ウルトラマンレオ
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『ウルトラマンレオ』は、 1974年(昭和49年)4月12日から1975年(昭和50年)3月28日までTBS系で毎週金曜日19:00 - 19:30に全51話が放送された円谷プロダクションが製作した特撮テレビ番組の名称、あるいはその劇中に登場する巨大変身ヒーローの呼び名である。ウルトラシリーズ第7作であり、第2期ウルトラシリーズの最終作にあたる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 作品としてのウルトラマンレオ
[編集] 内容
それまでのウルトラシリーズと同様、怪獣や宇宙人とウルトラマンレオとの戦いが物語の中心となる。特徴としては主人公が他のウルトラマンとは別の星出身の宇宙人であること、変身はしないがウルトラセブン=モロボシ・ダンがレオをサポートすること、防衛チームの劇中での役割が従来のシリーズ作品に比してより脇に退いており、主人公を取り巻く一般人がドラマの中心になることなどがある。作風は、故郷を失った主人公が、孤独で精神的に過酷な状況の下、肉体的にも過酷な特訓等を通じて心身共に強くなり、困難を乗り越え自ら楯となって戦い抜いていくという、一種の根性物的展開が当初試みられた(詳細は後述。但し、これも後述する事情から、路線が変更されていった)。この点が、本作以前のウルトラマンシリーズには一部の例外を除いて見受けられなかった大きな特徴であり、本作品のカラーを色濃く特徴づけている。制作サイドの企画書にも記載され、番組放映開始時の番宣等でも大きく掲げられた本作品のテーマは、「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」。このフレーズは、当初本作で描こうとしたヒーロー像を最もよく表現していると思われる。
[編集] 基本設定
ウルトラマンレオの故郷·獅子座L77星はマグマ星人の侵略によって滅ぼされ、脱出したレオは地球にたどり着き、地球人おゝとり(おおとり)ゲンの姿になって、城南スポーツセンターの指導員として生活していた。一方、ウルトラセブンはウルトラマンタロウの後を受けて再び地球防衛の任に就き、モロボシ・ダンとして宇宙パトロール隊MAC (Monster Attacking Crew) の隊長を務めていた。地球に侵略の手を伸ばしてきたマグマ星人とその先兵の二大怪獣レッドギラス・ブラックギラスと対戦したセブンは脚を折られてしまうが、レオの登場によって窮地を救われる。しかしこの結果、ダンは右脚が不自由になり、セブンへの変身能力を失ってしまった。そこでダンは自らに代わって地球を守ることをゲンに依頼する。ダンの推薦でゲンはMACに入隊、ダンの特訓を受けながら、地球を侵略するマグマ星人や他の宇宙人たちと戦う。
[編集] ストーリー概要
本作は、放送途中で路線変更が行われ、結果的にではあるが、その都度、違った装いを見せることになった。大きく分けると、次の三期に区別できる。なお、この区分は本項目における便宜上のものであり、区分の名称や境目となる話数は公式に定められたものではない。
[編集] 特訓編(1~21話)
シリーズ初期においては、敵は通り魔的な犯罪を行なうヒューマノイド型の星人が等身大でMACと格闘戦を行った後、怪獣型のモンスターに巨大変身してレオと戦うというパターンが繰り返された。レオは初戦でしばしば敗退し、モロボシ・ダンの特訓を受けて新しい必殺技を身につけ、二度目の対戦で勝利するというドラマ作りが行なわれた。怪獣が敵として登場する場合も、等身大にならないだけで基本のプロットは同様である。
この時期におけるもう一つの大きな特徴は、MAC内におけるゲンの厳しい立場である。本作では、主人公を取り巻くドラマを防衛チームから市井の人々へとシフトさせ、MACのドラマ内での扱いは従来の防衛チームと異なるものとしたため、ゲン以外のMAC隊員の役割は、かつてのシリーズに見られたような、主人公にとっての協力者・理解者といった位置づけではなく、むしろ批判者・対立者としての側面が強調されている。特に、ゲンの正体を知っているのがダン隊長だけであり、ダン自身もセブンとしての能力から知りえた敵情報を他の隊員に充分に伝え切れなかったり、ゲンに対するダンの特訓が隊員たちに「特別扱い」と受け取られる状況を生み出す等、他の隊員から孤立するゲンの姿がしばしば描かれ、MACでの人間関係についてはハードな展開が続出した(逆に、スポーツセンターの人々には、そんなゲンに対する理解者としての役割が与えられている)。
しかし、こうしたドラマ展開は第15話近辺から徐々に変化を見せ始める。この回の特訓シーン終了直後にダンがゲンに向かって「免許皆伝だ」と告げるシーンがあり、劇中での特訓は第21話を最後に行われなくなった。これは、ダンの特訓が『ウルトラセブン』でのモロボシ・ダンの、温厚で大人のキャラクター・イメージから大きくかけ離れたスパルタ式なシゴキと見られ、特に幼児層やその保護者層、そして『ウルトラセブン』を観ていた世代を中心に視聴者からの不評を受けたことが一因である。その反映で、ウルトラシリーズ初めて一桁台の視聴率も記録してしまった。またダン役の森次は先のダンのキャラクター・イメージの件以外にも、シナリオでゲンよりもダンの存在感が大きくなっていると感じ、変える必要があるとスタッフにも意見したことを回想している。
