豊郷町立豊郷小学校
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豊郷町立豊郷小学校(とよさとちょうりつとよさとしょうがっこう)は、滋賀県犬上郡豊郷町にある小学校である。
学校の歴史は1873年に成文学校をはじめとした四十九院村等の7つの村の連合で3つの小学校が設立し、その後は1889年にそれを1つにまとめ、「尋常科至熟小学校」に。更に1892年には「豊郷尋常小学校」、1908年には「豊郷尋常高等小学校」となる。
1937年、丸紅の前身となる「伊藤忠兵衛商店」専務の古川鉄次郎が、アメリカ人ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の校舎と講堂を建設・寄贈。これが今日まで豊郷小学校(1947年に学校教育法の施行で現校名)のシンボルとして使われるようになった。
しかし、1999年に大野和三郎が豊郷町長に就任すると、大野はその校舎と講堂を施設の老朽化と耐震性を理由として解体し、その上で新校舎の建設を目指す方針を打ち出した。町議会もそれを賛成多数で承認したが、地元町民から歴史のある校舎を取り壊すことに反対する意見が殺到した。2001年に「豊郷町の歴史と未来を考える会」が設立され、講堂を残すように大津地方裁判所に提訴。一旦仮処分申請は承認されたが、地裁の判断を不服として高等裁判所に控訴する。しかし豊郷町は講堂の解体を撤回した。
だが、校舎に関しては解体の方法を変更せず、2002年、再び大津地裁に「校舎解体差し止めを求める仮処分申請」を提出し、承認するが、大野町長は町民の意向を無視して強行的に解体工事を開始した。町民は校舎に立てこもり工事の差し止めを要求し、町長も工事中止を発表する。この後大野町長は一旦リコールによる失職をし、2003年の統一地方選挙として行われた町長選挙に立候補をした。一方「歴史と未来を考える会」の側からも立候補者を擁立して選挙戦が展開されたが、大野が返り咲く形となった。