジャズを好む料理界の論客とすれば銀座の出井宏和、アジア寄りで大衆受けしようとする言動から民族学者の鶴見良行とする説もある。但、両者に見られる鋼の如き意思の力は見られない点から、美味しいとこ取りの雁屋哲をモデルとする説が有力である。因みに雁屋自身と思われる「漫画原作者」が知り合いとして士郎の会話に出てくることもしばしばである。
- 他のモデルの候補として『ゴルゴ13』の脚本を担当、雁屋哲の友人である勝鹿北星(きむらはじめ)との説もある。
- 栗田(山岡)ゆう子 (声優:荘真由美)
- この作品のヒロインで、東西新聞社文化部記者。容姿端麗で文化部の華。新入社員当時、味覚の鋭さを買われて士郎と共に「究極のメニュー」担当となった。担当当初は雄山や士郎との実力差からアシスタントに徹していたが、山岡に惹かれるようになってからは積極的に行動するようになった。「究極VS至高」も含む海原雄山との対決を経て成長し、やがて雄山も一目置く存在に。朝食対決では、士郎に代わってメニューを考案し、雄山を負かしたこともある。その功績と人柄により、社内上層部からの信頼も厚い。
- 性格は温厚で聡明、お人よし。一見控えめだが芯は強く、容認し難い発言には相手が社会的に地位の高い人間であっても毅然として反論する(これは士郎の影響によるものと思われる)。女性らしく大いに焼きもちを妬いたり、機知に富んだ皮肉を士郎に浴びせる様子もまま見受けられる。文化部新入社員当時には、型破りな先輩である士郎に驚かされたり振り回されたりしていたが、現在では気性の激しい士郎をなだめたり奮起させたりと、長い付き合いを経て公私に渡るパートナーを上手に操縦しているようだ。
- 「まったり」「モチモチ・シコシコ」などといった味覚表現を好み、時には「シャッキリポン」といったユニークな副詞を用いることもある。
- 初登場時は22歳。当初は髪の左上部分をゴムの髪留めで結んでいた。後に士郎と結婚し、双生児の母となった。戸籍上は「山岡」姓となるが、仕事上では同じ苗字の社員が同じ部にいるのはややこしいとの理由から、現場復帰してからも旧姓を使い続けている。現在は3人目を妊娠中。士郎の雄山に対する誤解を解いて親子と孫が仲良く暮らすことが出来るよう、苦心している。
- 海原雄山がいない時に雄山について話す場合は「海原雄山」とフルネーム・敬称略で呼んでいる。もちろん本人の前では「海原さん」と呼んでいる。時々「義父(ちち)」とも呼ぶ。
- 大学教授を父に持ち、女子系の高校と大学を卒業して東西新聞へ入社。大学時代は社会学を専攻、テニス同好会とアジア・アフリカ研究会に所属していた。また、釣りの才能もある。
- ちなみに、第1話でのキャラクター描写やその後の各話モノローグ描写を見るとわかることであるが、見方によっては、ゆう子が実質上の主人公であるとも言える。
- 山岡陽士
- 山岡夫妻の双子の息子。士郎に似てわんぱくな性格。雄山と会う時は頭によじ登りたがる。名付け主はゆう子で雄山の書から朱子の言葉を引用し名付けた。尚下の士は士郎から取った。
- 山岡遊美
- 山岡夫妻の双子の娘。ゆう子に似て大人しい性格。名付け主は士郎で辰さんから「遊びの心」を感じ「遊ぶ」に「美しい」をくっ付け命名した。
[編集] 文化部
- 谷村秀夫 (声優:嶋俊介)
- 東西新聞社編集局次長兼文化部長。東京都出身。田園調布小学校卒。冷静沈着かつ温和で器が大きい故、上司や部下の厚い信頼を集めている。士郎の良き理解者の一人。とても有能でもあり場合によっては大原ですら彼に頭の上がらない所もある。第1話時点では文化部内で唯一、彼と雄山の関係と確執を知っていた。
- 鎌倉に大邸宅を構えている。子供は男2人に女1人いる。兄弟は弟が1人いる。大の映画ファンであり、特に平良明監督(黒澤明がモデルと思われる)に心酔し、学生時代は映画館に入り浸っていた。麻雀の腕はセミプロ級。
- 連載開始当初は喫煙者だった。今現在も田園調布小学校6年2組の同窓会をしており、小学校当時のあだ名は「とっちゃん」である(小学校の頃から大人びた顔をしており、当時は大人びた子供の事を「とっちゃんボーイ(一般的には「父っちゃん坊や」)」と呼んでいた為)。
- 富井富雄 (声優:加藤治)
- 東西新聞社文化部副部長。上司にゴマをすり部下をいびるのが生き甲斐だが、明るくおっちょこちょいな性格でどこか憎めない。出世の障害にもなっている酒癖の悪さが玉に瑕で、その為に何度も解雇の危機に瀕しては士郎らに助けられている。ちなみに絡む相手は小泉局長が多く、直属の上司である谷村には一度も絡んでいない。
- 土木会社を経営する弟の修、小学生である息子のヒトシがいる(本人は厳しく育てているらしいが、「学校では【貴公子】と呼ばれている」と言う辺り、子煩悩なところもある)。妻は自分勝手で我侭な性格だが、その妻にベタ惚れしている恐妻家の為、頭が上がらない。妻は家事を全くやらないので、料理など家事全般も富雄がこなす。
- 土木建築の現場で働きながら夜間大学を卒業し、東西新聞社に就職した苦労人。時々その時の苦労話を誇らし気に話したりする。幼少時に満州から引き揚げたという設定だが、連載が現在まで長期に渡り、現在もその設定ではかなりの高齢者となってしまうため、うやむやになっている。また、当初は典型的な嫌味系「中間管理職」キャラだったが、次第に「憎めないダメ上司」的キャラになっていった。
- 弟は建設会社経営。不況のあおりで廃業を決めていたが、土壇場で再建。
- ちなみに、TVアニメでは富井精一という名前になっていた。
- 荒川(田畑)絹江 (声優:水原リン)
- 文化部員で士郎とゆう子の先輩。姐御肌。ゆう子に対する友情から士郎を目の敵にすることもある。結婚や友人のトラブルなどで何かと士郎の世話になっているのだが、事あるごとに士郎に暴力を振るったり食事をタカる等の行為を行っている。夫は写真家・荒川精作。現在の所、子供はいない。叔母はテキ屋の世話役(テキ屋が店を開く場所割りをする)。叔父は戦争中に栄養失調で亡くなった。
- 苗字についてはTVアニメが原作同様「たばた」なのに対し、TVドラマでは「たばたけ」となっていた。
- ちなみに、スケバンである中学生の姪・ひとみがいるが、彼女自身もかつてはスケバンだった(絹江が初代で、ひとみは17代目にあたる)。
- 三谷(花村)典子 (声優:佐久間レイ)
- 文化部員で士郎とゆう子の先輩。ゆう子に対する友情から士郎を目の敵にすることもある。結婚や友人のトラブルなどで何かと士郎の世話になっているのだが、事あるごとに士郎に暴力を振るったり食事をタカる等の行為を行っている。ミーハーな性格。夫はせんべい屋・三谷直吉。優一という一人息子がいる。
- 飛沢周一
- 東西新聞文化部記者。社会問題への関心が強く、自ら市民運動にも参加。「自分の記事で社会を動かしたい」と政治部か社会部への配属を希望し、文化部への配属を「下らない」と当初嫌がっていたが、士郎達の説得で、「文化部こそ最も必要な部署」と闘志を燃やしている。取材を通じて海原雄山に心酔し、やがて弟子のような存在に。中川夫婦とは親子の様な付き合いをしている。雄山は飛沢の情熱に士郎の若い頃の熱意を見ていて、士郎も自分の後に「究極のメニュー」作りを担える人材として見ている。吉東産業の社長令嬢・吉沢すみ子との結婚を考えている。難波とは同期。