また、他のMAC隊員たちから浮いてしまう展開も、ダンの強烈な特訓の解消と並行して次第に描かれなくなった。また、17話よりMAC隊員のメンバーも大きく変更され、隊員達がドラマに関わる場面も増えてきた。いずれにせよ、シリーズ初期におけるこうした人間関係面を含めたハードな状況は、様々な試行錯誤の中で発展的解消を遂げ、ドラマの作風は大きくシフトしていくのである。なお、これに伴ってか、後述するように、悲壮感の漂う主題歌「ウルトラマンレオ」は第13話を最後にオープニングとしては使用されなくなり、第14話から比較的正統派ヒーローソングの色合いの濃い「戦え! ウルトラマンレオ」に変更されている。
[編集] 安定期編(22~39話)
物語中盤では、レオが仲間たちの友情に支えられて、敵と闘い、勝利するというウルトラシリーズ王道の話が続くことになる。第22話ではレオの弟であるアストラが兄の危機に駆けつけ、兄弟で力を合わせて怪獣を倒した。さらに第26話で新たなウルトラファミリーとして、ウルトラの国の伝説の人物であるウルトラマンキングが登場し、レオにウルトラマントを与えた。
ゲンと他のMAC隊員たちとの間柄も、メンバーの交代と相まって険しい対立は減少していき、ゲンは次第に仲間を増やしていく。ダンもゲンが地球人として人間らしくなってきたことを指摘している。そして第38、39話ではババルウ星人の策略により、ウルトラマンをはじめとするウルトラの兄弟と一時的に敵対してしまったこともあるが、ウルトラマンキングの活躍で和解する。そしてレオとアストラはウルトラ兄弟の一員に迎え入れられる。
なお、安定期と分類されているものの、「一寸法師」「つるの恩返し」などの民話を題材にした、「日本名作民話シリーズ!」(第26話~第32話)も製作されており、実際にはさまざまな試行錯誤が行われていた。また、「日本名作民話シリーズ!」では旧作出演者のゲスト出演や、ウルトラマンキングの出現、新アイテム・ウルトラマントの登場と様々なイベント編も設けられている。「日本名作民話シリーズ!」は前作『タロウ』の様なコミカルな雰囲気が多かった事からマニアからの批判も多い一方、イベント編の多さやバラエティ豊かな展開から、本作を語る上で欠かせないシリーズだとする評価もある。
[編集] 円盤生物編(40話~最終回)
本作の最終第4クールは「恐怖の円盤生物シリーズ!」と銘打たれ、冒頭の第40話ではMACがブラック指令の尖兵である円盤生物第1号シルバーブルーメに基地ごと呑み込まれて全滅し、モロボシ・ダンも消息を絶つという波乱の幕開けとなった。さらには、地球へと侵入したシルバーブルーメの破壊活動により、城南スポーツセンターの身近な仲間が犠牲となる。ゲンはただ一人生き残ったトオルを引き取り、知人の看護婦・美山咲子の家に身を寄せながら一人で円盤生物の侵略に立ち向かうことになる。
そのホームドラマ的な舞台設定には賛否両論あるが、かつてのダンの立場を受け継ぎトオルを教え導くゲン、第二の故郷を守りながらも侵略者の標的にされ図らずも地球人や周囲の人々を巻き込んでしまうレオの苦悩、肉親を全て失い精神的にも追い詰められながらそれを克服し成長をとげるトオルの姿など、初期特訓編のテーマが再現されているとの指摘もある。また、姿を変えて日常の中に潜む円盤生物が作り出すホラー的な雰囲気や、敵指揮官・ブラック指令の強烈な個性など、ウルトラシリーズ本来の魅力が発揮されていた時期でもある。
なお、ブラック指令と彼の率いる円盤生物群は、ウルトラシリーズにおける「レギュラー化した敵集団」としては、『ウルトラマンA』に登場したヤプール人とその送り込む超獣群に次いで二度目である。
最終回においては、それらのドラマに過不足なく決着をつけ、地球人に同胞として迎えられたゲンの新たな旅立ちを描いている。
[編集] キャラクターとしてのウルトラマンレオ
ウルトラマンレオはそれまでのウルトラ兄弟と異なり、M78星雲光の国生まれではなく獅子座L77星人である(※1)。資料によっては「元々は獅子座L77星の王子で、腹部の紋章・レオサインはその証である」との記述も見られるが、『レオ』本編では言及されていない(『ウルトラマンメビウス』公式サイトでは公認されている)。なお、L77星はM78星雲・光の国(ウルトラの星)との関係は当初不明であったが、後年先祖を共通とする兄弟星であるとの設定がなされた。多くのM78星雲人と同様にカラータイマーを胸部に備えているが、変身後の活動時間は彼らよりも若干短く2分40秒(劇中では2分30秒と語られたこともある)である(※2)。
光線技は過去の戦士に比べれば少ないが、宇宙拳法の達人であることや他のウルトラ戦士をはるかに凌駕する高い身体能力を生かした技がそれを補っている(「格闘技に限ればウルトラ戦士の中でも最強」と評価する声もある)。また、ウルトラセブンの課す特訓と数々の戦いを経て次第に力強い戦士となっていった(※3)。第4クールの円盤生物編ではインパクトこそ他のウルトラマンに劣るものの、決め技として光線技を多用するようになり、一人前の戦士になったということも感じさせる。
- (※1)L77星を脱出する際に生き別れになった弟アストラ、ペットのロンがいる。
