みどりのマキバオー
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みどりのマキバオーは、つの丸の競馬漫画。および、それを基に製作されたテレビアニメ。
「週刊少年ジャンプ」1994年50号から1997年18号にかけて第一部(有馬記念まで)が、同年24号から1998年9号にかけて第二部(海外遠征編)が連載。なお、物語の終盤に連載が打ち切られたため、完結編については赤マルジャンプ1998年SPRINGに掲載された。
第42回(平成8年度)小学館漫画賞受賞。
「週刊プレイボーイ」2006年40号(10月16日発売号)には、マキバオーとベアナックルがディープインパクトを観戦する漫画『んあっ!!マキバオーの「凱旋門賞」観戦記なのねっ!』が掲載された。 「週刊プレイボーイ」2007年15号(3月26日発売号)から続編「たいようのマキバオー」が連載開始。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
主人公であるミドリマキバオーが、北海道勇払郡鵡川町のみどり牧場に生まれるところから始まる。母のミドリコが堀江牧場(通称・ひげ牧場)に売られてしまったため、マキバオーは母親に会うべく、生まれどころのみどり牧場から脱出。森の中で親分肌のねずみ、チュウ兵衛と出会うことによって、さまざまな困難を乗り切り、母親と会う。その後、カスケードらライバルとの競走によって、ミドリマキバオーは成長していくのである。
ちなみにみどりのマキバオーの世界では人間と動物が普通に話し合える世界となっている(ただし物語序盤ではそのような設定はなかった)。
[編集] 登場人物
[編集] 動物
- ここで性別表記がない馬はすべて牡馬(男馬)である。馬齢は連載当時の規定(当歳を1歳とする)のもの。
- ミドリマキバオー(うんこたれ蔵)(声優:犬山犬子)
- この漫画の主人公。1993年4月4日生まれ。父タマーキン、母ミドリコ、母父マルゼニスキー。白毛。美浦・飯富昌虎厩舎所属。見た目は豚の胴体にカバの頭を付けたような感じである為に、当初は馬と見られずにロバ、豚、犬などに間違えられてしまう。作中の初期では生産者の飯富源次郎にロバとの掛け合わせではないかと疑われていた。本名のうんこたれ蔵はチュウ兵衛から付けられたが、最初の案は「キンタマしゃぶ郎」と「キンタマくさ男」であった。好物はりんご。生まれた年(当歳時)には既に断崖絶壁を攀じ登っていた。新馬デビュー後は度々ひげ牧場の馬に邪魔をされるも、それらを克服しながら成長していく。その後はモンゴルでマスタング走法や山本管助が編み出したきつつき走法(戦法)などを覚える。4歳(当時)クラシックではカスケードやアマゴワクチンなどとデッドヒートを繰り広げていた。カスケードとの同着となった日本ダービーの勝利後、チュウ兵衛が亡くなり、スランプ状態が続いていたが、克服後の有馬記念でカスケードに勝利。その後は海外で挑戦するも、両前足を折る重傷を負い夢に散った。しかし、海外遠征での骨折後は足にボルトを埋めて最後の最後で奇跡の復帰を果たすなど「白い奇跡」の異名を持つ。また体重は100kg(しかし人間に軽々と持ち上げられる描写もある)で心臓の割合は他の馬と比べて非常に大きい。だがそれ故に常に心房細動の危険性を伴っている。また、蹄が他の馬に比べて大きいため重馬場のレースでは足を滑らせてしまうという弱点も持つ。性格はマジメだがお調子者であり、海外遠征時にはその性格のせいでライバル馬に騙されて落馬してしまった。口癖は「んあ~」「~なのね」。童謡の「おお牧場はみどり」から名をとっている。
- アニメ版では有馬記念に勝利後、「伝説の野生馬」トリニダードと戦うために、マキバコと共にアメリカ大陸へ海外遠征し、勝利する。
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- 作品中の異名:「白い珍獣」、「白い奇跡」
- 主な勝ち鞍:函館3歳ステークス、京成杯3歳ステークス、スプリングステークス、日本ダービー、有馬記念
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- チュウ兵衛(声優:千葉繁)