[編集] 政治部
- 松川政男
- 東西新聞社政治部記者。東西新聞社社員食堂運営委員。民自党総裁選の取材に際し、士郎が角丸副総理(田中角栄と金丸信がモデルか)から得た情報を元に、特ダネをものにする。それ以来、士郎とは親しい仲に。妻のメリーが独身時代にアルバイトをしていたフライドチキン店へ彼女目当てで通い詰め、あまり良くない市販品を食べ続けた結果、フライドチキンが大嫌いになる。犬の肉を香港出張の際に食べて以来好きになり、子供2人(長男・洋介、長女・さとみ)に「野蛮人」と罵られたことがある。すき焼き等の鍋物になると、とたんに鍋奉行になる(その時の姿は「奉行どころか閻魔だ」と言われるほど恐ろしい)。
- 難波
- 東西新聞大阪支社から東京へ転勤になった敏腕政治部記者。名前は不明。転勤当初、食事に関するイライラから上司の松川と対立したり、小泉編集局長にボツ原稿撤回の直談判を行った。その為小泉は難波の事を敬遠している。「能力主義」を自称しており、「年齢・勤続年数・肩書きに関係なく、能力のない者(他者)は能力のある者(自分)に従うべき」と考えているため、上司に対しても敬語は一切使わない。料理研究家でゆう子の先輩の紺野なか子に一目惚れし、恋仲になる。甘えん坊で年上好き。飛沢とは同期。続くエピソードでは飛沢と共に結婚資金を貯めるために関係者に無差別に昼飯をたかろうという暴挙に出ており飛沢と共に株を落す。その後もその傾向は変わらず評論家になる為無理やり名前を売ろうとしたりと、飛沢が「究極のメニュー」の後継者になり得るという展開前後からは飛沢の奇行が鳴りを潜め、代わりに卑しい言動を一身に引き受ける損な役柄となっている。
[編集] 会社役員
- 大原大蔵 (声優:阪脩)
- 東西新聞社社主。世界新聞協会会長。「究極のメニュー」の発案者。大相撲「島高部屋」の後援会役員。美食倶楽部の会員だったが、士郎を「究極のメニュー」の担当にしたことで、雄山により除名された(後に言動が会員に相応しくないという事になっている)。常に和服姿で、多くの孫がいる。幼少期を京都で過ごした。
- 基本的には寛大だがその公私混同ぶりは度を越しており、士郎とゆう子に無茶な命令をしては度々、懲戒免職や自主退社寸前に追いやり、挙句にはコドラムの件で士郎を一時解雇してしまう事もあった、初登場時は72歳。重厚なイメージで、人間的にも器の大きな人物として描かれていたが、巻が進むにつれ、子供っぽく俗人的、しかしながらコミカルな性格に味付けされていく。ただし東西新聞の役員の信頼は厚く金上に脅されていた役員が元に戻るほどの人望も持つ。
- 映画版では士郎の親代わりでもあり、学生時代から身元引受人だった。
- 小泉鏡一 (声優:加藤精三)
- フランス帰りの東西新聞社取締役編集局長。金角大学卒。登場初期は目も鋭く「自分に喧嘩を売り続けて出世した唯一の人間」と大原に言わしめたほどに対立しており、「究極のメニュー」反対派の先頭に立っていたが、「本当に美味しい」日本酒を飲んでからは一転、「『究極のメニュー』を止めるべきではない」と言うほどに。目付きも徐々に大人しくなり、いつの頃からか大原にゴマを擦り続ける存在になった。現在では社主と共に、「究極のメニュー」作りについて何かと士郎に圧力を掛けている。
- 投げ釣りや俳句を趣味とするが、極度の虚栄心から趣味に纏わるトラブルが多い。帝都新聞の秀沢編集局長とは公私共にライバル関係で、よく喧嘩をする。猫好きでもあり、フランスで覚えたワイン鑑賞やゴルフなど、趣味は多岐に渡る。
- 息子の紀男は中学時代にグレかかったが、士郎の尽力により更生し、銀成大学に入学した。父は鉱山会社勤務。
- 初登場時は53歳。定年まであと3年という記述があることから、現時点では57歳だと思われる。出身大学が原作に記載されているが、第37巻では東東大学だったのに対し、その後の巻では金角大学と記載されている。
- 兄弟は2人の弟と妹が一人いる、今のお洒落な格好からは想像出来ない位に幼少時の当時の家庭は貧しかったらしく、そんな家庭を影で支えてくれた母を時折感傷的に、しかし誇らしく思い出す事がある。
[編集] その他の東西新聞関係者
- 相川
- 東西新聞社にある社員食堂(通常社食は外部業者への業務委託が一般的だが、東西新聞では総務局に属する直営となっている)の料理長。料理人としての強い使命感を持って仕事に励んでおり、得意料理の「じゃがいもコロッケ」を求めて他社から食べに来る人がいる位腕がいい。文化部給湯室を本格的厨房に改装するまでは山岡たちがよく厨房を借りに来ていた。過去に神田でレストラン「あいかわ」を経営していたが、店の成功に有頂天になり酒と女に溺れて女房に逃げられ、店を潰した過去を持つ。その後東西テレビ主催の「社員食堂オリンピック」の活躍でめでたくよりを戻した。現在このオリンピックで二連覇中。第1回はコロッケ、第2回は鮭づくし定食。1回目は会社の番号が審査員からあげられて勝敗を決したが、第2回は審査で勝敗を決した。昔の店のお得意さんで巨大レストランチェーン「大禅屋」の会長から、レストランの料理長として一度は招かれたが、後任の食堂料理長が大規模な食中毒事件を起こし、指導が足りなかったと責任を感じ再び東西新聞に戻った。
- 孝というしっかりした一人息子がいて、料理人として働く父の背中を見て、高校卒業後に料理人の道を目指している。
- 仁田
- 東西新聞出版局の発行する雑誌「東西グラフ」の編集長。近城まり子・三沢るり子の元上司。「世界味めぐり」の企画を成功させる為に谷村と山岡に協力を求めた。温厚な性格。
- 三沢るり子
- 元出版局東西グラフ編集部員。「世界味めぐり」2代目担当で近城まり子の後任として抜擢された。責任感の強い性格で、採用試験で一番の成績を収める程の秀才で、フランスの留学経験もあり、英語・フランス語・中国語に堪能だが、味覚と嗅覚の経験が浅く、まり子と顔合わせのディナーの際に味覚と嗅覚を疑われて叱咤され、ショックで辞職しようとしたが、山岡と栗田の機転でまり子と和解、「世界味めぐり」の後任者として認められた、その後57巻対決再開!オーストラリアで中国系のオーストラリア人ロバート・チャンと婚約すると言いその後「世界味めぐり」担当は後輩の中口に交代、登場しなくなる。福島県出身。
- 傘森
- 連載第一回から登場していた守衛のおじいさん。53巻になってようやく苗字が判明。栗田ゆう子は新入社員の時から出勤時に挨拶をしている(結婚後も山岡と共に挨拶をしていると思われる)。妻は既に亡く再婚もしたが、その時一人息子の成男が反抗してグレてしまい、その後妻とはすぐに離婚した。その後も成男は借金を所々で作ってしまい苦労したが、今では成男も更正している。煙草はフィルターぎりぎりの所まで吸うクセがあるみたいである。
[編集] 帝都新聞社
帝都新聞は東西新聞を抜き部数日本一になったということから、読売新聞がモデルと思われる。