- (※2)2分30秒というのは当初使われなかった光線系の技を習得したため。但し、実際にカラータイマーが点滅しピンチになる演出は少なくなっている。また、カラータイマーの点滅音が第50話のある事件をきっかけに初代ウルトラマンと同じになった。
- (※3)このような設定の背景には、前年見舞われたオイルショックの余波によって予算縮小の必要性が高まり特殊撮影の削減が求められたことに加え、先述した本作品のテーマに親和性があったこと、放映前年に公開されていたブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』による空前の格闘技ブームの影響が指摘されている。
[編集] 能力
- 身長:52メートル
- 体重:4万8千トン
- 年齢:1万歳(放映当時は2万歳)
- 飛行速度:マッハ7
- 走行速度:時速800Km
- 水中速度:150ノット
- ジャンプ力:1000メートル
- 腕力:20万トンタンカーを持ち上げる
- 視力:100キロ先のマッチ棒も見える。
- レオキック
- レオが最も得意とする必殺技。地上1000メートルと言うジャンプ力を生かした落下時の衝撃に、自身のエネルギーを加えることで強大な破壊力を持ち、設定によればダイナマイト1万発分の威力がある。他のウルトラ戦士のキックと異なり、足に集中したエネルギーが赤く発光して(専ら右足が光るが、時には左足や左右両足が光ることもある。敵に当てるのは片足だけ)敵の体を粉砕する演出が特徴。初使用は第1話でのマグマ星人戦であるが、この時は決め技にはならなかった。『ウルトラマンメビウス』第34話においても、レオの必殺技の代名詞として印象的に描写された。
- 格闘技の達人ならではの様々なバリエーションを使いこなしており、劇中では以下のものが使用されている。
- レオチョップ
-
- ハンドスライサー
- 空手を得意としているレオは、手刀も高い破壊力を誇っており、別名としてこう呼ばれている。敵の触手等を切断するために使用する他、決め技として使う時の多くは空高くジャンプし、急降下しながらエネルギーを集中させた右手で必殺チョップを決める。『ウルトラマンメビウス』第34話においても使用され、リフレクト星人の剣を根元から叩き折った。
- 流れ斬りの技
- ダンが課した滝の水を切る特訓の末に編み出された手刀技。両手にエネルギーを集中させ、流れるように素早く幾度も両手手刀を振るいツルク星人の両腕を切断した。
- バックチョップ
- 敵に背中を向けた状態で放つダブルチョップ。カーリー星人の背中の角を2つ同時に折り、それを弱点の眉間に突き刺して倒した。
- クロスチョップ
- ジャンプで敵に突っ込みながら、両手をクロスさせて放つチョップ。
- レオパンチ
- ストレートパンチ。敵によっては体を貫いてしまう程の威力を誇る。
- レオリフト
- 敵を両手で抱え上げ、地面に叩きつける。レオはこれの他にも、巴投げ、背負い投げ、レオスープレックス、敵の尻尾を掴んで投げるウルトラスウィング、敵の腕を取って投げる回転投げ、敵を肩にかついで振り回して放り出す飛行投げ、敵を抱き上げて地面に叩きつけるレオボディ落としといった、数多くの投げ技を持つ。
- レオヌンチャク
- 工場の煙突を念力で武器に変えたもの。ケットル星人の槍に砕かれてしまった。
- ボディブーメラン
- 体を空中で高速回転させ、自らをブーメランと化して敵に突進する必殺技。
- エネルギー光球
- 手から放つ光線技。火球状の赤い光球を投げつける必殺技。設定ではレオの光線技の中でも一番強力な技。
- スパーク光線
- 額のビームランプから出す破壊エネルギーを一点に集中して放射する光線。強力な閃光を発する。円盤生物編で主に繋ぎ技として使用されているが、第40話でのみ決め技となった。
- レオクロスビーム
- 額のビームランプから放つ赤色光線。
- ビームランプ光線
- 額のビームランプから放つ光線。両手の拳を胸の前に合わせてから発射する。バンゴの足を撃ち、動けなくした。
- タイマーショット
- カラータイマーから発射する破壊光線。
- ウルトラショット
- ジャンプして両手を合わせ、敵の頭上から撃ち込む光線。
- ハンドビーム
- 赤い光弾を放つ。エネルギー光球に似ているが、別の技である。
- ダークシューター
- 右手から放つ矢印形の黒い光弾。
- シューティングビーム
- 水平に伸ばした腕から出す光線。一部の円谷プロ監修の本では「惑星を破壊するパワーを秘めている」と紹介されており、本編でも決め技として使用されたり、最終話でブラックスターを破壊した事もあるが、相手によっては怯ませる程度の威力しかなかった事もある。最終話での威力は、円盤生物への怒りによる光線の強化や、ブラックスター自体の脆さという解釈も存在するが特に設定はない。別名・レオビーム。
- レッド手裏剣ビーム
- 右手から2連続で発射される赤色光弾。
- グリーンビーム
- 両手を開いて放射する、敵を怯ませる緑のエネルギー波。
- チェンジィングビーム
- 両手から放射する光線で、オニオンを惑星アップルのリンゴの木に変化させ、さらにビームランプから発射する光線で、リンゴの木に実をつけさせた。
- リライブ光線
- 両目から放つ、リング状の光線。死んだギロ星獣を生き返らせた。
- 縮小光線
- レオのペットだった怪獣ロンの鼻先に当てて放射し、元の小さな怪獣に戻した。