- マキバオーをサポートしていく上で欠かせないネズミ。通称「親分」。大胆不敵で自信家である。母を捜すためにみどり牧場を抜け出したマキバオーと森の中で出会い、以降マキバオーの親分としてマキバオーと騎手の山本菅助を鍛え上げる。物語初期は遊び半分な感じでマキバオーに付き合っていたが時が経つにつれ自身のなかにもレースに勝つ喜びを見出していく。レース中はいつもマキバオーの頭上に乗っていた。モンゴルへ行ったときには現地馬のツァビデルの走法をマキバオーにまねさせようと考えていたが、ツァビデルに諭され、マスタング走法を知る。皐月賞でゴール直前に落馬し、次に乗ったら命を落とすと宣告されるも条件付きで騎乗が許され、日本ダービーに挑む。マキバオーは勝利するも、満身創痍のチュウ兵衛は亡くなる。その死はマキバオーたちの競馬人生に大きく影響した。
- アニメ版ではダービー後も特に何もなく騎乗していたが、障害未勝利戦で騎乗中に着地の衝撃で古傷を悪化させ、マキバオーに乗れない体となり、断腸の思いでマキバオーを降りてサポートに回った。ただしレース以外ではマキバオーに乗ってる時もある。
- ミドリコ(声優:有馬瑞香)
- 父マルゼニスキー。栗毛。現役時代は桜花賞を勝利した(オークスは脚部不安で回避)が、エリザベス女王杯ではカスケードの母であるヒロポンに大敗した。それ以後レースに勝てず引退。みどり牧場で繁殖牝馬となるが借金のカタにひげ牧場に売られる。ひげ牧場が潰れたあとどこかに売られてしまい行方知れずになる。のちにみどり牧場に戻り、マキバコの仔馬を育てる。
- アニメ版ではひげ牧場がつぶれたあと宮蔦に引き取られ、マキバオーとマキバコがミドリコを賭けて勝負をし、マキバオーが勝利する。しかし、マキバオーは母親との思い出が全くないマキバコと母親を引き離すのが耐えがたく、鼻の穴に小切手を隠して引き取るのをあきらめ、マキバコと共に暮らすことになる。その後有馬記念で美浦に向かう際に、宮蔦がミドリコをマキバオーに引き合わせ、感動の再開を果たす。マキバオーがミドリコを探す過程で見つけた馬が、実は「シドリコ」だったと言うのはかなり突飛であった。
- カスケード(声優:玄田哲章)
- 父:サンデーサイデンス、母ヒロポン、母父ダンキチ。青鹿毛。美浦・榊原厩舎所属。マキバオーの最大のライバル。出産時は難産でカスケードを生み終えると母馬は死亡した。以降、カスケードは感情を捨て、ひたすら最強を目指す。最初、マキバオーと競走するも、相手にならないほど完勝。次に二冠馬ピーターIIとのマッチレースで敗れるも、ピーターIIを引退に追い込む。しかし、マキバオーが成長するに従って、その差は縮められる。直線一気の追い込みを狙った朝日杯3歳ステークスでは、想像以上の成長を遂げたマキバオーとアマゴワクチンの競り合いについてゆけず惨敗かと思われたが、今まで存在しなかった「ライバルに相応しい存在」を得たことによって覚醒、最後の一瞬で先頭に踊り出て大逆転勝利。日本ダービーでは無敗で勝利するとはいえ、マキバオーと同着している。その後は凱旋門賞に挑戦するも、マリー病に蝕まれ敗北する。有馬記念では一度は先頭に躍り出るも、マキバオーに敗れ、その後引退する。本多リッチファームの馬でたびたび海外で調教し強くなってきている。コンピュータウイルスの「カスケード」から名をとっている。
- アニメ版では「マリー病」という名称ではなく「全身に痺れを伴う激痛が走る病気」となっていて、一年安静にしていれば治る可能性があると診断される。そのせいか引退はせず、5歳時の有馬記念に出走する。
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- 作品中の異名:「黒い殺し屋」、「漆黒の帝王」
- 主な勝ち鞍:朝日杯3歳ステークス、皐月賞、NHKマイルカップ、日本ダービー、ニエル賞
- 受賞JRA賞(1995年と1996年のみ判明):1995年最優秀3歳牡馬、1996年年度代表馬・最優秀4歳牡馬
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- アマゴワクチン(声優:松本保典)
- 父ホラフキー、母メリークリスマス、母父カツラダヨー。栗毛。栗東・立原厩舎所属。マキバオー、カスケードと何度もぶつかっている三強の一頭。カスケードと競走した後に函館記念で故障した兄・ピーターIIの復讐を誓う。朝日杯でピーターIIの夢とともに受け継いだ白いシャドーロールを着けてマキバオー、カスケードと戦い2着。しかし、共同通信杯4歳ステークスで骨折し、完全に仕上がることなく臨んだ皐月賞は着外、三冠の夢を絶たれ、日本ダービーでは不出走に終わる。復帰戦は、兄が骨折した函館記念。この函館記念と、兄も出走するはずだった神戸新聞杯を連勝して菊花賞に挑み、地元の利と長距離適正を生かして、悲願を達成する。有馬記念後はドバイへの海外遠征に参加、桁違いの長距離(4000m)レースでエルサレムと対戦したが、4着に終わる。その後は有馬記念3着、翌年(6歳)の天皇賞(春)を優勝、天皇賞(秋)はブリッツと大接戦の末2着、有馬記念5着、7歳の宝塚記念(6着)後の調教中に屈腱炎を発症し、引退した。戦国大名の尼子氏とカスケードがウイルスである事に対応してワクチンから名をとっている(作中では馬主が尼子氏であるために名前がつけられた)。