- 嶺山知一
- 帝都新聞社社長。日本新聞協会会長。大原大蔵とは公私共々、何かに付けてライバル関係。大原とは異なり、身内を自社やグループ会社に採用しない方針を採っている。明記というひとり息子がいるが、跡を継がせる気は全くなく、明記自身も跡を継ぐ気がなく、帝都新聞とも全く関係のない番組制作会社に勤めている。孫も一人いる。出身地は鹿児島県。
- 秀沢民男
- 帝都新聞社編集局長。中帝大学卒。情報産業釣友会(旧釣り天狗同好会)幹事。小泉鏡一とは公私共々、何かに付けてライバル関係だが、大原と嶺山の子供じみた喧嘩の場では利害の一致から、小泉と意気投合する場面も。小泉の息子紀男と同い年の息子がいる(よりにもよって紀男が第一志望で受験して落ちた金角大学に合格している)。
- 平野法明
- 「至高のメニュー」を担当する帝都新聞社学芸部長。少し嫌味な所もあるものの、嶺山や秀沢が東西新聞に異様なまでの敵愾心を持っていることに苦慮しており、士郎に相談を持ち掛けたことも。士郎の行きつけである「寿司とも」もよく接待などに利用しているらしい。登場当初は名字が「平町」だった。アニメ版初登場では美食倶楽部内にて、海原雄山の前で堂々と喫煙と、ある意味「勇気のいる行為」をこなしている。
[編集] その他の人々
[編集] 海原家
- 海原雄山 (声優:大塚周夫)
- 銀座の一等地で厳格な会員制の超高級料亭「美食倶楽部」を主宰している希代の美食家。また、陶芸・書道・文章にも秀でた100年に一人出るか出ないかと言われる天才芸術家でもあり、その才故に何事にも妥協を許さない。妻に対する時も同様だが、それが実の一人息子である士郎の誤解と反抗を生み、結果的に彼を勘当することへと繋がった。連載開始からまもなくして東西新聞の「究極のメニュー」に対抗した帝都新聞の「至高のメニュー」側のアドバイザーとなり、現在に至るまで究極側を数多く失敗・敗北させている。
- モデルの一部は北大路魯山人とする向きがある。また、雄山はこの作品においては魯山人の孫弟子で魯山人こそが最大の目標という設定になっている。
- 当初は極めて冷酷な性格で、「傲岸不遜な気性の激しい人物」として描かれており、料理に不手際があるとお膳をひっくり返し、気に入らない相手にほとんど難癖に等しい怒り方をしていたが、第15巻を過ぎた辺りからそういったマイナス面は影を潜め、「気難しいが筋の通った人格者」として描かれるようになった。最近では、士郎を鍛え見守る父親としての一面が強く描かれており、古くからの読者には違和感を持つ者もいる。特に二人の孫に対する表情は「祖父」そのものであり、頭によじ登られたり抱きつかれても苦笑い、生誕祝いに茶碗を作り贈答する等、連載開始当初の彼から現在の彼を想像するのは難しい。
- 妻の生前は一戸建ての和風邸宅で妻と士郎の3人で住んでいたが、妻の死後、美食倶楽部の離れで生活している。
- 76巻「雄山の危機」で一時は交通事故で昏睡状態に陥り活力を失うが、士郎が僅かに「おやじ・・・」と父親を呼ぶ声で回復に至った(但し、和解とまではいかなかった)。
- 「雄山」は「号」と思われる。
- 栗田ゆう子に対しては少なくとも心を開いているようである(栗田ゆう子が、どことなく亡き妻と顔立ちと雰囲気が似ているせいなのかは不明)。しかし、微妙な関係からこれまでに「おまえ」「栗田ゆう子」としか呼んだことがない。
- 山岡士郎の母
- 海原雄山の妻でもあり、故人で、名前は不明(旧姓山岡、士郎は家を出て行った後に「海原」の姓を捨て、この姓を名乗っている)。生前の雄山の彼女に対する処し方が士郎の誤解を生んだことで、親子断絶の原因ともなっている。実は雄山の若い頃から彼の芸術家としての大成を誰よりも望み、そのために命を懸けて雄山を後押ししていた。そのことは士郎以外の二人を知る人達は理解していて、ゆう子も様々なエピソードから深く理解しているが、士郎だけは頑なに理解することを拒んでいる(大成を願う妻の期待に答えるべく雄山が全身全霊をかけて作った絵画や陶器=『思い出の品』を、勢いとはいえ全て破り捨て、壊し、何もかも台無しにしてしまったので申し訳ない気持ちもある)。
- 作中では士郎の回顧シーンでシルエットとして描かれているだけで(顔はいずれも描かれない)、実際に名前も呼ばれたことは無いが、彼女が雄山の為に作った料理は事ある毎に中川チヨにより「奥様の料理」として、ゆう子に伝えられている。回想シーンでは全て和服を着用、洋服を着ているシーンは皆無。単行本47巻「結婚披露宴」の中で、一度だけ顔が描かれたことがあったが、その顔はゆう子そっくりであった。
- その時に雄山に言った台詞は、心に贅肉がつき始め妥協しそうになった時に、心をいさめる鞭となり、また、「避ける事の出来ない大きな選択肢」等で挫けそうになった時の雄山の心を支えてくれ、そして奮い立たせてくれた素晴らしい言葉であり、後々までありとあらゆる権威、権力に臆することのない気迫と精神の原動力となった。
- 雄山曰く「何故当時の明日への光明すら見えない私と結婚する気になったのか、その気になれば他にもっと条件のいい相手はいただろうに」と未だに思っているが、妻の結婚した動機は多分ゆう子が士郎と結婚した動機と同じだと思われる。
[編集] 栗田家
- 栗田信一
- 東西大学教授でゆう子の父。温厚な性格だが、大事な局面では、正論をストレートに吐く。
- 栗田文枝
- ゆう子の母。趣味は料理。ゆう子とその子供達の為、士郎と雄山との和解を推し進めるものの士郎や雄山そして一部の読者からは傍迷惑な存在と思われている。しかし、自らの行動を親のエゴイズムと分かっている上で、家族の団欒を取り戻してほしく士郎に対し苦言を呈する事が多い。士郎にとっては目の上のたんこぶと言った所か。
- 栗田誠
- ゆう子の兄。電機メーカーに勤務している。オペラや三島由紀夫、そしてヨーロッパ車を好む。太宰治は大嫌い。若鮎の天麩羅などの上品な料理を好む。好みの相違(と妹が嫁ぐ淋しさ)から、ゆう子の結婚前に士郎とは大喧嘩になるが、その後は意気投合。気の置けない義兄となった。もともとプレイボーイだったもののダンプカー運転手の滝本たか子と結婚しようとして、伯父や伯母に反対されるが、その後はたか子の人柄で説得に成功し、承諾させる。
- 栗田たま代 (声優:堀絢子)
- 栗田ゆう子の祖母。痴呆(今で言う認知症)が始まっていたが、士郎が提供した自然養鶏の鶏肉を味わったお陰で症状が治ってしまった。その為、士郎のことを非常に気に入っている。戦後は代用教員をしていた。ソーメンを契機に大広告会社の相談役・大柱永一と交際中で、年々若返っている。そのせいか部屋はぬいぐるみだらけ。加えて、寝る時には歳に似合わぬ派手なパジャマを着る為、ゆう子を閉口させた。また民間療法にも詳しく、山岡が後頭部を打って嗅覚を失った時、大根の汁を鼻の奥に垂らすという荒療法で治した。
- 沢野
