ウミショウブ
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?ウミショウブ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Enhalus acoroides | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ウミショウブ |
ウミショウブはトチカガミ科ウミショウブ属に分類される海草の一種。 日本の沖縄県沿岸に分布する。
[編集] 名前の由来
海の中で生える姿が、ショウブそっくりなためこの名前がついた。年にやっと一回受粉できることを恋に例え、悲恋花などともいわれる。
[編集] 特徴・生態
ウミショウブは沖縄県の西表島の周囲の海中に分布する。浅い海に生息する。受粉の方法が特殊で3mmほどの花を海面に浮かべて受粉する。受粉するのは夏の大潮の日の3時間に限られており、短時間で無数の花(雄花)が海面に浮かべられる。花はスムースに水の上を走りまわる。その量は周辺の海が花の色で白く染まるほどである。このような方法で受粉するのは世界において、ウミショウブのみである。漂った花は、別の場所に根を張る。花は水をはじくようになっているため沈みにくくなっている。受粉後の成長した実の中には約十個ほどの種が入っている。この実が熟して弾けると、種が散らばり根付く。
ウミショウブの雄花は片側が親水性、疎水性と別々になっているため水の上でも立つことができる。一方、雌花は水に浮くことはできない。雄花よりも大きく、雄花を捕まえることができる形をしている。捕まえた後、水が満ちてくると雄花を捕らえたまま水の中に入っていき受粉を完了する。
なぜ、夏の大潮の日に受粉するのかにはいろいろな説があるが、はっきりした説はない。しかし、ウミショウブは体内時計を持っているとされる説が有力である。これと似たようなものに、サンゴの満月の日の産卵がある。