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- 作品中の異名:「三冠相続人」、「不屈の闘将」、「ペースのマジシャン」
- 主な勝ち鞍:函館記念、神戸新聞杯、菊花賞、天皇賞(春)
- 受賞JRA賞:1996年最優秀父内国産馬
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- ニトロニクス(声優:石井康嗣)
- 父プレゼントクレヨー、母グリセリン、母父ジュンチャンデリーチ。鹿毛。栗東・小田厩舎→美浦・柴田厩舎所属。外国産馬。重馬場を得意とし、新馬デビュー時はほかの馬を寄せ付けずに完勝したが、函館3歳ステークスや京王杯3歳ステークスではマキバオーに敗れ、騎手など鞍替えしている。ただ、実力はすさまじいものでマキバオーやカスケードのいないジャパンカップではカスケードの出走した凱旋門賞2着馬のカントナにハナ差で勝利している。そのほか、海外でのレースで2戦1勝と健闘している。しかし、非常に気性が荒く、有馬記念のパドックや海外においても他の馬に挑発され、怒り狂うことがあった。なお外国産馬のため、連載当時の規定でクラシックは不出走となる。ドバイへの海外遠征後はマイル路線に競争の場を移した。ニトログリセリンから名をとっている。
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- 作品中の異名:「爆弾小僧」
- 主な勝ち鞍:札幌3歳ステークス、ラジオたんぱ杯3歳ステークス、きさらぎ賞、アーリントンカップ、ニュージーランドトロフィー、ジャパンカップ、
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- アンカルジア(声優:亀井芳子)
- 牝馬(メス馬)。栗毛。美浦・馬場厩舎所属。3歳時にマキバオーやニトロニクスと同じレースに出走し、マキバオー達と親しくなる。クラシックの桜花賞、オークスでは、自身の勢いに欠け、ともに2着に敗れている。(桜花賞はビーナスハリケーン、オークスはスーパースナッズが勝利)。秋華賞は直線でチュウ兵衛の声が聞こえ、見事に勝利、有馬記念の出走後、牝馬では唯一、ドバイワールドカップに挑戦している。何かとチュウ兵衛を貶しているが、良き理解者でもある。馬名は読者公募で選ばれた。
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- 主な勝ち鞍:フェアリーステークス、秋華賞
- 受賞JRA賞:1996年最優秀4歳牝馬
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- ベアナックル(声優:長嶝高士)
- 父カツラデエース、母クウェーヴァー。父内国産馬であり、九州産。鹿毛。栗東・鍋島厩舎所属。マキバオーと直接対決したのは皐月賞後の青葉賞。一貫した逃げでマキバオーに一旦追いつかれるも、差し返して(ラスト1F11秒)勝利する。ダービーではスタートで立ち上がって致命的な大出遅れをしたにもかかわらず5馬身差の3着に突っ込んでくる。(常識的には考えられない競馬で、実力はミドリマキバオーとカスケードを遥かに越えている)京都新聞杯でスタート直後に騎手を落馬、それを知らずに先頭でゴールイン。菊花賞では外埒蹴りに失敗して股間を埒に激突させ、競走中止。海外遠征に勝手に付いていくが、飛行機の乗り換えで止まったシンガポールで道に迷った結果飛行機に置いてけぼりを喰らう。仕方ないので遠征先のドバイまで泳いで渡っていたが、途中猫の大群に襲われるも見事に倒し更に猫の大群を自分の子分にする。その根性を買われ、WC予選の第4レースに出場、大幅に出遅れたもののサブマリンのように走り勝利を収める。海外遠征後はWWFの名誉会長となり、活躍の場を海外に移しほかの馬よりも一回り大きくなり更に先行馬として成長しジャパンチャンピオンシップ(架空のレースで、有馬記念がリニューアルして誕生した新しいレース)では、マキバオー・エルサレムと共に走った。競馬の無い様々な国に遠征し親善大使的な活躍を見せ、行く先々で様々な動物達を子分にしている。ギャグ色が強いキャラであるがその実力はワールドクラスでツァビデルも早くからその才能を見抜いていた。ツァビデル曰く日本最強馬(但し頭に致命的欠陥があるともいっている)。この他、兄にモンモンモンに出ていたサンダーボルトがいる。戦国大名の鍋島氏と拳(ナックル)から名をとっている。