- テレポート光線(名称不明)
- 額のビームランプから出す光線。生き返らせたギロ星獣や、小さな怪獣に戻したロンを宇宙へ帰した。
- レオ全身発光
- 熱エネルギーを全身から放射する。ババルウ星人によって氷の中に閉じ込められたアストラを救出した。
- レオブロー
- バンゴの体内に浮力ガスを吹き込み、風船のように膨らませて宇宙まで飛ばしてしまった。
- エネルギー放電
- レオに変身する際に発生するエネルギーを用いた技。ボーズ星人を怯ませる。
- 真剣白刃取り
- カネドラスのドラスカッターを空中で受け止め、投げ返した。
- ハイスピン
- 高速スピンすることで、ブラックドームの吐く泡を弾き飛ばした。
- 風車戦法
- ローランが作った風車をレオのエネルギーで巨大化させ、マグマ星人に突き刺して倒した。
- 水晶返し
- 最終話で、子供達がブラック指令から奪った水晶球をレオが手にし、ブラックエンドに投げつけて倒した。
- レオブレスレット
- 手首にはめている武器。クサビ状の光弾レオスパークを放つ他、注射器に変形する能力もある。
- ウルトラマント
- ウルトラマンキングから授けられた万能武器。防御能力に優れており、炎を防いだり、敵にかぶせてパワーを奪う効果がある。普段はアームブレスレットに変形させて左腕にはめている。傘のレオブレラに変形させ、プレッシャー星人の念力を防いだ他、鏡の扉ウルトラマントミラーを作り出し、マザラス星人の鏡の世界から脱出する際に使用した。
- レオマスクパワー
- 変身前の能力。レオのシンボル、獅子座のレオマスクの再生光線。第2話で一度死んだ百子を蘇えらせ、ギラス兄弟に沈められた黒潮島も復活させた。また、第17話でも、乗り移っていたウルフ星人が倒されたために死んだ冴子からウルフ星人を消滅させて蘇えらせている。
- クロスアタック
- 新マン(ウルトラマンジャック)との合体必殺技。皆既日食で暗くなった時を狙って、二人で一体の敵を挟んで同時にジャンプし、敵が標的を決められない内に、同時にチョップを喰らわせる。別名・コンビネーションチョップ。
[編集] 変身方法
おゝとりゲンは指輪(レオリング)の宝石「獅子の瞳」を使い、「レオー!」と叫びながら(3話・4話のみ語尾を延ばさない「レオッ!」)、一定のポーズ(2パターン。1話・2話・6話のみ異なる。また、『ウルトラマンメビウス』客演時はポーズが一部省略された。)を取ってウルトラマンレオに変身する。
[編集] デザイン
ウルトラマンレオのデザインは東宝から円谷プロに出向し、『ウルトラマンA』以降美術のメイン担当を務めていた鈴木儀雄によるもの。従来のウルトラ戦士とは出自が異なるということで一線を画すため、頭部のデザインが複雑化され、一見すると人間の髪型を思わせるものになっている。獅子座出身である事からたてがみをモチーフにしたようにも見えるが、鈴木本人は「ウルトラマンAの撮影中に目撃したUFOの形をモチーフにした」と語っている。目と口はセブンタイプを踏襲しているが、鼻がはっきり造型された点が斬新だった。またデザイン発案当初からのものか結果的なものかはともかく、出来上がったマスクは真夏竜が演じるおゝとりゲンのイメージに近いものとなり、物語上でのレオ=ゲンの一体化に寄与していた。
なお胸部のレオサインも鈴木のデザインで、1934年にアリゾナ州の山中に着陸したUFOのハッチに画かれていたとされる記号をヒントにしている。
NG版スーツには、ウルトラセブンやウルトラマンタロウのそれと酷似した胴から脚にかけて稲妻状の白い模様があったが、採用版では消され、赤1色になった。また、ボディのカラーリングの基調を赤としたのは、顔のセブンタイプに近いデザインに合わせてのこととも思われる(M78星雲系のウルトラ族の中には、ウルトラセブンやウルトラマンタロウが分類されるレッド族と、ウルトラマンやゾフィーに代表されるシルバー族、そして当時設定自体は存在したもののそれに当てはまるウルトラマンは登場しなかったが、後に『ウルトラマンメビウス』に登場するウルトラマンヒカリが属するブルー族があるとされる)。なお、最終決定に至るまでに描かれたNGデザインのうちの一つは、『ウルトラマンタロウ』最終話に登場したバルキー星人の元デザインとして転用された。
[編集] アストラ
ウルトラマンレオの双子の実弟。獅子座L77星出身。彼も資料によってはL77星の王子であり、腹のアストラサインは王子の証である、との記述があるが本編では語られていない。レオ自身はしばらくの間、マグマ星人の獅子座L77星侵略の際に死別したものと思っていた(劇中でもそれを踏まえた発言が散見される)が、雑誌などで公開された裏設定によるとアストラは捕らわれの身となり、のちにウルトラマンキングに救出されていた。“もともとレオとよく似た容姿であったとされるが、救出後に治療のための大手術を受けた際に今の姿となった”とあるがレオの回想シーンにてすでに頭部形状などの形が現在の物となっており、おそらくは小学館などの双子記事の先走りを収束させるために設定されたと思われる。捕らわれていた際に枷として付けられた脚の鎖「マグマチックチェーン」は、ウルトラマンキングの超能力も受け付けず、今も外せぬままとなっている。
ちなみに頭部等のデザインの意図についてデザイナーの鈴木は、後年のDVDでのインタビューで「レオと似ている感じでも、レオに対しやや未成熟さを表現したデザインにした」と述べている。
