BW-01ディクテイター
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BW-01ディクテイターは、特撮『ブルースワット』に登場する、架空の武器。
ブルースワットの制式自動拳銃。弾芯:人造ルビー 弾頭:チタンコーティング の特殊弾丸が銃中央にあるユニットを通過する際にエネルギーコーティングされ、強靭なエイリアンの体に致命傷を与えるハイパーブリットとして発射される。画面上及び玩具では弾頭が赤く、ルビーがそのまま弾頭に露出しているようにも見える。装弾数は10発(ロングマガジン使用時32発)で、セミ/フルオート発射の切り替えが可能ないわゆるマシンピストルである。シングルカラムマガジン仕様のためグリップはスリムであるがそのぶんロングマガジンが異様に長い。また、第11話にてサラがベレッタM92Fにハイパーブリットを装填するシーンがあることより、ハイパーブリットのサイズが9mmx19(9mmパラベラム弾)であることがわかる。このことはサラの「同じ9mm弾だから、これであいつを…」との台詞からも確認できる。エネルギーコーティングの技術はエイリアンであるシグより提供されたものである。
[編集] 撮影に使用されたプロップ、及び玩具について
撮影に使用されたプロップは、発火用は作動性に定評のあったMGC製のモデルガン・ベレッタM9(M92Fの米軍用モデル)をベースに作られ、アップ用、遠景用及びドラムガンファイヤー状態のものはバンダイ製玩具「DX・電動ディクテイター01」をベースに作られた。それとは別にアクションシーン用のゴム製のものも作られている。製作はレインボー造形による。
それぞれの差異は画面上で意外と判別しやすいようである。アップ用を基本とすると
- 発火用はM92Fのディスアッセンブリレバーやマガジンキャッチがそのまま残っている。グリップの角度(傾き)が浅い。ダブルカラムマガジンのためグリップが太い。チャンバー部、スライド部の高さが低い。また発火プロップ用のロングマガジンは作られていない。
- ゴム製のものは金属質感が低い、エネルギーコーティング部の光沢がない。マガジンが入っていない。エッジが甘くゆがんで見える、など。
- また、アップ用は玩具をベースにしているとはいえフレーム後部の延長、スライド高を短縮、フロントサイト部に肉盛りなど細部にかなり手が入れられており、玩具では電池ボックスになっていたL.A.M.(Laser Aiming Module)が実際に発光する。またフレーム前部の幅が玩具よりもやや太い。ベースにするというよりはトリガーなどのパーツを流用した新造形であろう。
なお『ブルースワット』の後番組『重甲ビーファイター』のラスト2話で『ブルースワット』の主人公たちがゲスト登場して話題となったが、このとき使用されていたのは一貫して発火用プロップであった。
ちなみに発火用プロップは3丁製作されているが、本体との相性の問題によりマガジンの共用ができない。そのためグリップエンド及び対応するマガジンに1~3までの番号が彫りこまれていた。
玩具「DX・電動ディクテイター01」は、電池駆動でブローバックしカートを排莢するという「電動ブローバックモデルガン」というべきものである。トリガーを引くとリリースされたスライドがスプリングの力で後退する。このときエキストラクターにカートをくわえ込み、排莢する。後退したスライドはモーター駆動により閉鎖する。全弾排莢後はスライドが停止する(ホールド・オープン)。そのモデルガン然としたパッケージ、サイトやマガジンキャッチなどのレベルの高い作りこみ、7800円というキャラクタートイとしては高めの定価(モデルガンとして見れば安いほうではあるが)、そして7歳以上というこの手の玩具にあるまじき対象年齢の高さなど、この銃はトイガンファンの間では語り草となっている。2006年時点で電力をパワーソースとし排莢をアクションの特徴とするモデルガンは他に例がない。これは銃刀法や(モデルガンとしての)安全性などの面から考えても画期的であった。また、この玩具の開発においては、バンダイ社内でも物議をかもしたようで、「ディクテイターの件で開発スタッフが社長に怒られた」などの噂も存在する。
電動ディクテイターは一時回収された時期があった。理由としては「マガジンがフルプラスティックのため破損しやすかった」とも「ギア比の関係でスライド閉鎖のスピードが速すぎてジャム(弾詰まり)が多発した」とも言われている。初期型と改良型の外見上の違いはマガジンの一部が赤いかどうかで判別する事が出来る。なお、改良型でもパッケージ写真は初期型のまま。
電池ボックスとなっているL.A.M.部の先端には実は赤外線を発光するユニットが組み込まれており、トリガーに連動して実際に発光している(もちろん肉眼では確認できない)。シューティングターゲットなどの玩具企画の存在が推測されるが、結局このユニットを利用した関連玩具は発売されなかった(後期に発売されたドラムガンナーは銃口からの赤色光を受光して作動していた)。
ディクテイターの玩具についてはこの他にトリガーを引くと音と光が鳴る「ライト & サウンドディクテイター」、水鉄砲、安価なフックトイなどが存在する。
[編集] こぼれ話
- 第11話にてサラがベレッタ(ロス市警スワット時代の同僚・ジョンの形見)にシグのビームガンのユニットをセットして撃つシーンがある。この他にもベレッタ単体での射撃シーンが存在するが、マズル(銃口)がアップになるカットでマズルインサート(日本国内の樹脂製モデルガンのマズルには必ず挿入されていなければならない鋼鉄製の板)が丸見えになってしまっている。銃器ファンにとっては残念なシーン。また自爆を見せかけるためにサラがベレッタに装填していたカートリッジの先端をひねってパウダーを取り出すのだが、実際にはありえないシーンである(モデルガンのカートをそのまま使用したため。実際にはカート先端は弾丸をはさんでかしめられており、指先の力だけでは外せない)。
- 第34話にてショウたちがツーリング中のライダーを装って検問を突破し、その後ヘルメットの中やフェンダーの下からパーツやマガジンを取り出してディクテイターに組み上げるシーンがあるのだが、このとき前半分がベレッタで後半分がディクテイターになっている珍しい状態を見ることが出来る。発火用プロップをそのまま分解したためである。
- ディクテイターのプロップは後に『仮面ライダーアギト』に流用され、パワードスーツV-1の専用装備であるV-1ショットとなった。