- アニメ版では伝説の野生馬・トリニダードについての新聞記事を読み、マキバオーたちより先にアメリカに渡っていたが、着いた当日に全財産を置き引きされ、バスの車掌のアルバイトをして生活していたところで偶然マキバオーたちと出会い、行動を共にするようになる。メキシコでエスメラルダという人間と結婚し、一時マキバオーたちと別れるが、すぐに捨てられ、農耕馬としてブラジルの鉱山に売り飛ばされ、さらわれてきていたマキバオーたちと再会する。その後鉱山を脱出し、世界一決定戦に乱入するが、観客席にエスメラルダ似の女性を見つけ、観客席に飛び込み、急所を蹴られて競走中止。その後5歳時の有馬記念に出走。
- モーリアロー(声優:山田雅人)
- 父サンデーサイデンス。栗毛。栗東・吉川厩舎所属。経営難の牧場の馬として生まれる。そのために賞金を稼がないといけないと考え、あらゆる手段を用いて勝利している。アマゴワクチンも彼の罠にかかり骨折している。スプリングステークスではマキバオーに抜かれ、直後牧場主と再会し改心する。その後レースは堅実に走っている。戦国大名毛利元就の「三本の矢」の逸話から名をとっている。
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- 作品中の異名:「浪速の超特急」「浪速のラッキーホース」
- 主な勝ち鞍:共同通信杯4歳ステークス、弥生賞
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- サトミアマゾン(声優:伊藤栄次)
- 父ミルジョージ。船橋競馬場所属の地方馬。青毛。強い馬をマークし、その馬をギリギリで差すという戦法から「ヒットマン」の異名を持つ。地方で10戦10勝した後に「俺たち公営は中央の2軍ではない」「活躍して船橋に客を呼ぶんだ」と高い志を持って中央のクラシック戦線へ。初戦の弥生賞は2着。皐月賞はマークしたマキバオーがワクチンの策にかかった煽りを受けて敗れた。日本ダービーはマークしたカスケードがマキバオーと警戒しあっている隙を狙うも4着。菊花賞ではブリンカーを外し、これまでと異なる逃げの戦法を取る。アマゴワクチンには敗れるものの、一度は差されたマキバオーを再び差し返し、2着となった。戦国大名の里見氏と連載当時の南関東の強豪馬だったアマゾンオペラから名をとっている。船橋競馬場内にある「船橋競馬ミュージアム」にサトミアマゾンが登場した場面が描かれた作品が展示されている。作中では数少ない実在の種牡馬の産駒。
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- 作品中の異名:「ヒットマン」「南船橋の奇跡」
- 主な勝ち鞍:セントライト記念
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- マキバコ(声優:大谷育江)
- 父サンデーサイデンス、母ミドリコ、母父マルゼニスキー。マキバオーの半妹・ブリッツの双子の姉。美浦・飯富昌虎厩舎(馬場厩舎説も)所属。容姿はマキバオーに瓜二つ。ひげ牧場で生まれるも、マキバオーに似たことから外に放り出され、宮蔦に拾われて育つ。そして、宮蔦によって飯富厩舎に競走馬として託された。兄とは違い非常に気性が荒く、しょっちゅうレース観戦に苛立ちを見せる。自身のレースでもその気性の荒さから、なかなか未勝利戦で勝つことが出来なかった。しかし、4戦目の未勝利戦の前にマキバオーに説得され、騎手の高坂里華の指示に従うようになり、やっと未勝利戦で勝利することが出来た。その後は秋華賞の勲章を手に引退。マキバオーそっくりの子供を産むが、子育てを母のミドリコに任せて宮蔦の競馬に参加するのであった。
- アニメ版ではミドリコの愛や匂いを知っているマキバオーをひどく憎んでいるため、兄として認めず、宮蔦の元にミドリコを引き取りに来た際にマキバオーが親子3頭で暮らそうと提案するが、ミドリコを賭けて勝負をしたいと言って断る。マキバオーとの必死の競り合いの最中に兄同様のマスタング走法を編み出すが敗れる。勝負に負けたのでミドリコと一緒に暮らすことをあきらめようとしていたが、マキバオーが小切手を無くしたと嘘をついたため、ミドリコと一緒に暮らすことになる。マキバオーの小切手を無くしたといったのはマキバコとミドリコを引き離したくないマキバオーの思いやりだと感じ、和解して兄として認める。有馬記念後、マキバオーの海外武者修行に一緒についていく。宮蔦の元で中央競馬進出に向けてレースの練習をしているが、競走馬としての活躍シーンはない。
