飛鳥部勝則
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飛鳥部 勝則 (あすかべ かつのり、1964年10月18日 - )は日本の小説家。新潟県出身。新潟大学大学院教育学研究科修了。
1998年、第9回鮎川哲也賞受賞作『殉教カテリナ車輪』でデビュー。
[編集] 書籍
- 殉教カテリナ車輪
- バベル消滅
- N・Aの扉
- 砂漠の薔薇
- 冬のスフィンクス
- ヴェロニカの鍵
- バラバの方を
- ラミア虐殺
- レオナルドの沈黙
- 誰のための綾織
- 鏡陥穽
[編集] 『誰のための綾織』絶版事件
2006年1月21日に刊行の別冊宝島に掲載されたインタビュー『出版社の安易な絶版・回収は自由な表現を萎縮させるだけだ!! 』において、弁護士の山口貴士は、この事件での原書房の対応の不当性を述べている。山口はまず、「検証サイトが比較していた箇所については著作権侵害じゃないですね」とし、類似表現については「僕の印象では、飛鳥部さんの表現にまで昇華していると思いました」と述べた上で、「表現の自由の一翼を担う出版社として、著作権侵害があれば回収措置を取ることは当然なんですが、でも著作権侵害がないならば、違うとはっきりいうのが、僕は筋だと思うんです」として絶版回収処分に異議を呈し、「問題は原書房の対応にあります」という見解を提示している。(『「盗作・パクリ」スキャンダル読本』宝島社)
上記の本でこの問題を記した、栗原裕一郎は間違いをおかしている。検証サイトが立ち上がり、それが2chで話題になったという経過になっているが、それは事件を伝えた新聞記事をそのまま鵜呑みにしたと思われる。しかし2chログを読めばすぐ判ることだが、実際は「ブログで類似に気付いた人が報告→2chで話題→検証サイト」である。
2005年11月8日、飛鳥部が、著作『誰のための綾織』(2005年5月刊行)において、三原順の「はみだしっ子」シリーズの盗作であることを認めた形跡はないが、作品は絶版・回収となった。類似といっても、プロットやストーリーではなく、作中作での登場人物たちの会話・セリフなどがほとんどそのまま引き写された感じであり、新しいものを何一つ生み出していない点で小学生が読書感想文の宿題で巻末解説をそのまま引き写したような稚拙さである。
2005年10月31日、発売元の原書房より「類似表現を確認した」と告知、以後出荷停止。その前日に公式サイトから「こちらは、ミステリー作家 飛鳥部勝則の公式ウェブサイトです。」の文が削除され、現在は告知文のみしか存在しない。
2006年4月現在、本人からの声明は『「誰のための綾織」(原書房)絶版に関しまして』と題し
『 上記の件に関しまして、抗議の矢面に立たれました出版社様、ご気分を害されたであろう著作権者様ならびに三原順先生のご遺族と愛読者様、少数の熱心な拙著読者様など、あるいは関係者様も含め、すべての皆様のご心情をご推察し、この場にて、状況を混乱させたことに対するお詫びを掲載致しました。その心情に嘘偽りはございませんが、物書きとして、どうしても、自己の作品をこのような形で絶版にされることについては腑に落ちない点があり、また、当方も事態が急展開する中、著作権法に関する充分な理解もなく、場当たり的な対応をして来たことも事実です。そこで、このたび専門家と相談の上、今回の問題に対する対処を考えることになりました。今後改めて、この場にて、この件に関しご報告をさせて頂きます。 飛鳥部勝則』 を表するに留まっている。