- 東東大学教授。栗田信一とは親友。栗田文枝の兄で、ゆう子と誠には伯父に当たる。歯に衣着せぬ性格の愛犬家。既婚だが子供はおらず、ゆう子や誠のことをとても大事に想っている。その為、二人がそれぞれ結婚する際には相手(士郎とたか子)を不足に思い、反対。ゆう子も誠も彼の賛同を得る為、実の両親に対するよりも気を揉んだ。その甲斐あって、士郎もたか子も気に入られる。ドライビールは一口で大嫌いになる。
[編集] 岡星
- 岡星精一 (声優:若本規夫)
- 銀座の料理屋「岡星」の主人。高校を中退し料理の道へ。関西で修業した。「岡星」は士郎の行き付けの店であり、「究極のメニュー」作りへの協力を惜しまない。その一方、海原雄山を尊敬してもいる。柔軟なセンスの持ち主で、伝統的な日本料理だけに留まらず、中華料理や西洋料理なども参考にした創作料理も多く生み出す。なお、「岡星」というネーミングは北大路魯山人が経営した「星岡茶寮」をもじったものと思われる。
- 弟子として田山勇一を雇っている。妻・冬美との間に一人娘を授かるが、かつて隣家からの延焼により店を失い、自分の運のせいと考えた冬美に一時期失踪されてしまったことも。
- しかし生真面目な性格で料理の世界一筋に生きてきたせいか、逆にグルメブーム等の俗に言う「流行感覚」「高級志向」な考えについていけなく苦悩する時もあり、ついには気分障害のひとつである「うつ病」になってしまい、一時は閉店までに追い詰められたが、山岡の機転で閉店は一応とどまり、完治はしていないものの店を営業しつつ現在治療中である。
- 岡星冬美
- 岡星精一の妻。昔、東京の懐石料亭「吉長」で仲居をしていて、岡星と知り合った。岡星との結婚前に2度の結婚歴があり、その2人がともに非業の死を遂げたことを気に病んでいたため、岡星の店が一度全焼したときに、自分のせいだと思い込み、これ以上迷惑をかけてはいけないと姿を消したという薄幸な女性。その後職を転々とし、初登場時は湧泉駅近くのスキー場にある「温泉旅館湧泉閣」(ドラマ版では新潟県「貝掛温泉」)で働いていた。発見時は再び行方をくらまそうとしたが、山岡の機転と岡星の説得に打たれ再び一緒に暮らし始めた。精一との間にひとり娘がいる。両親がいないせいか、ホームレスの辰さんを親のように慕い、ねんねこはんてんを作ったり、ホームレス狩りにあって落ち込んでいる辰さんを励まそうと料理を作ったりと家族ぐるみの付き合いをしている。出身地は島根県。
- 岡星良三 (声優:関俊彦)
- 「美食倶楽部」で椀方を務める、海原雄山の信頼も厚い料理人。岡星精一の弟で士郎やゆう子とも親しい。本業の日本料理以外にも陶芸やイタリア料理など才能は多彩で、特に陶芸に関しては雄山も唐人も一目置いている。美食倶楽部に勤務し始めてからかなりの期間が経っている筈なのだが、いつまでも周りから若手扱いされている。士郎の助言を受け、美食倶楽部の仲居・鈴子を自殺未遂の衰弱状態から立ち直らせ、将来を誓い合う仲に。また、味覚が鈍ると禁止されているタバコを吸っていたことで美食倶楽部をクビになったり、はたまた碗方試験で雄山を失望させ、一生皿洗いをさせられそうになった事があるが、やはり士郎のお陰で戻ることが出来た。
- 田山勇一
- 大企業極日商事会長、田山邦蔵の長男で、後継者として将来を約束されていたにもかかわらず、現代の料理界を憂い、後世に日本の料理文化を伝えるべく自ら後継権を捨て料理の道を目指し、岡星で修行している若者。初めは父親の猛反対があったが、叔父の平川相談役の後押しもあって、極日商事の次期会長権を弟の完二に任せ、山岡の紹介で岡星に入門し日々精進を重ねている。生来の熱心な努力家で(ちょっとお調子者な所もあるが)、努力の甲斐もあってか、塩だけで岡星良三と同等の吸い物を作れるまでに腕を上げている。しかし熱心すぎるのがたまに裏目に出て、よその料理屋で料理を食べてはメモをとってる姿を店員に見つかり、ひと騒動を起こす事もある。
- 高校時代は野球部に入部していたが、万年補欠のままで終わったが、本人は「努力と根性を養えた良き思い出」と満足している。
[編集] 山岡たちの知り合い
- 板山秀司 (声優:辻村真人)
- 銀座にある「ニュー・ギンザ・デパート」の社長にして「栄商流通グループ」総帥。裸一貫から栄商流通を築き上げた(ダイエー創業者の中内功がモデルか)が、教養が無いことにコンプレックスを持っている。訛りのきつい奥さんがおり、彼女には頭が上がらない。士郎やゆう子と親しくなってからは、士郎に知恵を借りたり、勝負の場所提供などに協力したりと相互扶助の関係に。
- 京極万太郎 (声優:渡部猛)
- 大正8年7月17日生まれ(ドラマ版では大正13年4月1日)の商人。京都の大富豪(不動産業等)で「美食倶楽部」会員だが、士郎やゆう子とも親しく、雄山と士郎の和解を目指している。究極VS至高の審査員の一人。東京にも大邸宅を持っている。戦前の米相場での儲けを元に現在の地位を築く。また美術品収集家でもあり、ルノアール等の名作を所有しており、また、美術界の裏事情にも詳しく、金上の美術品詐欺の際に裏の世界を通じて情報を集め東西新聞の協力をした。先立った妻との間に二人の娘がいるが、二人とも全く父に似ていない(ちなみに。出身地は高知県四万十川の近くにある三つ又村(架空)だが、長年帰っていなかった為、雄山が出した四万十川の鮎にとても感激した。
- また人情厚深いところもあり、お金を貸してた相手が借金を背負って夜逃げしたにもかかわらず、京極自身が自ら肩代わりをして後始末して、戻って来いと説得したり(27巻「日本料理の理」参照)、気に入った人には無担保無利息無期限で資金を出してあげたりと、心から信用出来る人間には損得なしの付き合いを自ら願う程である。好物はカワエビ。
- 花見小路辰之丞
- 通称・辰さん。温和で気さくな人物で、銀座界隈に住む路上生活者(ホームレス)。人間関係のこじれからホームレスになった漂泊者タイプ。残飯の引き受けを通して銀座界隈の飲食業界には詳しく、士郎に岡星を紹介した。街の清掃活動をするなど近隣には迷惑をかけないようにしており、住民や警察からも好意的に見られている。ホームレス狩りに遭って入院し、誰も信じられなくなるほど落ち込んだこともあったが、士郎らの料理を通じての励ましにより回復。「人生は遊びよ」という持論に士郎は影響され、娘に「遊美」と命名した。
- 快楽亭ブラック (声優:青野武)
- 本名はヘンリー・ジェームス・ブラック。アメリカから豆腐料理の研究の為来日。豆腐だけでなくチーズも好物である。ある事件を契機に落語家・快楽亭八笑に弟子入り。その後、真打ちとなって、漫才コンビ、テルエ・テルコの夢見テルエと結婚し一子(すず子)をもうける。周囲や妻からは姓である「ブラックさん」と呼ばれており、両親と舅であるテルエの父親からはファーストネームの「ヘンリー」で呼ばれている。
- 芸名や本名は明治期に実在したイギリス人落語家・初代快楽亭ブラックから。現在、同名の米日ハーフの快楽亭ブラックが実在するが、このキャラクターの登場時期の方がその襲名より早い。一人称は拙(せつ)。趣味は囲碁。全米囲碁選手権3位の実績を持つただしその囲碁が原因となり一時落語を辞めさせられそうになったことがある。著書に「The book of tofu」がある。初登場時には一度だけ「スタン・ブラック」と名乗ったことがある。そして金上との初対決でホワイトと偽名を使った事もある。