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- 主な勝ち鞍:秋華賞
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- ブリッツ
- 父サンデーサイデンス、母ミドリコ、母父マルゼニスキー。マキバオーの半弟・マキバコの双子の弟。所属厩舎不明。非常に大柄な馬体で、性格はカスケードに似ている。デビュー戦を15馬身差で勝利し、その後もクラシック3冠を制するなど、他の馬を寄せつけない実力を持ち、5歳時のジャパンカップではアマゴワクチンやニトロニクスら海外遠征組をも打ち負かした。マキバオーやエルサレムが出走したジャパンチャンピオンシップでもその実力を見せる。余談ではあるが父サンデーサイレンス(サンデーサイデンスのモデル)、母父マルゼンスキー(マルゼニスキーのモデル)という血統はこの作品の連載後に現実で活躍したスペシャルウィークと同じである。
- アニメ版では登場しない。
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- 作品中の異名:「電撃」
- 主な勝ち鞍:朝日杯3歳ステークス(以上3歳)、皐月賞、ダービー、菊花賞、有馬記念(以上4歳)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念(以上5歳)、天皇賞(春)、天皇賞(秋)、ジャパンチャンピオンシップ(以上6歳)
- 受賞JRA賞:1996年最優秀3歳牡馬(判明分)
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- ヒロポン
- 父ダンキチ。カスケードの母。外国産馬だったため、クラシックは不出走だったが、エリザベス女王杯(不良馬場)でミドリコに大差をつけて「すごく早いタイム」でレコード勝ちする。有馬記念2着を最後に引退。繁殖入りしてカスケードを出産するも、難産で亡くなる。
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- 代表産駒:カスケード
- 主な勝ち鞍:阪神3歳牝馬ステークス、エリザベス女王杯
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- ピーターII(声優:小杉十郎太)
- 父ホラフキー、母メリークリスマス、母父カツラダヨー。正式表記は「ピーターツー号」。アマゴワクチンの全兄。皐月賞、日本ダービーを制し二冠を獲る。本多社長から提案されたカスケードとのマッチレースでは、2000mを1分57秒2(当時の日本レコード)のタイムで勝利する。しかし無理が祟ったのか、直後の函館記念でレース中に故障。原因は直前にカスケードと1対1のレースをしたことによるものだと、調教師の立原は述べた。その後引退し、種牡馬入り。
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- 主な勝ち鞍:皐月賞、日本ダービー
- 代表産駒:エスペランサ(菊花賞)
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- トゥーカッター(声優:福田信昭)
- 栗東・黒田高良厩舎所属。特に、長距離に高い適正を持つ馬。上がり馬として菊花賞に優勝するが、「ピーターIIがいたら獲れなかった」と囁かれる。そこで、ピーターIIを引退に追い込んだカスケードと戦うことを望むが、宝塚記念を回避され、より一層の対抗心を燃やす。対決が叶った有馬記念では、カスケードには先着したものの、マキバオーの3着に敗れた。その後、ドバイ遠征に参加。ワールドカップ第2Rで、ワクチンに力を蓄えさせるため自身が力を使い果たし、引退した。馬名の由来は映画「マッドマックス」の敵キャラから。
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- 主な勝ち鞍:菊花賞、宝塚記念、天皇賞(秋)
- 受賞JRA賞:1996年最優秀5歳以上牡馬