第22話で兄弟怪獣ガロンとリットルとの戦いで危機に陥ったレオを助けに現れたのを皮切りに、第33話では戦闘不能に陥ったレオを助け、そして第36話では壊滅の危機に瀕したMAC本部を救うなどの活躍を見せた。第38~39話の前後編ではウルトラの星の崩壊をもくろむババルウ星人の策略によって拉致され、レオとウルトラ兄弟を罠にはめるために利用され、レオとウルトラ兄弟たちとが同士討ちを始めるきっかけを作ってしまったこともある(→にせアストラ参照)。ババルウ星人の陰謀を喝破したウルトラマンキングの助けを得てレオとともに事態を収拾した後、彼は兄・レオと共にウルトラ兄弟の一員に迎え入れられた。
彼の場合、戦いの場へ半ば乱入するような形で登場するというケースがほとんどであったためレオのサポート役という印象も強いが、レオ本編最後の登場となった46話では、負傷でまともに戦えずに苦戦するレオに代わってハングラーを倒すなど、戦闘力は兄に勝るとも劣らない。
ウルトラ兄弟の一員となった後も、名前に“ウルトラ”が冠されることはなく、関連商品名も「アストラ」で統一されている。
本編では普段どこで何をしているのかは一切不明であり、実兄のレオですら知らない。人間体の姿を披露したことも、これまでのところ一度もない。その後は『ウルトラマンメビウス』第1話の冒頭で地球に派遣されるメビウスを見送り、最終回では兄弟たちと協力して太陽を覆っていた黒点を消し去るなど、宇宙警備隊の一員として働いている描写がされている。
- 身長:50メートル
- 体重:4万6千トン(のちに4万9千トンに修正された)
- 年齢:1万歳(双子なのでレオと同じ)
- 飛行速度:マッハ10(のちにマッハ20に修正された)
- 走行速度:時速700キロ(のちに900キロに修正された)
- 水中速度:140ノット
- ジャンプ力:400メートル
- 視力:海中でも10キロ先が見える。
- 腕力:レオよりも強いらしい。腕のアームリングで2倍に強化されている。
- ウルトラダブルフラッシャー
- レオとアストラが、両手のひらを重ね合わせて放つ必殺光線。兄弟怪獣ガロン、リットル、アトランタ星人、アクマニア星人を倒し、『ウルトラマンメビウス』最終回では、他の兄弟たちの光線と共に放って太陽を覆っていた黒点を消し去った。
- ウルトラダブルスパーク
- レオとアストラが腕を組んで照射する修復光線。折れたウルトラキーを元に戻した。
- ウルトラリダクション
- 体をミクロ化させ、敵の体内に侵入して内部から爆破する。ハングラーを倒した。
- アストラシャワー
- 両手を合わせて水を噴射し、火災を消火する。36話で使用。
- アストラアイアンパンチ、アストラスパイクキック
- パンチ技とキック技らしいが、詳細は不明。
- アストラキック(本編未使用)
- アストラ版レオキック。レオと同等のパワーを持っている。
- エレクトロンビーム(本編未使用)
- 額のビームランプから放つ光線。
[編集] 主な登場キャラクター
[編集] MACアジア本部の隊員及び関係者
- 組織としてのMACについては別項を参照の事。
- ゲンおよびモロボシ隊長以外は背番号順に記載(背番号2と4の隊員は本編未登場。黒田に代わって背番号3を着けた平山を除き、番組の途中から登場した隊員には背番号が付いていないため、順不同に記載した)。
- おゝとりゲン
- 獅子座L77星出身の宇宙人「ウルトラマンレオ」が地球人に変身した姿。モデルになった地球人については語られていない。明るい好青年で面倒見や人当たりも良く、地球を“第二の故郷(『ウルトラマンメビウス』客演時は更に「本当の故郷」と言い直している)”として愛している。背番号は「7」。
- 物語当初は城南スポーツクラブの指導員として登場。レオとしてセブン=MAC隊長モロボシ・ダンの危機を救い、自身の素性を明かす。セブンに変身できなくなったダンから地球防衛の使命を託される。ダンの推薦でMACに入隊。人間態でも優れた身体能力を見せるが、元々戦士では無く戦闘経験が浅いため、時に若さゆえの感情的な判断で不適切な行動を取り、他の隊員達に非難され確執を生むこと(※1)も多かったが、ダンが毎話の様に課す厳しい特訓と数多くの孤独な戦いに耐え抜くことで、自らの素質を磨いて成長していった。
- MAC全滅後は美山家に居候し、民間人の立場で円盤生物と戦った。最後の戦いが終わった後、新たな故郷となった地球の平和を確かめるため、いずこへともなく旅立っていった(※2)。
- (※1)もっとも、確執の理由の多くはゲンがL77星人の能力で察知した危機を地球人である他の隊員が感じなかったこと(第1話)や、ダンに命じられ一人特訓を続けていたために他の隊員が怪獣との戦闘で犠牲になってしまったりなど(第14話)、ゲンのせいでは無いことも多かった(勿論そうした状況は、ダンのゲンに対する精神的な鍛えであったと考えることも可能ではある)。