- 国際目玉焼き会議(IFEC)の会員でもある。
- テルエ・ブラック (声優:高山みなみ)
- 快楽亭ブラックの妻で、「テルテル」コンビとして姉のテルコとともに活躍している漫才師(旧姓夢見)。辰巳芸者の血を引く江戸っ子。ブラックの猛烈なアタックの末に結婚、娘のすず子を出産する。父親は「夢見屋」という和菓子屋をやっている。
- 快楽亭八笑 (声優:丸山詠二)
- 落語界の大御所噺家で快楽亭ブラック、福々亭末吉(旧名・快楽亭吉兆、声:林家こぶ平)の師匠。大噺家「三遊亭円生」と「桂文楽」を尊敬している。得意な話に「黄金餅」があり、日本広しといえど江戸の名所の全てをスラスラと言える噺家は快楽亭八笑以外にはいないと言わしめる程である(ただし一度しくじって引退を決意した事もあったが、山岡の機転で引退は取り止めた)。 啓子(声優:鶴ひろみ)という娘が居る。
- ジェフ・ラーソン (声優:中尾隆聖)
- ロサンゼルス出身の若者。日本料理に魅せられてアメリカのレストランで修行を重ね、日本料理を極めようと来日、山岡の紹介で「鯛ふじ」の主人、大不二清兵衛の包丁さばきの腕前と料理人気質に惚れ込んで入門。日本語はかなり堪能で、「鯛ふじ」を暖簾分けしてもらってアメリカに支店を出すことを目標に修行に励んでいる。
- 熱心な努力家で、鯛ふじの入門試験で大根のかつら剥きを寝る間も惜しんで修行して、1週間で見事途中で切らずに3mまで剥けるようになり、柳刃包丁で氷を切るという技術まで習得した。
- かつては捕鯨禁止論者だったが、欧米の捕鯨禁止活動の傲慢な実態を知ってからは熱烈な鯨料理の愛好者に変身した。
- 当初はブラックと同じくらいの頻度で登場していたが、コミックス第16巻を最後にバッタリと登場しなくなった。これは大不二のモデルである鯛ふじの主人が亡くなったためと思われる。
- 松川メリー
- 松川夫人。アメリカ出身。松川がワシントン支局に勤務していた際、メリーがアルバイトしていたフライドチキン店に彼が足しげく通ったことから交際がスタート。後に結婚し、来日。松川と喧嘩する度にすぐ子供2人(長男「洋介」、長女「さとみ」)を連れて、アメリカに帰国すると言い始める。親族は「ジャパニーズ・ハズバンド」松川に偏見を持っているらしい。以降、松川のネタでたびたび登場する。団地の婦人達とも仲がとてもよく、団地内の露店大会で松川に「優勝できないと子供を連れてアメリカに帰国する」と嘘泣きして、松川を通じて山岡に知恵を借りたりと、ある意味「亭主を尻に敷いている」女性。
- 曲垣
- 高校教諭。ゆう子の恩師。趣味は競馬。福島競馬でパーフェクト予想を達成し、新築の家を建てたりするほどの実力者。名前の由来は江戸時代の馬術の達人、曲垣平九郎(まがきへいくろう)と推測される。
- 唐山陶人 (声優:富田耕生)
- 人間国宝の陶芸家。海原雄山の陶芸の師匠、つまりは北大路魯山人の弟子という設定でもあり、彼が唯一頭の上がらない人物。弟子も3000人いるらしい。究極VS至高の審査員の一人。士郎を実の孫のように可愛がり、雄山と士郎の反目ぶりに心を痛めている。孫のように歳が離れた妻・領子(声優:藤田淑子)がおり、「陶人クン」と呼ばれている。生牡蠣の臭みが苦手。
- モデルは陶芸家・加藤唐九郎であると思われるが、実際は唐九郎と魯山人は師弟関係ではない。なお、TVアニメでは苗字の読みが「とうやま」だったが、TVドラマでは「からやま」だった。
- 荒川精作 (声優:宮部昭夫)
- 山岡の親友の一人、写真家で荒川(田畑)絹江の夫。母親思いの真面目で純情な性格で、写真家としての評価は高い。東西新聞社に働く人の姿を撮りに来て、田畑絹江に一目ぼれし、写真を送るなど情熱的にアタックして、努力の甲斐あって結婚した。噺家の快楽亭八笑やプロボクサーの沢矢とは懇意にしている。師匠は写真界の大御所の木曽友二で、早くに父を亡くしたため、木曽を父のように敬愛している。 山梨県出身。
- 三谷直吉 (声優:鈴置洋孝)
- 山岡の親友の一人、三谷(花村)典子の夫で、浅草で老舗の煎餅屋「三谷」の若旦那。典子が友人とスキーに行った際乗っていた車が雪にはまり立ち往生し、そこに偶然通りかかった三谷が助けたのがきっかけで知り合う。学生時代にジャズ喫茶に通うなど、山岡と気のあう一面も見せる。堅実な性格。過去に百貨店「高越屋」等の出店依頼もあったが、品質維持のために断り、現在も浅草で店を続けている。ステーキの達人、伝助老人を知っていたりと食通の一面もある。現在は一児(優一)の父。
- 富井ヒトシ
- 富井副部長のひとり息子。普段はぼっちゃん刈りにスーツ姿という、いかにも「おぼっちゃま」な格好をしている(富井部長本人も「学校では貴公子と呼ばれている」などと言っているが、真偽の程は不明)、言動も理屈っぽく大人びた所もある。クラス内でのいじめを無くそうとしたりと正義感は強いが、頼まれ事などで立場が強くなると途端にうぬぼれやすくなる性格。牛乳とナスが苦手だったが克服した(味覚の才能は同世代に比べ優れているみたいである)。初登場時は小学生で新都第三小学校5年生、原作では登場人物も少なからずゆっくりと年をとっているらしいので、少なくとも高校生にはなっていると思われるが、容姿はどうみても小学生のままである。
- 若吉葉 (声優:大塚芳忠)
- 大原社主と海原雄山が後援会を務めている相撲部屋「島高部屋」の名横綱(モデルは原作連載初登場当時の大横綱「千代の富士」かと思われる)。得意手はぶちかましてからの怒涛の寄り身で、幾度も優勝も果たしている。面倒見のいい性格で、弟弟子達からの信頼も厚い。島高部屋付の、亡くなった呼び出しの娘で、住み込みで家事をしていたすみ子と相思相愛な関係ながらも、ガンコな島高親方の縁談話などでなかなか口には出せずにいたが、山岡の助力とおかみさんの機転で晴れて夫婦となり、現在は墨田区両国に住んでいる。子供も男の子が一人いる(若吉葉二世として力士になるかどうかは本人次第とすみ子は言っている)。
- 北尾夏子 (声優:佐々木るん)
- 築地「寿司とも」の店主にして女性寿司職人。父の死後跡を継いで自ら寿司を握っている(職人としての腕は良い)。最初は男勝りのトゲトゲした性格だったが、来店した女形歌舞伎役者「吉川清右衛門」の一言で苦悩したが、山岡の機転で女らしくなった。幼馴染で東京都中央卸売市場職員の北尾照一と結婚し、子供も一人いる。
- 中前田貞治
- 究極のメニュー対至高のメニューの対決の審査員長。東都大学の総長で、食文化にも詳しい。第一回「卵料理対決」から出席、95巻にてようやく氏名と職業が判明。今までの対決を見た限り、よほどの事がない限り驚かない冷静な性格をしている。飛沢が山岡の後を継ぐと聞いて、後を継ぐのは無理だと断言したが、山岡の出した課題により飛沢の考えだしたゴボウ料理を食べて「努力次第で力を発揮するでしょう」と「究極のメニュー」の後継者として認めた。
- 西健一郎
