LPIC
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LPICとは、LPI(Linux Professional Institute)によって運営されているLinux技術者の技術者認定資格の名称。
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[編集] 概要
LPICとは、Linux技術者認定を中立公正な立場で行うための特定非営利活動法人(NPO)であるLPI(Linux Professional Institute)によって運営されているLinux技術者の技術者認定資格の名称。「Linux Professional Institute Certification」の略であり、公式には「エルピック」と発音する。
日本国内では、東京都内に事務局をおくLPI-Japanが運営事務を行っている。LPI-Japanは、IBM、SGI、NEC、日立、富士通、リナックスアカデミーなどのスポンサーの支援によって運営されている。試験の実施に関する業務以外にも、教育機関の支援を行うアカデミック認定校制度、SI企業などの支援を行うビジネスパートナー制度の運用も行っている。
LPICの特徴として、ベンダー・メーカーに依存しない「中立」な資格であること、「世界規模」で実施されており、「世界最大」のLinux技術者認定資格であることを挙げている。実際、2007年2月までに日本国内で70,000人以上が受験している。
LPICの試験は、世界各国からのボランティアによる業務内容分析(JTA)や出題問題の提供によって支えられており、最終的にはLPI本部のスタッフによる出題、サイコメトリック(計量心理学)を活用した統計処理によって作成されている。技術的な見地に加えて統計処理がされているため、1試験における同一内容を出題するなどの傾向も見られる。
[編集] 資格の種類
LPICはレベル1~レベル3までの3段階の認定が提供されている。各認定に対応する試験は、英語もしくは日本語で受験できる。
[編集] レベル1
Linuxの基本操作、システム管理の基本を中心として、Linuxディストリビューションを利用するために必要な知識を幅広く問う資格。101試験と102試験の両方に合格すると認定される。LPIC-1と表記されることもある。
[編集] レベル2
Linuxの応用的なシステム管理やサーバ構築ができるために必要な知識を問う資格。レベル1に認定されており、201試験と202試験の両方に合格されると認定される。LPIC-2と表記されることもある。
[編集] レベル3
2007年1月29日より試験および認定が開始された。レベル3の認定は、2種類存在しており、基本認定である「LPIC-3 Core」と専門認定である「LPIC-3 Specialty」によって構成される。
LPIC-3 Coreは「Core試験」(試験コード:301)に合格することで認定される。出題は、OpenLDAPを中心とするLDAPによるデータ管理および認証統合、vmstatコマンドなどを中心とするLinuxシステムの性能評価およびキャパシティプランニングとなっている。LPIC-3 Coreとして認定されるには、LPIC-1およびLPIC-2、LPIC-3 Core試験に合格している必要がある。
LPIC-3 Specialtyは、専門分野ごとに試験が提供されることになっているが、2007年2月現在では、「LPI-302 Mixed Environment」のみが提供されている。LPI-302 Mixed Environmentでは、Sambaを中心としたファイルサーバ・ドメインコントローラ構築に関する技術的な内容が問われる。LPIC-3 Specialtyとして認定されるには、各Specialty試験に加えて、LPIC-1およびLPIC-2、LPIC-3 Core試験に合格している必要がある。
[編集] 受験方法
試験は、コンピュータベース(CBT)で提供されており、随時指定のテストセンターで受験することができる。現在、LPICの試験を受験できるのは「アール・プロメトリック」「NTTデータ テスティングサービス」「VUE(バーチャルユニバーシティー・エンタプライズ)」のテストセンターとなっている。
[編集] 沿革
- 2000年 7月 - 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan) 設立
- 2001年 1月 - LPIC-2の認定・試験を開始
- 2003年 5月 - アカデミック認定校制度を開始
- 2005年11月 - LPIC-Japan、サン、日本オラクルが共同でITエンジニア育成支援プログラム「トリプル・クラウン」を開始
- 2006年 2月 - NTTデータがLPIC試験の配信を開始
- 2007年 1月 - LPIC-3の認定・試験を開始
- 2007年 2月 - ビジネスパートナー制度を発表・開始