アメジスト
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アメジスト(Amethyst、英語の発音はアメシスト。紫水晶)は「紫色の水晶」(紫石英)で、宝石の一つ。2月の誕生石である。紫水晶とも呼び、飾石として用いる。出産地はブラジル、ウルグアイ、南アフリカ、メキシコ。
日本国内では宮城県や鳥取県で産出され、主に装飾用に使われる。高温や日光に弱いため、屋外で長時間放置しないようにする。
石言葉は高貴・誠実
[編集] AMETYST
ギリシア語のa-methu(酔わせない)に派生。ギリシア神話に登場する月の女神ダイアナに仕える女官アメシストの悲劇からこの名がつけられた。
- 酒神バッカスは悪戯をしかられた腹いせに「今から最初に出会った人間を自分の家来であるピューマに襲わせよう」と決めた。そこへ現れたのが、無口で信心深い美しい少女アメシストであった。ピューマが一斉に襲い掛かり、逃げ惑う彼女がピューマの餌食になりかけた瞬間、彼女の体は見る見る小さくなり、あっという間に透き通った石になった。月の女神ダイアナが彼女を守るため純白の輝く水晶に変身させたからだった。バッカスは水晶になったアメシストのあまりの美しさに呆然とし、自分の罪の深さを懺悔し、その水晶にぶどう酒を注いだ。するとそれは透き通った紫水晶に生まれ変わった。
[編集] 特徴・性質
水晶の類の中では一番高価。淡いライラック色から、濃紫色まで幅広い色合いがある。紫の発色は珪素が鉄に置き換わったことによる。六方晶系に属した六角錐の集形でよく見られる。モース硬度7。組成はSiO2。