裁定取引
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裁定取引(さいていとりひき、英語:arbitrage position)とは、金利差や価格差を利用して売買し利鞘を稼ぐ取引のこと。
[編集] 概要
古くは、商業取引に端を発する。ある場所ではありふれていて安い商品が、ある場所ではきわめて貴重で高値で取引されていたとする。安いところで買い、高いところに持っていって売るというだけで、利益を得ることができる。
金融取引が活性化してくると、金融の世界でも同じような取引が生まれた。金利の低いところで金を借り、金利の高いところで貸し出せば、元手が少なくても多額の利益を手にすることが出来る(参考:レバレッジ。)
このような取引が行われる結果、価格(金利)の低いところは需要増大で価格(金利)が上がり、価格(金利)の高いところは供給増大で価格(金利)が下がる。次第に価格差や金利差は収斂していく。特に価格が収斂していくことを法則として、一物一価の法則という。
裁定取引の対象となるまでは、別の市場として別の価格がついていても、対象となれば収斂するので、裁定取引には市場の接続、あるいは拡張の効果があることになる。こうすることで、より必要なところへ必要なものが供給され経済の資源配分が効率的になる。