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- ツァビデル(声優:大塚明夫)
- モンゴルの馬。前後の足を同時に動かす側体歩という走法で走る。マキバオーがモンゴルに来て直接勝負をするも、彼に敗れた。その後マキバオーに調教される前の本来の走りを思い出させた。誤解により仲間の馬から爪弾きにされていたが後に信頼を回復し、再びリーダーとなる。有馬記念対策に牧場主のドルジ等と来日しマキバオーにものの流れを読む事を教えた。
- エルサレム
- 海外(UAE)の馬。飛行機事故で「伝説の競走馬」ジェネシスとともに生き残るが、砂漠の乾きに耐える事が出来ず死亡したジェネシスの血を飲み、その血を継ぐ。イギリスダービー、キングジョージ、凱旋門賞を無敗で制し、世界最強馬としてドバイワールドカップに参戦した。ワクチンとトゥーカッターが挑戦した第2Rを圧勝。第5Rのマキバオーとの対決も、余裕こそ失ったが勝利を収めた。そのスタミナは飯富昌虎に「体にガソリンが流れている」と表現された。凱旋門賞3連覇を達成した後、引退レースのジャパンチャンピオンシップに出走するため来日。ブリッツに敗れはしたものの、マキバオーと接戦を繰り広げた。引退後は日本の本多リッチファームで種牡馬入り。
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- 作品中の異名:「ブラック・フライデー」「聖馬」
- 主な勝ち鞍:イギリスダービー、キングジョージ、凱旋門賞
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- プレミア
- 父ブラリアンズタイム。GIレースのない夏場に実力をつけた晩成の上がり馬。菊花賞でマキバオーに先着し(3着)、翌年の天皇賞(春)を制するなど、作中では長距離での活躍のみが取り上げられている。
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- 主な勝ち鞍:京都新聞杯、天皇賞(春)
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- スーパースナッズ(声優:高乃麗)
- 牝馬。マキバオーと同じタマーキン産駒。伏兵扱いだったオークスで、アンカルジアをハナ差抑えて優勝する。障害未勝利戦を経て、牝馬でありながら菊花賞に挑戦、一流の牡馬を相手に5着に入った。目標タイム通りに正確に走るレースを信条とする。当時インディーズシーンで有名だった同名のバンドから名付けている。
- アニメ版では障害未勝利戦でもマキバオーと対戦し、敗れている。
- ドラゴ
- 4歳時の有馬記念でトゥーカッターを破り、5歳時には毎日王冠でニトロニクスを破り、ともに優勝している。鞍上がムチを乱打するため鬼とあだ名されている。
- ペインキラー
- 5歳時のオールカマーでトゥーカッターを負かしている。有馬記念のパドックや本馬場でニトロニクスと喧嘩をする。
- グレイテストボギー
- 元々は競走馬でステイヤーズステークスにも勝利している。宮蔦の下で、マキバコの練習相手を務める。チュウ兵衛を失ったマキバオーをスランプから立ち直らせる役割も果たした。
- アニメ版では94年の天皇賞・秋の勝ち馬で、非常に高い能力を持つと言われたが、馬主の不祥事により引退に追い込まれる。その後マキバコの中央競馬進出に向けての練習相手として宮蔦に引き取られる。
- ヒゲサンダー
- 堀江(ひげ)牧場の馬。マキバオーの新馬戦で1番人気になるも、マキバオーの進路を妨害して失格。メンコにはひげ牧場のマーク(○に金)が書かれている。
- カブラヤオー
- 1975年度の日本ダービー馬。マキバオーが日本ダービーに走っている時に昌虎が口に出した馬。めったにいない強い心臓の持ち主で、カブラヤオーはスタートからゴールまで先頭又は先頭集団に位置して最後まで他の馬に抜かれることなく日本ダービーを制した。
[編集] 人間達
- 飯富昌虎(おぶ まさとら)(声優:飯塚昭三)
- 馬を育てる美浦トレーニングセンター(以下美浦)の調教師。スパルタ調教師として馬主に敬遠されていたが、マキバオーの根性を見出しマキバオーを扱きあげる。他人とは違った調教方法で鍛え上げて、マキバオーに勝利を導く。また海外遠征時には代表となり、普通とは桁はずれの調教を行う。若い頃は世界各国を放浪し、その時に訪れたモンゴルではモンゴル相撲でアルスランの称号を得るなど名を轟かせている。モデルは戦国時代の武将、武田信玄の家臣である飯富虎昌。
- 山本菅助(やまもと かんすけ)(声優:桜井敏治)