- ※西健一郎は実在する人物である。
- 東京都港区新橋にある板前割烹料理店「京味」の主人。山岡が尊敬する程料理の腕がよく、ハモとマツタケ鍋やカニ鍋が絶品で、海原雄山もその鍋の腕を認め、「鍋対決」の際には至高のメニュー側の料理人として招いていた。岡星精一と尾沢はるが「うつ病」になった時に山岡の考案で、父親の故・西音松氏の料理を再現した親子の合作「究極のメニュー西音松・西健一郎の料理 春夏秋冬」を作り、現在「春、夏編」で岡星とはるに一時的ではあるが活力を取り戻させる事に成功する(はるは夏編の料理を食べ、完治した)。
- そして2007年、フジテレビのドラマ「新・美味しんぼ」にて特別出演、「鍋対決」のカニ鍋において自らカニ鍋を調理、見事なまでの腕前を披露した。
[編集] 警察関係
- 中松警部 (声優:福留功男)
- 銀座中央警察署の警部。士郎の親友の一人。昔気質の型破りな江戸っ子警官で事あるごとに士郎とゆう子に協力、捜査情報を漏らすことさえある。剣道の名手で、大学時代は剣道部に所属。居合い斬りの達人でもある。所属は刑事課で、階級から課長か課長代理と思われるが、剣道のライバルかつ友人でもある大石警部共々、役職者らしき仕事をしている描写は無い。
- 好物は自らを「麺食い」と自認するように最高が「ソバ」(新そばなら50枚以上は食べきれる(23巻「真夏のソバ」参照))以下ラーメンなど(但しうどんは大嫌い)。他にもうなぎ、トコロテンも好き。剣道の師匠の姪で、アイスクリーム店を経営する水森歌子と結婚し一子を授かり、剣吉郎と命名。名前が不明である(雁屋が設定していない?)為、自宅に居る時も妻にまで、「警部」と階級で呼ばれている。
- 通称は「オニの中松」だが、歌子の前ではデレデレしている。好き嫌いは多く、中でもジャガイモとナスが嫌いらしいが、実はジャガイモが嫌いというエピソードの出る前に、コロッケを好んで食べているエピソードがあった。それは雁屋も認識していたらしく、前者を書く際に「この人もコロッケなら食べられるのよ」と苦しい言い訳を先手を打って書いていた(補足:もっと苦しいことに、コロッケ以外にも芋を食べているシーンがある。一瞬ではあるが、ベーコンの味をよく吸ったジャガイモを「証拠品の押収」と称し、他の人間を押し分けて食べようとするシーンがある)。
- 基本的には人情に厚く良い人物。しかし、大石警部に女児が誕生した際には、「女の子で大失敗」と発言したりと人間性を問われる一面も。
- 中松歌子 (声優:斉木かおり。放送当時日本テレビアナウンサーだった)
- 中松の妻(旧姓水森)で、「アイスクリームハウスうたこ」店主。中松の居合い斬りの師、針沢朝雲の姪で、朝雲の妻が亡くなったあと、朝雲の身の回りの世話をするようになり、中松と知り合い結婚する。現在1子(剣吉朗)の母。ずっと会社勤めをしていたが、履物屋を経営していた父の死後、アイスクリームハウスに改装して営業。イタリアとフランスにアイスクリームの勉強に半年、後は独学で開業した。最高級素材を使ったアイスクリームには人気があり、その後店舗も新築している。とても気が強い女性で、普段江戸っ子口調で威勢のいい中松警部も、歌子には頭が上がらない。
- 大石警部
- 中松警部の友人。新宿南警察署勤務。単行本第20巻にて初登場したが、次の登場時には何故か顔が別人のようになっていた。当初は無骨な男だったが、歌子の店で働く加野みさ子と結婚したことで穏やかな性格に。競馬新聞で編集業に勤しむ姉がいる。猫が大嫌いだったが、後に克服。中松警部と同じく、名前は不明である。味覚音痴で、バターとジャムを入れた治部煮などゲテモノと言われても仕方がないものを平気で調理して食べていたが、今は山岡夫妻の矯正で普通に料理が作れるようになった。
- 大石みさ子
- 大石警部の妻(旧姓加野)。5年前にファッションデザイナーを目指して東京へ出たまま帰ってこない婚約者を探しに上京してきたが、この元婚約者が既に結婚して子供までいたことを知り、素直に引き下がったが田舎には戻れず、そのまま中松歌子の店に喫茶部担当として勤めることとなる。その時知り合った大石警部と結婚し、今は一女(ともえ)の母。猫が好きで独身時代から大家の許可を得てマンションで3匹も猫を飼っていた。結婚してからも猫嫌いの大石と色々あったが2匹飼っている。中松警部同様、大石警部も妻のみさ子には頭が上がらない。
[編集] 中華街関係
- 周 懐徳(周大人) (声優:小林修)
- 「横浜華僑協会」会長兼「広東同郷協会」会長。祖父の代から続く華僑の貿易商で大富豪、横浜中華街の指導者的人物。優れた料理人でもある。周富徳がモデルとされる。周懐徳が親しい料理人を叱るという設定で、タレント化した料理人(暗に周富徳のこと)を批判したことがあった。妻は宗芳蘭。一人娘は周香玉。中国の副主席とは幼馴染で、隣近所に住んでいた。
- 大女優北原幸代の熱烈なファンであり、妻の宗芳蘭にファンだという事を内緒にして自宅にて北原幸代の接待をしたエピソードもある(第10巻 「乾物の滋味」参照)。
- 彼の屋敷のついたてにはめぞん一刻、高橋留美子などと書かれている。
- 王 士秀 (声優:二又一成)
- 元々周大人のお抱えのコックだったが、周大人の娘の周香玉と愛し合うようになり、駆け落ちする。初登場時は使用人根性のせいで気の弱い性格だったが、山岡士郎のおかげで克服して周懐徳と和解、「広東同郷協会」から一億五千万円の融資を受け、それも元手に蒲田のガード下の店舗から移転新築した「大王飯店」を繁盛させている。登場スパンが長く、登場のたびに激しく顔が変わる。
- 宗 芳蘭 (声優:坪井章子)
- 周懐徳の妻、娘の周香玉が当時お抱えコックだった王士秀との交際を周懐徳と共に猛反対、その日の夜に二人が駆け落ちして、反対したのを猛烈に後悔、反省し、その後夫に内緒で興信所等に依頼してようやく発見、山岡と栗田に和解をお願いして、周懐徳との和解に成功させる。
- 普段は温厚な性格なのだが、周懐徳が大女優北原幸代のファンだというのを内緒にして自宅にて接待したいと言った辺り、怒らせると流石にとても怖いらしい。
- 周 香玉 (声優:玉川紗己子)
- 王士秀の妻で周懐徳と宗芳蘭のひとり娘、はじめお抱えコックの王士秀と恋仲になったのを周懐徳と宗芳蘭に知られ、二度と付き合ってはならぬと言われたその日の夜に、地位も何もかも捨てて王士秀と駆け落ち、その後子供も一人産まれ、蒲田のガード下の店で王と夫婦共に働いていた。その後周懐徳と和解、広東同郷協会から融資を受けた資金で移転新築した「大王飯店」で王と共に働いている。
[編集] 美食倶楽部の関係者など
- 中川得夫 (声優:仲木隆司)
- 「美食倶楽部」の調理主任を任される料理人。海原雄山から最も信頼されている、右腕のような存在。公私に渡る付き人でもある。士郎のことも幼少から知っており、士郎は「中川」と呼び捨て。妻のチヨ共々、最も士郎と雄山の和解を心待ちにしており、様々な場面で中に立っている。超高級料亭の調理場を取り仕切る立場にもかかわらず、とても質素な木造長屋に住んでいる。
- 中川チヨ (声優:?)