- (※2)当作品と同一世界の物語であるテレビシリーズ作品『ウルトラマンメビウス』(以下“『メビウス』”)及び同時期に上映された映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(以下“劇場版”)においては、劇中の出来事や劇場版のストーリー紹介からその後は地球を離れて宇宙警備隊員として活動していること(後述のUキラーザウルス事件のためウルトラ兄弟4人が地球に留まらざるを得なくなったため、同じく地球人として生きていたタロウと共に光の国に召還されたことが示唆されている。また、劇中のゲン及びミライの発言からすると光の国を故郷とは思っていないようである。)、M78星雲=光の国にいたこともあって、その頃にメビウスとお互い面識があることが分かっている。『メビウス』第34話では、かつてマグマ星人と双子怪獣に一度は沈められてしまった黒潮島の島民の慰霊のため、雲水の姿でその地を訪れる(なお黒潮島は亡き恋人、山口百子の故郷でもある)という形でゲスト出演。ミライ達をかつて自らが師であるウルトラセブン(モロボシ・ダン)に鍛え上げられたときのような厳しい態度で叱咤激励し、ミライには自らの稽古着を託してさらなる鍛錬を促した。また、『レオ』では面識がなかったタロウを「兄さん」と呼び、彼との面識があることも示唆している。なお、正史ではないと思われるが別の説も参照されたい。
- モロボシ・ダン
- MACアジア本部の隊長(※1)。背番号「1」。再び地球を守るためにやって来たウルトラセブンが地球人に変身した姿で、その正体はおゝとりゲン(レオ)しか知らない。1話でセブンとしてマグマ星人や双子怪獣と戦闘した際、ブラックギラスに右脚を折られ、人間体の時には脚が不自由となり歩行時には杖が必要な状態になってしまう。更にウルトラアイも溶解、変身能力も失う。このため、本作ではセブンとして活躍したことはほとんどなかったが、唯一、自らの寿命を縮める(一時的なエネルギーも激しく消耗する)代わりに相手の動きを封じる「ウルトラ念力」を数度使用することがあった。第34話ではセブンに変身できなくなったダンの元へセブンガーを仕込んだ怪獣ボールが帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)によって届けられ、同時に壊れていたウルトラアイも修理のためウルトラの星へ持ち帰られた。しかし、セブンの復活は本作中で実現せず、第40話の円盤生物シルバーブルーメの襲撃によるMAC全滅の際に生死不明となってしまう。最終回でゲンの夢の中でセブンが登場しているが、その消息が本作中では明確にされることは無かった(※2)。
- 性格は『ウルトラセブン』の頃とはうって変わり過剰な程に厳格な指導者として描かれているが、これは本作のテーマが“ゲンの成長”であることやストーリー的には後述する様々な事情に加え、“隊長”という要職に就いていた事を考慮する必要がある(自身が戦えないことから、戦士として未熟なゲンに過酷な特訓を課さなければならないことを苦悩する場面もある)。
- 本作企画当初はダンのレギュラー登場予定は無かった。同様の役回りとして地球人・川上鉄太郎が設定されており、ゲンの正体を知った川上がゲン(レオ)を鍛える為に協力するという構想だったが、この役のオファーを受けた森次晃嗣が、ダン以外の役で出演する事を逡巡したため、制作側が物語の設定を変更。「鉄太郎」は「MAC隊長・ダン=ウルトラセブン」となった。
- (※1) ダンがMAC隊長に就任した経緯については劇中では明確に語られなかったが、一部の書籍媒体等に「過去の功績が認められ」とする記述がある。29話ではダンがM78星雲から再び地球へ派遣された時に、旧ウルトラ警備隊メンバーと再会したことを示唆する台詞があることから、彼ら(おそらくキリヤマ隊長あたり)の推薦があった可能性も考えられる。ただし、高倉司令官はダンの正体を承知している形跡が無いことから、「過去の功績」とはウルトラ警備隊員モロボシ・ダンとしての功績のみを指し、ウルトラセブンとしての活躍は含まれていないと思われる。また、かつての同僚や上司との現在の関係は29話でアンヌとも思われる女性(名前は呼称されていない)と出会った以外は劇中では全く触れられていないため、旧メンバー(キリヤマ隊長)推薦説も断定はできない。
- (※2)以降のウルトラシリーズでもセブンやウルトラアイの消息は長らく語られることは無く、ファンの間では様々な憶測・妄想が飛び交った(いわゆる“平成セブンシリーズ”での活躍はパラレルワールド上でのものであり、『レオ』の世界とは時系列を異にしている)。よってセブンの“その後”が明確になるのは本作終了後から実に31年後に製作された『メビウス』第1話冒頭(セブンらしき影が確認できる)ということになる。その後公開された劇場版のストーリー紹介では、“ダンはMAC壊滅後ウルトラの母に救助されて光の国に帰還、修復されたウルトラアイで再びセブンとなり、宇宙警備隊員としての職務に復帰。後日Uキラーザウルスと戦闘後、他の戦士(ウルトラマン(初代)、ジャック(帰マン)、エース)と共に地球の神戸に約四半世紀間滞在していた”との記述がある(この点に関する詳細は別項なども参照されたい)。
- 黒田明雄(くろだ あきお)
- MACアジア本部の初代副隊長格。背番号「3」。機械整備を得意とする。ゲンに対する対応は先輩として高圧的な面が見られ、冷たげ。ロンとの戦いの後、姿を消す。
- 青島一郎(あおしま いちろう)
