ADRES
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
adresとは"Automatic Dynamic Range Expantion System"の略で、1976年に東京芝浦電気(現在の東芝)が開発したオーディオ用ノイズリダクションシステムの一つ。
1970年代はドルビー研究所が開発したドルビーBタイプが主流だったが、改善効果が約10dBと低かったため、ドルビーB方式に代わる方式を目指して、当時各社が競ってノイズリダクションシステムを開発・発売した。
adres方式の特徴は、音楽信号の圧縮・伸張率を全帯域1:1.5(デシベル換算)に抑える一方、入力信号のレベルに応じて高域可変エンファシスを組み合わせたことで、これにより単純圧縮伸張方式に付きものだったブリージング(息づき)ノイズを大幅に低減すると同時に、ドルビーB方式を大幅に上回るノイズリダクション効果(100Hz:17dB、1kHz:20dB、10kHz:30dB)を得た。
adresは国産ノイズリダクションシステムの中では最も普及し、adresユニットやadres内蔵カセットデッキ・ラジカセだけでなく、adresミュージックテープやadresディスク(レコード)もリリースするなど、ハード・ソフトの両面でadresを推進した。
しかし1980年にドルビーB方式の後継であるC方式が発表されると、ノイズリダクションシステムの主流はドルビー方式に回帰し、ドルビーB方式とC方式のいわゆるダブルドルビーが世界的な潮流となったため、東芝の方針転換と共にadres方式は消えていった。
[編集] その他のノイズリダクションシステム
- ドルビーノイズリダクションシステム
- dbx
- DNR
- DNL
- ハイコム
- ANRS
- スーパーANRS
- Burwen