- 飯富源次郎(おぶ げんじろう)(声優:緒方賢一)
- 三枝友則(さえぐさ とものり)(声優:石田彰)
- みどり牧場で働く。通称「若ぞう」。源次郎のもとにいるが、源次郎が競馬場にいるときは留守番となり、よく興奮してテレビを壊す。また本人が競馬場に来ると、マキバオーが勝てないというジンクスもある。モデルは信玄の家臣、三枝守友。
- アニメ版では源次郎と一緒にマキバオーのレース観戦に来ることもある(その間、誰に牧場を任せてるのか?)。
- 本多平七郎(ほんだ へいしちろう)(声優:加賀谷純一)
- 本多リッチファームの代表。そこでは数多くの優秀な馬を残しており、カスケードの馬主でもある。トレーニングセンターで調教しないのはここで十分に整っているからである。のち海外遠征のためにマキバオーたちを調教したのもここである。余裕綽々のようにも見える。モデルは徳川家康に仕えた武将・本多忠勝(通称が平八郎)。
- 服部政人(はっとり まさと)(声優:大滝進矢)
- 堀江信彦(ほりえ のぶひこ)(声優:渡部猛)
- 早来町(現・安平町)にある堀江牧場(堀江ひげ牧場)のトップ。通称「ひげ」。ポリシーは金儲け主義、弱い馬は食って供養するというもの。何度も源次郎やマキバオーにちょっかいを出す。しかしマキバオーが日本ダービーを勝利する頃には牧場は倒産、堀江は失踪した。モデルは連載開始当時の週刊少年ジャンプ編集長であった堀江信彦から。
- アニメ版では牧場倒産後、借金取りから逃げ回りながらHRA主催山奥競馬というインチキばんえい競馬を開催し、金稼ぎをしていたところをマキバオーたちに見つかり、母親の居場所と賞金をかけてばんえい競馬で勝負をし、敗れる。その後借金取りに見つかったため海外へ逃亡。流れ流れてメキシコに到着し、そこで再びHRAを開催していたところをトリニダード探索中のマキバオーたちに見つかり、再度勝負するも敗れる。
- ドルジ(声優:茶風林)
- モンゴル人。ツァビデルの馬主で昌虎とはモンゴル相撲で敗れた関係がある。マキバオーがツァビデルに負けると自称マキバオーの馬主となる。このあと、有馬記念や海外のレースにも観戦する。
- 宮蔦(みやつた)(声優:藤本譲)
- 嶋島(しまじま)(声優:大川透)
- 週刊競馬ゴングの記者。マキバオーのデビュー時から追っかけとなりいろいろと取材をしている。またマキバオーが独自にモンゴルにいるという情報を得たもの彼だけである。昌虎からは名前がしまじまではなく頭がこなごなになるとお叱りを食らっていたこともある。名前の由来は当時のつの丸担当編集者・嶋智之だと思われる。
- アニメ版では諸美のライバル誌の記者として登場するため、マキバオーに対して敵対的。
- 福々地(ふくぶくち)(声優:真殿光昭)
- 週刊競馬ゴングの記者。嶋島と同行している。主に撮影を担当している。名前の由来はジャンプ編集者の福地氏からと思われる。
- 枡田増あきら(ますだます あきら)
- 週刊競馬ゴングの記者。嶋島と福々地がモンゴルに行って行方不明になった際にマキバオーを取材した。名前の由来はジャンプ編集者の増田真晃(ますだ まさあきら)からと思われる。
- 滝川正和(たきがわ まさかず)
- 山中馬之助(やまなか うまのすけ)
- 江里口信夫(えりぐち のぶお)
- 高坂里華(こうさか りか)
- 馬場厩舎の専属の女性騎手。昌虎と別れた妻との娘である。そのあとはマキバコに騎乗するが、しょっちゅうマキバコと喧嘩することになる。その後はレースの為にマキバコと共に走り、秋華賞に勝利している。苗字は武田氏の家臣、高坂昌信から。
- アニメ版では未登場。
- ゲーハー
- モブキャラクターとして登場する、競馬ファンの男たち。全員坊主頭でたらこ唇。興奮状態だと全裸になる。お目当ての馬が競走中止したりすると暴れる。
[編集] アニメ版
1996年3月2日から1997年7月12日までフジテレビ系で全61話が放送された。製作はスタジオぴえろ(現ぴえろ)。
アニメ版では競馬記者が若い美人記者であったり、飯富勝や本多麗、堀江ヒゲ治といった子供が登場したりと、原作と比較してよりファミリー向けになっている。また、日本ダービー以降は大幅にアニメオリジナルが入り、有馬記念に勝利した後はアメリカ遠征という完全オリジナルストーリーで最終回を迎える。