- MACアジア本部の初期メンバーで、格闘を得意とする。背番号「5」。また、喜怒哀楽が激しい性格で血の気が多く、怒りっぽい。そのせいか、初めはゲンとよく対立していたが、次第に打ち解けていった。第8話では命令違反を犯したゲンに対し、自分も命令違反では同じだ、と同列に語り、第13話では殺人の嫌疑が晴れたゲンに一早くその報を知らせようと必死になるなど、降板直前には比較的友好な関係になっていたようにも見受けられ、スポーツセンターで子供たちの空手の練習に付き合っている場面もあった。アトラー星人との戦いの後降板。
- 赤石清彦(あかし きよひこ)
- MACアジア本部の初期メンバーの1人。背番号「6」。初期メンバーの中ではあまり目立たない隊員だが、メカニックに関する知識は豊富である。黒田・青島よりも明らかに若年である。無表情であることが多く、劇中での個性の発揮は殆ど見られず、クールな雰囲気を醸しており、ゲンに対する対応も、少々冷淡な印象がある。アトラー星人との戦いを最後に降板。
- 桃井晴子(ももい はるこ)
- 比較的出番の少ない初期メンバーの1人。背番号「9」。アトラー星人との戦いを最後に降板。
- 大槻美也子(おおつき みやこ)
- 背番号不明。桃井隊員と松木隊員の臨時代役としてオペレーションを担当した、わずか2回の登場。
- 白川純子(しらかわ じゅんこ)
- MACアジア本部の初期メンバーのうちの1人で、MAC全滅時まで残った隊員のうちの1人でもある。背番号8。主にオペレーション、特に通信関連を担当する。それゆえ、劇中では無線通信で隊長やゲン、隊員を呼び出し、「東京XX地区に星人が出現しました」といった通報をすることが多い。シルバーブルーメの急襲によって殉職した。
- 平山あつし(ひらやま あつし)
- 黒田隊員の後任として配属となった二代目副隊長格。格闘を得意とする。目立った活躍はあまりなく、バットンとの戦いを最後に降板。
- 佐藤大介(さとう だいすけ)
- MACアジア本部の三代目副隊長格。優しい性格の持ち主で、表情もいつも明るい。困っている人を見ると放っておけない。物語前半のMAC隊員がおしなべてゲンに対して冷たかったのに対して、番組の路線変更と共にMAC隊員が交代し、ゲンに対する態度が友好的な隊員ばかりになっていったが、明るく優しげな彼の存在は、とりわけその代表格であったと言える。ダン隊長とも、マッキーからの交信の会話をするだけでダンが基地でコーヒーを飲んでいることを当てるなど、友好的な面がしばしば見られ、番組後期におけるMAC内部の雰囲気のソフト化(及びゲンにとっての居心地の良さ)に貢献していたと言える。シルバーブルーメの急襲によって殉職した。
- 白土 純(第6話のみ白戸ジュン)(しらと じゅん)
- 一旦、第6話限りのゲストとして登場。元は宇宙ステーション所属だったが、同話でカーリー星人に恋人を殺されたため、宇宙パトロール隊に一時的に所属し、その後、特別志願し正式に配属となった。マックガンの腕前は隊員一。第6話時点では、護衛を任せていた恋人を守りきれず死なせたことからゲンに対し強い憎悪を抱き、そこから派生したライバル意識(ゲンとは元々同格)をもむき出しにしていた。だが元々ゲンとは仲がよかったこともあり、その後改めてレギュラーとして正式配属された時点では、ゲンとの仲は以前のように戻っていた。シルバーブルーメの急襲によって殉職した。
- 梶田一平(かじた いっぺい)
- 青島、赤石両隊員の代わりに配属となった。マッキー2号の操縦の腕はかなりの物である。比較的寡黙・無表情な隊員で、佐藤・白土ほど目立たないが、前期隊員であった赤石辺りに比べると冷たさよりも温厚さ・実直さを感じさせる。ゲンとも仲がいい。シルバーブルーメの急襲によって殉職する。
- 松木晴子(まつき はるこ)
- 桃井隊員の後任として配属された。主にオペレーションを担当するが、実戦に出ることもある。自身の誕生パーティー中にMAC本部がシルバーブルーメに急襲され殉職した。
- 鈴木(すずき)
- ツルク星人によって父親を殺害されたトオルとカオルを養子に迎えるはずだったが、星人に襲われ殉職した。
- 佐藤三郎(さとう さぶろう)
- アフリカ帰りの冒険野郎で、怪獣バンゴに立ち向かった。戦いの後、ヒマラヤで雪男を探すため旅立っていった。
- 北山洋二(きたやま ようじ)
- かつてノースサタン星人に襲われていたアルファ星人ニケの女神を救出したことがある。スキーの名手で、オーロラ国際スキー大会で優勝経験がある。
- 内田三郎(うちだ さぶろう)
- アトランタ星に調査に行ったきり行方不明となっていたが奇跡の帰還を果たした。その後、長官推薦によってMACに入隊する。長官の娘であるあや子と婚約していた。だが、その正体は本人を殺し、すりかわったアトランタ星人だった。
- 高倉(たかくら)司令長官
- MAC最高司令部の総司令官で、ダン隊長に特別信頼を寄せている(劇中の描写ではダン=ウルトラセブンである事は知らないと思われる)。一人娘に内田隊員と婚約していたあや子がいる。
[編集] MAC以外の登場人物
[編集] 城南スポーツセンターの関係者
城南スポーツセンター(またはクラブ)は、大村正司を責任者とする、スポーツ振興を図る民間の組織で、営利・非営利の別は不明だが、特に小中学生を中心とした青少年を主な会員組織として運営されているところからすると、非営利又は公的バックグラウンドによって設立・運営されていると推測される。ゲンは(隊員としては異例であると思われるが)MAC隊員であると同時にここの指導員を務めている。
