ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち
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『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(ウルトラマンティガ アンド ウルトラマンダイナ ひかりのほしのせんしたち)は円谷プロダクション製作による特撮映画作品。テレビ番組『ウルトラマンダイナ』の劇場オリジナル作品である。1998年3月14日全国松竹系で公開。同時上映は『ウルトラニャン2 ハッピー大作戦』。
ウルトラシリーズで、テレビシリーズの作品が放映中に完全新作映画が公開されるのはこれが初めてである。時間軸的にはテレビシリーズ十話から十五話の頃に起こった出来事だと思われる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
宇宙有翼骨獣ゲランダが宇宙空間に出現。追跡する S-GUTS。だがガッツイーグルのレーザーが効かない上に攻撃もされて危機に陥る。その時ウルトラマンダイナが現れ、戦闘を開始したが、ソルジェント光線が怪獣に効かず、またもや危機に陥る。その時、怪獣にネオマキシマ砲が放たれた。放った正体は、TPC が極秘裏に作られた新造戦艦「プロメテウス」であった。
後日、クリオモス島にてプロメテウスの説明会が開かれた。そこで開発責任者のキサラギ・ルイ博士に出会う。「人間の思考パターンを読み取り、メインコンピュータがその人間のとる行動のようにして動くために無人であり、また圧倒的な破壊力を持つネオマキシマ砲を有する戦艦プロメテウスはウルトラマンダイナをも凌ぐ、新たなる人類の希望である」とプロメテウスに絶対の自信を告げるキサラギ博士。
しかし、大きいだけの戦艦がダイナよりも強力であるはずがないと怒るアスカ。ヒビキ隊長はそんなアスカを抑えつつも「このような強力な兵器は人類には危険ではないか?」と進言する。だが、キサラギ博士は「時代は常に先へと進む」とヒビキ隊長の言葉を流す。
だが、人間の思考データを読み取るという設定上で肝心のデータが不足しており、そのために S-GUTS の隊員たちの戦闘経験を移植しようと計画する。キサラギ博士にダイナを例えにしてプロメテウスの優位性を説明され怒ったアスカは「こんなデジタル戦艦の能力なんか否定してやる」と自らデータサンプルになることを決める。
しかし、そのデータ移植の最中にアスカは意識を失い過去に戦った怪獣たちとの壮絶な死闘を夢に見る。その中でゲランダとの戦いをも思い出し、プロメテウスのネオマキシマ砲がゲランダを倒した後、プロメテウスにダイナがネオマキシマ砲を放ち倒される夢を見る。
気を失いマイに介抱してもらっていたアスカ。しかし、突如謎の UFO がクリオモス島を襲撃。ヒビキ隊長ほか出動したガッツイーグルはマシントラブルで分離出来ず、海上に墜落してしまう。マイとアスカは遅れて駆けつけるが、機嫌の悪いアスカは「足手まといだ」とマイを地下基地へと避難させる。その後、物陰に隠れたアスカはダイナに変身しようとするが、プロメテウスに倒されるダイナの夢が脳裏をよぎり、変身を躊躇するが「ダイナは無敵の巨人だ。負けるはずがない」と自身に喝を入れて変身する。
その時プロメテウスが出現したところに UFO が光線を照射をすると、プロメテウスは変形して電脳魔人デスフェイサーになった。
[編集] 登場人物
- アスカ・シン/ ウルトラマンダイナ
- S-GUTS
- イルマ・メグミ-旧GUTS隊長
- キサラギ・ルイ - TPCの新造戦艦「プロメテウス」の開発最高責任者。プロメテウスこそが人類の新たな希望であると主張し、開発を進めている。だが、実際は宇宙植物獣人モネラ星人に操られており、人類が強力な兵器を開発したところを奪取する計画に利用されていた。
- ウルトラマンティガ
[編集] 登場怪獣
[編集] 宇宙植物獣人 モネラ星人
- 身長:111センチメートル
- 体重:44キログラム
地球侵略を目論む異星人。キサラギ博士を操って、プロメテウスを建造させた。13体登場。
[編集] 宇宙有翼骨獣 ゲランダ
- 身長:54メートル
- 体重:6万2千トン
モネラ星の衛星に住む怪獣。月上空においてガッツイーグルα号β号、更に月面でウルトラマンダイナと戦った。ソルジェント光線をも跳ね返す強固な体表を誇り、怪力と口から発射する火球を武器に奮戦し、ダイナを追い詰めるも、TPC の新造戦艦プロメテウスのネオマキシマ砲により消滅する。
[編集] 専用種子船 モネラシード
- 全長:48メートル
- 全幅:30メートル
モネラ星人が宇宙船として使用している宇宙生物。
[編集] 電脳魔人 デスフェイサー
- 身長:77メートル
- 体重:9万6千トン
TPC の建造した電脳巨艦プロメテウスがモネラシードの光線によって変型した巨大ロボット。胸のネオマキシマ砲に加え、右腕が伸縮性のクローアーム、左腕がガトリング砲になっている。最初の対決ではアスカの動きを記憶したため、ウルトラマンダイナ・ミラクルタイプのスピード攻撃を完全に見切ってしまった。2戦目では、ウルトラマンダイナ・ストロングタイプと対決。今度は両腕をもぎ取られた挙句、胸をダイナックルで貫かれスペースダイナマイトで粉砕された。テレビ版第46話にも登場したが、この時は宇宙植物の幻影だった。
[編集] 超巨大植物獣 クィーンモネラ
- 全長:258メートル
- 体重:108万トン
デスフェイサーを倒されたモネラ星人が、最後の手段としてモネラシードと合体した姿。触手からは破壊光線:テンタクルボムを発射し、頭部から周囲三キロの地点をリング状に壊滅させる拡散砲:クラウンビームを発射する。体内の檻にダイナを閉じ込めた上、QMバスターを浴びせて倒すことに成功した。しかし、人々のあきらめない心が光となってウルトラマンティガが出現、ダイナにエネルギーを与えて解放したため形勢逆転される。最後はクラウンビームのチャージ中に、ティガとダイナの合体技TDスペシャルによって倒された。ゴンドウ参謀にとってはこの一連の事件は大きなショックだったらしく(ダイナ49話で捕らえたアスカにゴンドウ参謀が見せた「人知を超えた怪物共」の映像で一番大映しになっていたのがこのクイーンモネラだった)、彼が後にテラノイドを作ったのもこれらの怪獣に対する危機感が原因だったと思われる。
[編集] キャスト
- アスカ、ウルトラマンダイナ(声):つるの剛士
- マイ:山田まりや
- リョウ:斉藤りさ
- カリヤ:加瀬尊明
- ナカジマ:小野寺丈
- コウダ:布川敏和
- ヒビキ:木之元亮
- イルマ:高樹澪
- フカミ:天田俊明
- ミヤタ:円谷浩
- シイナ:前沢保美
- ゴンドウ:亀山忍
- キサラギ:杉本彩
- ムナカタ:大滝明利(友情出演)
- ホリイ:増田由紀夫(友情出演)
- シンジョウ:影丸茂樹(友情出演)
- レナ:吉本多香美(友情出演)
- ウルトラマンダイナ:長谷川恵司
- ウルトラマンティガ:権藤俊輔
- ゲランダ:北岡久貴
- デスフェイサー:岡野弘之
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌、イメージソング
- 主題歌:『SHININ' ON LOVE』
- イメージソング:『君の愛と僕の勇気~もう悲しみなんかない』