職業教育
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職業教育(しょくぎょうきょういく)とは、職業人を育成するための知識・技能・態度を習得させるための教育のことをいう。
明治初年には、職業教育という語の変わりに「実業教育」や「技芸教育」の語が用いられたが、1899年(明治32年)の「実業学校令」の公布以降、「実業教育」に統一された。戦前の職業の概念は、生計費を獲得するための一切の業務従事をさす語で、実業教育は国家社会の存続発展に不可欠な一部分を指していた。従って、「職業教育]の語の変わりに「実業教育」といったのは、公共的立場における一定の選別を意味していた。
第2次大戦後、アメリカ教育使節団報告書が翻訳されたときに、vocational educationを職業教育と訳したため、一時は「職業教育」の語が普及したが、1951年(昭和26年)産業教育振興法が成立すると、産業教育の語にとって代わられた。しかし、昭和50年ごろから第3次産業(特にサービス業)の拡大により、「職業教育」の語が一般的に使われるようになった。