- 中川得夫の妻。「美食倶楽部」で仲居を務めている。子供はいない。士郎の母親を尊敬しており、病弱な彼女に半ば代わって士郎を育てた乳母(というよりはもう一人の母のような存在)。士郎が産まれる前に子供を妊娠していたが、流産してしまい、母乳の出ない士郎の母親に代わって母乳を与えていた。士郎が家を飛び出した後も、亡き母の代理として彼のことを気に掛けており、何かと世話を焼いてきた。ゆう子のことも実の娘のように可愛がり、二人の子供の陽士や遊美に至っては実の孫のように溺愛している。また、雄山の妻が遺した料理やその思いを士郎とゆう子に伝える役割も担っている。海原家三美人(自称)の一人。初登場の際、士郎のペントハウスに買い物袋を持って歩く描写を見た限り、士郎が家を飛び出した後に、雄山や中川に内緒でペントハウスを紹介したふしがある。また元々心臓も弱く、入院していた時期もあったが、退院後日本酒の一升瓶をラッパ飲みしたり、すごい勢いで走り回ったり、豪快に笑ったりする等と、設定を無視した行動もちらほらとある。
- マチ
- 本名は不明で、通称・おマチ婆っちゃん。かつては美食倶楽部で働いていた為、幼少時の士郎をよく知っている。栗田たま代の症状を回復させるきっかけとなった自然養鶏の鶏肉は、彼女が育てた鶏のもの。この後も度々、彼女が手がけた有機農法の野菜などが士郎の料理の食材となり、彼と絡む人々の問題解決の道具となる。
- 進藤
- 美食倶楽部でも中川と並ぶ程の腕をもつ料理人として雄山の信頼も厚かったが、人を疑うことを知らない性格である為、出見崎社長の口車に乗って、トウキョウ・シティ・タワーの「美食極楽」の料理長を引き受けてしまう。この時腕のたつ弟子を5人引き抜いた事で、美食倶楽部は人手不足で一時危機に瀕することになる。後にもうけ主義の出見崎の経営方針に愛想をつかし、弟子5人を巻き込んだ事を後悔し、雄山に頭を下げ、美食倶楽部に戻った。
- 宮井
- 岡星良三の弟弟子で海原雄山を崇拝している。「美食倶楽部」に入ってすぐ調理場の材料整理と掃除の担当を任されたが、ウニに食べられた穴あきの昆布が見つかったのを雄山にゴキブリに食われたと勘違いされて追い出されたが、すぐに誤解がとけて美食倶楽部に戻った。ほうじ茶を煎れるのが上手く、雄山からほうじ茶担当に任命された。
- 鈴子 (声優:川村万梨阿)
- 苗字不明。伊豆の旅館の一人娘で、勉強のために「美食倶楽部」で仲居として働いている。美食倶楽部料理人で婚約者の古崎への失恋に苦しんで自殺を図り一命を取りとめたが、ショックで拒食症になった時に(士郎の助言を得た)岡星良三に救われ、お互い一人前になったら店を持って一緒になろうと将来を誓い合う仲になった。
[編集] 近城・二木家
- 二木(近城)まり子 (声優:島津冴子)
- 日本屈指の財閥・二木家の令嬢で、かつては東西グラフの「世界味めぐり」初代担当者だった。東西新聞社時代は士郎に興味を持ち、大胆なアプローチで彼に迫っては、いつもゆう子を困惑させていた。近城と協力して士郎との結婚を目指すが実現せず、その過程で次第に惹かれ始めていた近城と結婚、妊娠を機に東西新聞を退社した。二木家のモデルは三井家と思われる(三井グループの正式名は二木会)。ソルボンヌ大学卒。近城と同じく、士郎とゆう子の間に双子ができる直前あたりから出番も激減した。今では二児の母親。外見のモデルはホクロの位置が同じ(顎の右側)である南野陽子と思われる。
- 近城 勇 (声優:難波圭一)
- 新進フリーカメラマン。近城フォトスタジオ主宰。千葉県銚子市出身で早くに父を亡くし、貧しい少年時代を送ってきた。東西グラフの「世界味めぐり」の仕事の依頼(2代目カメラ担当)をきっかけに、士郎とゆう子の両名と知り合う。挑戦精神をモットーとし、最初は食べ物の写真を撮る事に否定的であったが、ゆう子の説得と彼女自身に惹かれたこともあり、「世界味めぐり」の写真に挑戦し始める。
- 当初はストイックな人物だったが、途中から人格が豹変。二木まり子と協力し、積極的にゆう子へアプローチを掛けるが、既に士郎に惹かれていた彼女にその想いが実ることは無く、最終的にはその過程で惹かれ合っていたまり子と結婚、長女の幸子を授かった。好物はカジキ。士郎のことを「山岡の旦那」と呼ぶ。士郎とゆう子の結婚、自らとまり子の結婚に伴い四角関係が解消される。結婚直後はまり子同様ちょくちょく顔を出していたが、士郎とゆう子の間に双子ができる直前あたりから「世界味めぐり」担当も女性カメラマンの滝川に交代、仕事のため一家で海外に長期滞在するなど出番も激減した。
- 二木会長 (声優:勝田久)
- まり子の祖父であり、二都銀行会長である(名前は未だに不明、ただしドラマ版3話では唐山陶人より「とくのすけ」と言う名前を聞いているが、原作では未だに名前が明かされていない為、確信とは言えない)。
- 最初は孫娘のまり子が気に入った山岡を軽く見ていたが、料亭の仲居が唐山陶人の器を壊してしまった一件で山岡の内なる人間性に惚れこみ、まり子の婿にしようと色々画策したが、結局まり子の惚れた近城勇との結婚を許した。二都グループは赤坂と虎ノ門の間の絶好地に「二都ツイン・タワー」なる巨大ビルを建てている。仕事と私生活を割り切り、一族よりも人間的に有能な人材を大事にし、専務取締役の銀高とまり子がひと騒動を起こした時も、銀高の意見を尊重し、まり子の事など二木家から追い出すよと即答で言い切った程である(54巻「日本酒の実力」参照)。
- ちなみに二都銀行は現在東西新聞の安定株主であり、団社長の大研社のメインバンクでもある。ドラマ版では京極万太郎の企業とも取引をしている。因みに団とまり子をお見合いさせた事もある(結果的にまり子の方からフッてしまっている)。
- 二木 崇
- まり子の父であり二都銀行の頭取だが、温厚な性格のせいか今ひとつ影が薄いが頭取としての才能はあるようだ。美食倶楽部のメンバーでもある。二木会長同様一族よりも人間的に優れる人材を大事にし、専務取締役の銀高とまり子がひと騒動を起こした時も、銀高を失う事自体二都銀行全体をはじめ、数百の関連会社全体の不幸になると銀高の意見を尊重し、娘のまり子の事など縁を切ったら切ったでそれは二木家だけの不幸で済むから別にかまわないと即答した程である(54巻「日本酒の実力」参照)。 尚、メディア王コドラムから東西新聞社株式30%を譲り受けて東西新聞の安定株主となった時、二都銀行代表として記者会見に出席した。
- 二木(片森)輝子
- 二木まり子の母の妹。ものすごい美人で、我が強く、周りを振り回す性格(山岡は「自分中心天動説」と名づけた)。山岡を気に入り翻弄した。片森と結婚し、一女の母に。出番はそれほど多くない。
- 片森 (声優:田中秀幸)
- 近城まり子の叔母、輝子の夫で義理の伯父。小説家。長女は邦子。
[編集] 大研社関連
- 団 一郎
- 単行本29巻で電撃的に登場した、若くハンサムなIT関連企業社長。究極VS至高の対戦を掲載する雑誌「週刊タイム」の出版社「大研社」を買収し、士郎やゆう子と深く関わることに。不遇な少年時代を送ってきたが、大学在学中にコンピューター事業に乗り出し、巨万の富を築く。経歴から孫正義をモデルにしていると思われる。コンピュータのOSを製作して若くして莫大な財産を築いたという描写は劇中サクセスストーリーとして引用のあったビル・ゲイツのそれとも符合する。
