高橋哲哉
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高橋哲哉(たかはし てつや、1956年(昭和31年)3月28日 - )は、日本の哲学者。福島県出身。
福島県立福島高等学校、東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。南山大学講師、東京大学大学院総合文化研究科助教授を経て、2006年(平成18年)現在、同教授。専攻は哲学。
フランスの思想家ジャック・デリダの研究者として、デリダの紹介や解説などを積極的に行っていている。同時に表象文化論のコンテクストから戦争やジェノサイド(ホロコーストなど)に関する歴史・記憶・責任等に関する表象と言説を研究対象ともしている。近年では政治的な軸足を置いた知識人との対話や講演、執筆、市民活動にも力をいれている。
歴史修正主義や歴史認識論争、戦後責任論における論者の一人である。1990年代半ばに加藤典洋「敗戦後論」を痛烈に批判し、論争を繰り広げて論壇においても有名になった。以降、自由主義史観研究会などへの批判を展開している。中国や北朝鮮による日本の保守的歴史観に対する批判にも「歴史修正主義への批判」として賛意を示している。朝鮮総連の機関紙である朝鮮新報にもしばしば、投稿やインタビューに応じている。高橋自身によると、学生時代はノンポリであり、実際に1990年代前半までは、政治的な活動はほとんど目立つものではなかった。
著書『靖国問題』は20万部を越すベストセラーになり、その内容を巡って論争が起きている。
辻元清美らが主宰するピースボートの水先案内人。2004年(平成16年)、NPO「前夜」を立ち上げ、雑誌『前夜』を創刊。
コリアNGOセンター専門委員。
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[編集] 著作
[編集] 単著
- 『逆光のロゴス――現代哲学のコンテクスト』(未來社, 1992年)
- 『記憶のエチカ――戦争・哲学・アウシュビッツ』(岩波書店, 1995年)
- 『デリダ――脱構築』(講談社, 1998年)
- 『戦後責任論』(講談社, 1999年/講談社学術文庫, 2005年)
- 『歴史/修正主義』(岩波書店, 2001年)
- 『「心」と戦争』(晶文社, 2003年)
- 『証言のポリティクス』(未來社, 2004年)
- 『「物語」の廃墟から――高橋哲哉対話・時評集:1995-2004』(影書房, 2004年)
- 『反・哲学入門』(白沢社, 2004年)
- 『教育と国家』(講談社[講談社現代新書], 2004年)
- 『靖国問題』(筑摩書房[ちくま新書], 2005年)
- 『国家と犠牲』(日本放送出版協会[NHKブックス], 2005年)
[編集] 共著
- (菅野盾樹・種山恭子・阿部泰郎・大庭健・山口節郎)『現代哲学の冒険(3)差別』(岩波書店, 1990年)
- (徐京植)『断絶の世紀証言の時代――戦争の記憶をめぐる対話』(岩波書店, 2000年)
- (金子勝・山口二郎)『グローバリゼーションと戦争責任』(岩波書店, 2001年)
- (辺見庸)『新私たちはどのような時代に生きているのか――1999から2003へ』(岩波書店, 2002年)
- (姜尚中・齋藤純一・杉田敦)『思考をひらく――分断される世界のなかで』(岩波書店, 2002年)
- (斎藤貴男)『平和と平等をあきらめない』(晶文社, 2004年)
[編集] 編著
- 『「歴史認識」論争』(作品社, 2002年)
[編集] 共編著
- (小森陽一)『ナショナル・ヒストリーを超えて』(東京大学出版会, 1998年)
- (大内裕和・三宅晶子・小森陽一)『教育基本法「改正」に抗して――緊急報告・全国各地からの声』(岩波書店, 2004年)
- (斎藤貴男)『憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本』(日本評論社, 2006年)
- (北川東子・中島隆博)『法と暴力の記憶――東アジアの歴史経験』(東京大学出版会, 2007年)
[編集] 訳書
- ヘンリー・ステーテン 『ウィトゲンシュタインとデリダ』(産業図書, 1987年)
- アラン・ジュランヴィル『ラカンと哲学』(産業図書, 1991年)
- ロニー・ブローマン, エイアル・シヴァン『不服従を讃えて――「スペシャリスト」アイヒマンと現代』(産業図書, 2000年)
- カトリーヌ・マラブー編『デリダと肯定の思考』(未來社, 2001年)
- ジャック・デリダ『有限責任会社』(法政大学出版局, 2002年)