いろは順
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いろは順(いろはじゅん)とは、日本語における仮名文字の並べ方の1つで、「いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす」の順番である。便宜的に最後に「ん」を加えることもある。
平仮名47文字全てをそれぞれ1回ずつ使って作られているいろは歌に基づいた順番である。
[編集] いろは順の使用例
- 江戸時代の町火消しは、隅田川の西側の町を47に区分けして「い組」「め組」などと名乗っていた。
- ただし、「へ」「ら」「ひ」については語感が別の意味を連想させる(ひ→火など)ため、また「ん」はいろは順に含まれないため、それぞれ「百組」「千組」「万組」「本組」とされた。
- 日本の平安時代・鎌倉時代の百科事典は現在の五十音順ではなく、いろは順で項目が並べられていた。『色波字類抄』『節用集』など。明治に入っても『和漢雅俗いろは辞典』(高橋五郎)などが出されている。法令全書も戦前までいろは順の索引を使用している。『言海』(大槻文彦)は五十音順だが、見返しにいろは順索引がついている。
- 日本の法令では、号の下位単位としてイ・ロ・ハを使用している。
- 千葉県には「イロハ・・・」と付く地名が存在している。
- 和文モールス符号では、「イ・ロ・ハ…」の順にそれぞれラテン文字「A, B, C...」の符号を、「ロ」などところどころに日本独自の符号を織り交ぜながら対応させ、「Z」に対応する「フ」より後の文字はすべて日本独自の符号を割り当てている(ただし、「I」のみ濁点に対応させており、この規則から外れている)