- 当初は野心的な青年実業家として描かれていたが、やがてその面は弱まり、山岡が妹の問題を解決したあとは、公私共に親しい友人となった。ゆう子に惹かれ近城(山岡は結婚に興味なし)と争奪戦を繰り広げるが実らず、山岡夫婦と共に仕事で訪れたオーストラリアで出逢ったジュディと結婚。以後「議論が絶えない夫婦」となる。その後一子(一郎太)を儲けるが、現在も周囲の心配を余所に本人達は議論を楽しんでいる。妹が一人いるが偶然ゆう子という名前だった。
- 団ジュディ
- 団一郎の妻でオーストラリア人。旧姓はジュディ・クリスティ。オーストラリアのガイドの社員として、究極のメニューの案内をしたときに団と知り合った(59巻「対決再開! オーストラリア」参照)。日本には高校の交換留学生として四国に一年滞在した他、4年間仕事していたこともある為、日本語は非常に堪能。かなりの議論好きの女性で、団一郎と事あるごとに互角に議論している内にお互い惹かれあい、妊娠を機についに結婚した(出来ちゃった結婚)。子供は息子の一郎太がいて、現在2人目を妊娠している。
- 団ゆう子
- 団一郎の妹。養子に引き取られたがその後義理の夫妻が不仲になり、一時やくざの世界に足を踏み入れた事もあったが、一郎が活躍している事を知り一念発起し工場で働いていた。
- 三河元良
- 「週刊タイム」の編集長。「究極のメニュー対至高のメニュー」の話を聞きつけ、両メニューの誌上対決を取り上げた張本人。思いついた事は即実行に移す叩き上げの実行主義者。週刊タイムが大研社の団社長に買収されたあとも、アナログとデジタルの考えの違い等で若干の確執はあったが編集長に留任している。
- 南
- 「週刊タイム」副編集長、(名前未だに不明)。
- 編集長三河を尊敬しており、三河と団社長の間にひと騒動が起きて、三河が辞職して代わりに編集長になろうとした時も、三河に何とかして戻ってきてはくれないかと心配していた程である。
[編集] 尾沢家
- 尾沢季子
- はるの連れ子。米国留学経験あり。尾沢とはるの再婚に当初は反対していたが、後に容認。極亜テレビに入社後、情報番組のキャスターに抜擢されるが、金上鋭の陰謀によるものだと分かり退社、韓国人の安明福と結婚する。
- 尾沢平助
- 結婚した士郎とゆう子の新居の大家。月島周辺に多くの不動産を持っている。幼馴染の春野はると再婚。義理の娘・季子の結婚問題に際して韓国人に対する偏見を顕にするが、士郎によってその過ちに気付き季子達の結婚を認める。結果、士郎を男として認め、自分のアパートの一室を彼らの新居として提供した。士郎とゆう子の良き相談相手の一人。
- 尾沢(春野)はる
- 結婚した士郎とゆう子が住む月島のアパートの1階で、小料理屋「はる」を営んでいる店主。結婚して大阪に渡り娘の季子を授かるも、夫と死別して故郷に帰り、料理店を開業。和食を中心に、ジャンルに囚われないお惣菜料理を作る。この点がプロデューサーの目に止まり、東西新聞系の東西テレビで料理番組「はるさんの台所」に出演、アパートの大家の尾沢平助と再婚した。士郎とゆう子の良き相談相手の一人。
- しかし岡星精一同様、気分障害のひとつである「うつ病」になってしまったが、山岡の機転により、完治した。
- 安明福
- 韓国人で尾沢季子の夫。季子がアメリカに留学している時に知り合った。 はじめは韓国人に偏見を持っていた尾沢平助と多少のわだかまりがあったが、山岡と栗田のおかげで和解した。近所の尾沢の所有するアパートに夫婦で住んでいる。真面目で礼儀正しい性格。
[編集] 滝本家
- 滝本たか子
- トラック運転手。夫に先立たれる。夫は秋田県出身。後に栗田誠と恋仲になる。
- 滝本しずか
- たか子の長女。利発な小学六年生。百人一首が得意。いわゆる「完璧主義者」で、百人一首大会で優勝した時にもらったトロフィーを破損させた時に、かなり後を引っ張っていた。
[編集] 極亜テレビ
モデルとして考えられるのは保守・国家寄りという事やバラエティ重視という事から雁屋哲がフジテレビや産経新聞を過剰に悪く書いたと解釈される。
- 金上 鋭
- 極亜テレビ社長。名前は「えい」と読むらしい(「金が見栄」が由来?)。記憶力と味覚は優れているが自己中心的で私利私欲の凝り固まった性格であり、目的の為なら犯罪行為(詐欺、偽装、営業妨害等)をも平然と行い、今までに他人を利用するだけ利用して富と名誉を欲しいままにしてきた。雄山に大衆の面前で料理対決をしかけつつも敗北し、しかも自分の弱点(一言で言うなら「自信が無く」「権威」にとても弱い)を指摘された事を逆恨みし、東西新聞社の主な株主を脅して株式の大部分を所有する等の卑劣な手段を用いて東西新聞を乗っ取ったり(現実には、複数の報道機関の株式を一定以上保有することは、マスメディア集中排除原則で不可能である)、雄山(と士郎)の社会的生命を絶とうと何度も狡猾に動き回るも、共闘した親子二人の力によってことごとく失敗、ついにはメディア王トレパー・コドラム(名は実在のメディア王ルパート・マードックの英字綴りを逆さから読んだものと思われる)を巻き込んだ攻撃を仕掛けるも、逆に騙された事に気付いたコドラム氏を怒らせ失敗。皮肉にもこれがきっかけで今までに被害にあった人達が協力して(東西新聞・東西テレビ・帝都新聞・大研社を主体にした国内メディアのほとんどによる、日本メディア界の威信と未来を賭けての大々的な)追放運動を起こし、最終的には周りの人達にも見放され、社会的地位もほとんどなくなり失脚する。
- 本作品中最大の悪人で韓国人に対して差別感情を持っている。対談・「四人で話しましょう」によると元々、金上は士郎と雄山の共通の敵として、彼を倒すために共闘することで和解への道が開かれるという展開が考えられていたようだが、数巻に渡って戦いは続き共闘もしたものの、親子和解に至るほどの効果はなく士郎たちが和解する前に勝手に失脚した格好。
- ちなみに東西新聞の株式30%の行方だが、コドラムを利用しようとコドラム氏にその全ての株を譲り渡し協力して乗っ取りを画策したが、犯罪行為が露呈し金上はメディア界から永久追放、その後雄山とコドラムが美食倶楽部内の茶室での会見の後和解し(会見の上で、多少傲慢な性格なコドラム氏も、人格的にも海原雄山の足元にも及ばないと自ら敗北を認め、士郎に「素晴らしい父親」と褒め称えている)、謝罪の上株式は二都銀行に譲渡されている。
- 極亜テレビ自体も、コドラム氏の一件以来放送免許の取り消しはかろうじて免れたものの、金上の国際メディア界の永久追放及び社長職失脚や、局内の内部改革など色々あったらしく、その後はまともな番組を制作するテレビ局となった模様。
- 金上金作
- 金上鋭の父親であり極亜テレビ会長、「大桜新聞」「Peep」等の低劣な記事ばかりの新聞や雑誌を発行し社会的地位と利益を上げ、ついには極亜テレビを乗っ取り、息子の鋭を社長職に就かせた。本作品無登場、最後まで「謎の人物」のままで終わった。
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