原作と違って、フウリンカザンの転倒理由が単なる「事故」から観客の新聞が跳んできて足に絡まったために変更、木曽政義騎手と飯富昌虎調教師の仲たがいが解消する、ミドリコが途中でマキバオーの元へ戻ってくるなど若干の変更点も見られるが、最大の変更点はやはりチュウ兵衛が死亡しないことであろう。アニメオリジナルの設定といえど、これはテレビというメディアとターゲット視聴者を考えると、完全に納得のいく変更であった。アニメでは、最終的にムハンマド競馬場で行われた世界最強馬レースに出走し、トリニダードに勝利、その後カスケードなどの戦友と共に再び見慣れたレース場に並んで終了する。原作の濃い内容とは全く違ったあっさりとした終わり方となっているが、原作の持ち味を生かしたオリジナルストーリーもマンガで掲載されてもおかしくはない内容であった。
ビデオリリースはされているが、DVDでは販売されていない模様。 DVDになるのが多い。
2007年1月現在、カートゥーン・ネットワークで放映されている。
[編集] アニメオリジナルキャラクター
[編集] 動物
- トリニダード(フライドチキン)(声優:大川透)
- アメリカの「伝説の野生馬」と呼ばれた馬。マスタング走法の使い手。そのせいで野生馬狩りに遭う。殺されそうになったところをホースマフィアのボスに助けられ、闇競馬で「フライドチキン」の名で出走する。その後世界一決定戦にアメリカ代表の一頭として出走し、一着になったら自由にしてもらうことを約束してもらい出走するも二着。しかし、トリニダードだとわかってしまっては八百長には使えないということで解放される。
- 作品中の異名:伝説の野生馬
- ドナテロス(声優:津村まこと)
- トリニダードの妹。兄と共に暮らしていたが、野生馬狩りに追われ兄と生き別れ、そのときの怪我とショックが元で失明する。世界一決定戦で兄の走る足音を聞き、目が見えるようになる。その後は解放された兄とともに暮らす。
[編集] 人間達
- 飯富勝(おぶ まさる)(声優:高山みなみ)
- 飯富源次郎の息子。マキバオーと仲良し。麗にほれるが結局恋は叶わずじまい。
- 本多麗(ほんだ うらら)(声優:白鳥由里)
- 本多平七郎の娘。カスケードに惚れ込んでいる。
- 堀江ヒゲ治(ほりえ ひげはる)(声優:くまいもとこ)
- 堀江信彦の息子。マキバオーが日本ダービーを勝利する頃には牧場は倒産。以後は親子揃って借金取りからの逃亡生活を続ける。父の言葉の語尾を繰り返して言うのが口癖。
- 胸尻諸美(むねじり もろみ)(声優:深雪さなえ)
- 競馬記者。
- ドリグ
- ドルジの息子。ゴンチグの兄。マキバオーをかけて勝とモンゴル相撲で勝負して勝利。
- ゴンチグ
- ドルジの息子。ドリグの弟。
[編集] スタッフ
- 原作:つの丸
- 製作/著作:フジテレビ、スタジオぴえろ
- 企画:清水賢治(フジテレビ)、布川ゆうじ(ぴえろ)
- シリーズ構成:橋本裕志
- 脚本:橋本裕志、西園悟
- 演出:阿部記之、水野和則、高柳滋仁、山口頼房 他
- キャラクターデザイン:小原秀一、鈴木藤雄
- 作画監督:鈴木藤雄、若林厚史、神戸洋行 他
- 美術監督/美術設定:高田茂祝
- 撮影監督:福島敏行→宮川晴年(高橋プロダクション)
- 音楽:岩代太郎
- 音響監督:水本完
- 編集:厨川治彦、植松淳一(ファルコン)
- 効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
- 主題歌:『走れマキバオー』(原曲『走れコウタロー』、作詞:池田謙吉、替え歌:大田一水、作曲:池田謙吉&前田伸夫、歌:F・MAP(福井謙二、三宅正治、青嶋達也)
- エンディングテーマ:『とってもウマナミ』(原曲『君の瞳に恋してる』、歌:MEN'S 5)
- プロデューサー:金田耕司→瀧山麻土香(フジテレビ)、萩野賢(ぴえろ)
- 監督:阿部記之
[編集] 放送リスト
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[編集] 特記事項
- ベアナックルの子分にニャンちゅうが登場している(文庫版にニャンちゅうの著作権に関する但し書きあり)。
- ミドリマキバオーの鼻の部分をサングラスに見立てると、タレントのタモリの顔のようになると、笑っていいともで紹介されたこともある。
- コミックス裏表紙のJC(ジャンプコミックス)のロゴマークには、「ジャパンカップ」という手書き風の文字が書かれている。
- 観客は原作・アニメ共に、全裸のおじさんが描かれている。これは、モブキャラにいちいち服を描くのがめんどくさいかららしい。
[編集] 外部リンク
フジテレビ系 土曜夕方6:30~7:00枠 | ||
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