ちょろけん
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ちょろけんとは江戸時代後期に京阪地方を中心に流行した大道芸。
数人一組で割竹やささらを持って独特の仮装で町を練り歩き、ご祝儀をもらい歩いた。
[編集] 出で立ち
一座の中の一人は、人の頭を模した被り物と大きな黒塗りの笠を被る。張りぼては、頭から被ると腰の上まで隠れる大きな籠に紙を張って作ったもので、そこにこっけいな表情を書き入れた。割竹をもって面白おかしい身振りをする。
残りの者たちは、頬かぶりなどをしてささらや太鼓を持ち、張りぼての前後に立って賑やかな音を立てながら「ちょろが参じました」「ちょろが参じました」と家々の戸口ごとに唱えてご祝儀をねだった。
滑稽なだけの他愛のない芸だったため、専門の芸人の職掌ではなく多くは小遣い目当ての若者が余興半分に演じていた。そのせいもあってか、子供や若い女性に遭遇すると、面白半分に脅かしたりからかうことがたびたびあったと言う。
[編集] 余談
2006年現在ではほぼ死語であるが、国語辞典広辞苑にはちょろけんの項目が図入りで掲載されており、他の項目を調べる際にその異様なイラストをたまたま見つけた者の間で話題になることがある。
朝日放送の番組『探偵!ナイトスクープ』で「ちょろけんを実際に見たい」という依頼が来て、トミーズ雅探偵が広辞苑のイラストを元に作ったちょろけんの仮装でちょろけんについて調査をしたこともあった。