Hierarchical File System
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
HFS | HFS+ | |
---|---|---|
開発者 | Apple Inc. | |
正式名 | Hierarchical File System | Hierarchical File System Plus |
導入 | 1985年9月17日 (System 2.1) |
1998年1月19日 (Mac OS 8.1) |
パーティション識別子 | Apple_HFS(Apple Partition Map) 0xAF(MBR) |
Apple_HFS(Apple Partition Map) 0xAF(MBR) Apple_HFSX(Apple Partition Map) 48465300-0000-11AA- AA11-00306543ECAC(GPT) |
構造 | ||
ディレクトリ | B*-木 | |
ファイル配分 | B*-木 | |
不良ブロック | B*-木 | |
限度 | ||
最大ファイルサイズ | 2GiB | 16EiB |
最大ファイル数 | 65535 | 無制限 |
最大ファイル名長さ | 31文字 | 255文字 |
最大ボリュームサイズ | 2TiB | 16EiB |
ファイル名の使用許可文字 | :と非表示文字以外の8ビット文字 | NULを含むユニコード文字(互換性のため、OSレベルでの制限をする場合がある) |
機能 | ||
データレコード | 作成, 修正, バックアップ |
作成, 修正, バックアップ, アクセス, 変更 |
日付範囲 | 1904年1月1日 - 2040年2月6日 | |
フォーク | 2のみ (データとリソース) |
はい |
属性 | Color, locked, custom icon, bundle, invisible, alias, system, stationery, inited, no INIT resources, shared, desktop | |
ファイルパーミッション | AppleShare | Unixパーミッション, ACL ("Tiger"から) |
透過的圧縮 | サードパーティ製品を利用 | なし |
透過的暗号化 | なし | ホームディレクトリ毎, AES .dmg ボリューム(Mac OS X v10.3以降のFileVault) |
サポートOS | Mac OS Mac OS X |
Mac OS 8 Mac OS 9 Mac OS X GNU/Linux |
HFS(Hierarchical File System)とは、Mac OSにおけるファイルシステムのひとつである。日本ではしばしば「Mac OS標準フォーマット」ともいう。拡張版のHFS+がバージョン8.1以降のMac OSで使われ、「Mac OS拡張フォーマット」と呼ばれる。
HFSは主データ(データフォークと呼ばれる)の他にリソースフォークというメタ情報を持つことで知られている。また大文字と小文字の区別をしない。
HFSはファイルシステムの中では比較的新しい部類に入り、把握しやすいボリュームの扱いや、シンボリックリンク・ショートカットより先進的なエイリアス機構を備えるなど、設計上優れた部分も多い。
このファイルシステムで記録されたメディアは読み書きが可能なのはMac OS・Mac OS Xのみであり、Windowsなど他のOSでは追加ソフトウェアをインストールしない限り、読み出しさえ出来ない。
Mac OS Xでは、起動ディスクにHFSは利用出来ず、HFS+が利用出来る。
目次 |
[編集] HFSの歴史
HFSは初期Macで使用されていたMFS(Macintosh File System)の改良版で、1985年9月に発表され、Systemバージョン4より実装された。Hierarchicalとはファイルシステムレベルでのフォルダによる階層構造がサポートされたことに由来する。なおMFSはフラットなファイルシステムであり、フォルダはFinderレベルでエミュレートされていた。そのため、アプリケーションからはすべてのファイルが同一階層に見え、アプリケーションから扱うファイル数が増えるにつれ不便なものとなってきていた。
[編集] HFS+
現在のMacの標準ファイルシステムであるHFS+に移行したのは、ディスクの大容量化にともなって効率のよい構造が必要となったことが主な理由である。
HFSでは1パーティションあたり最大65,536個(16ビット)のブロックしか管理できない。例えば、1GBのパーティションであれば一つのブロックは約16KBの大きさになり、どんなに小さなデータであっても最低16KBを占有する。つまり、パーティションのサイズが大きくなるほどディスクの利用効率が落ちてしまう。
そこで、最大ブロック数を4,294,967,296個(32ビット)に拡大し、ディスクのサイズによらず効率の良い利用が可能な「HFS+(Mac OS 拡張フォーマット)」がMac OS 8.1より導入された。ブロックサイズは最大でも4KB、またファイル名が最大31文字から255文字へと拡張され(Mac OS XのFinderで対応)、Unicodeを採用するなどの改良が施されている。
HFS+は本来Copland計画の副産物であり、上記の通りHFSとは構造の異なる新たなファイルシステムである。他にもデータフォークとリソースフォーク以外のフォークを扱えるように拡張され、将来の新たなフォークへの対応などが考慮されている。
現在のHFS+はさらに拡張が進められ、特に下位互換のない部分はHFSXと呼ばれている。主な特徴としては
- ジャーナリング機構の追加(10.2.3以降。10.3以降でデフォルトで活用される)
- ファイルにメタデータ部の追加(10.3以降。10.4以降デスクトップ検索機能"Spotlight"で利用される)
- 大文字小文字の区別(10.4以降。ディスクユーティリティで初期化する際に指定できる)
[編集] HFS+が扱えるボリュームとファイル数の上限
使用OS |
|
Mac OS 9.x | Mac OS X 10.0, 10.1 | Mac OS X 10.2 |
|
最大ボリューム数 |
|
|
|||
最大ボリュームサイズ |
|
8TB |
|
||
最大ファイルサイズ |
|
2 テラバイト (2TB) | 8TB |
|
|
最大データフォークサイズ |
|
2 テラバイト (2TB) | 8TB | 16TB | |
最大リソースフォークサイズ |
|
||||
最大ファイル数 |
|
||||
1つのフォルダに収められるフォルダ/ファイルの最大数 |
|
|
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
詳細については、以下のアップルサイト内に情報がある
カテゴリ: OSのファイルシステム | Mac OS | Mac OS X | コンピュータ関連のスタブ項目