第1・2話では、東京都新宿区百人町(JR大久保駅近く)にある「スポーツ会館」を用いてロケがなされているが、第3話以降は東京都世田谷区瀬田(東急田園都市線・二子玉川駅、小田急線・成城学園前駅に近い)にある「簡易保険東京青少年レクセンター」(現・東京簡易保険会館レクセンター)を使用している。 そのためか、本作品の劇中で日常のほのぼのとした空間を描く場合には、多摩川の河川敷近辺でのロケを行っている場合が多い。
第40話で城南スポーツセンターの関係者でゲンと親しい人々がブラック指令によって殺害されてしまうものの、センター自体は存続している(第41・48・51話で、ゲンが勤務している描写あり)。
- 大村正司
- 城南スポーツセンターの責任者。温厚、かつひょうきんな性格で、どこか頼りないが「いいおじさん」。正義感も強い。家庭生活等については不明だが、第3話では自ら「こう見えても独身」と述べている。ダンとも親しい。第22話を最後に本編から姿を消すが、特にその事情について説明は無い。
- 山口百子
- ゲンの恋人で、城南スポーツセンターの補助的な指導員。先述の通り黒潮島の出身。真面目で優しい女性。ゲンの正体がレオであるとは知らないまま一途に想い続けているが、第36話では、ゲンが宇宙人でも構わないと語っている。身寄りを亡くしたトオル・カオルのお姉さん兼お母さん的存在として彼らやゲンを支え続けるが、第40話でカオル・猛と共に新宿のデパートで買い物をしている所を建物ごとブラック指令の操るシルバーブルーメに潰され、死亡してしまう。
- 梅田トオル
- ゲンを兄貴分として慕う、城南スポーツセンターに通う小学生。母を亡くした後、父、妹のカオルと肩寄せ合って生きていたが、第3話でツルク星人によって父親を殺害され、身寄りを失い、カオルと共に百子の元に身を寄せる。そして第40話で百子、カオルまでも失い、完全に孤児になってゲンと共に美山家に身を寄せることになる。「主人公を慕う子供」は歴代ウルトラマンシリーズにしばしば登場するが、『帰ってきたウルトラマン』に登場する次郎少年と並んで、その中でも指折りの不幸な境遇に置かれる少年と言える。肉親が失われることで、しばしば精神的に不安定になるが、ゲンによって精神的に鍛えられ、徐々に大きく成長をしていく。またレオへの依存心が垣間見られることもあったが、ゲンの教えによって自立し、最終話では彼や友達の勇気ある特攻により、ブラック指令を粉砕。そして、地球防衛の重責から解放されて旅立つゲン=レオを見送ることになる。
- 梅田カオル
- トオルの妹。城南スポーツセンターに通う。トオルよりも精神的にしっかりしている面があり、時折兄をたしなめる強さも。百子を姉と慕うが、第37話では亡き母親の幻影を宇宙人に見せ付けられ、不安定になるという局面も。第40話で百子・猛と共にシルバーブルーメの攻撃の犠牲となる(演者の富永美子=現・冨永みーな(声優)が学業優先のため降板したという事情もある)。
- 野村 猛
- 城南スポーツセンターの補助的指導員で、まだ高校を出たての10代の青年と思われる。ゲンの弟分で、繊細で優しい性格。少し頼りない面もあるが、トオル・カオルからはいい兄貴分である。ゲンに憧れ、自分もゲンのようにMACの隊員になりたいとも思っている。しかし、ゲンの正体を知らぬまま、その特訓に訳も分からずにつき合わされて自分が音を上げることも。第40話で百子・カオルと共にシルバーブルーメの攻撃で命を落としてしまう。
[編集] 美山家の人々
いずれも円盤生物編(第40話~最終話)に登場。
- 美山咲子
- 仕事は看護婦長。既に第18話、31話で彼女が勤務する病院が出てくるため、ゲンとはかねてより知り合いであったようである。カオル・百子・猛の死亡を確認して愕然となったゲンとトオルを引き取り、世田谷の小田急線にほど近い自宅に居候させる。夫は既に他界しており、未亡人。母親代わりとしてゲンとトオルを暖かく見守る。第50話でブニョに捕らえられてしまった時に救出に来たゲンがウルトラマンレオであることに気付いてしまったようにも見えるが、続く最終話では娘たちと共に、「私達はそんなこと全然気にしていないのよ」と、旅立とうとするゲンに帰る場所があることをそっと伝える。
- 美山いずみ
- 咲子の長女で、あゆみの姉。女子大生。ちゃっかりとした現代娘。少々ゲンのことが気になるようであるが、百子を忘れていないのか、単にいずみに興味を持てないのか、優柔不断なゲンの態度に少々不満気味である。第41話では円盤生物の出現をめぐって大学の同級生から疑いをかけられそうになったこともあった。第50話では、ゲンの正体を知らないまま「円盤生物が地球を立て続けに襲うのはレオが地球にいるからではないか」と言い出し、ゲンの心を傷つけることになってしまう(彼女自身に悪意はないが)。続く最終話では「私の知っているおゝとりさんは宇宙人なんかじゃないわ。私達と同じ血の流れている人間よ」と母の言葉に続いてゲンに自分たちとなんら変わりのない人間であると伝える。
- 美山あゆみ
- 咲子の次女、いずみの妹。小学校ではトオルと同級生である。いずみとは違った意味で小生意気なところがあるが、孤独なトオルの精神的な支えになっていることは事実のようである。
[編集] ブラック指令
- 円盤生物編に登場。突如単独で地球に姿を現した、謎の宇宙人。モンスタータイプでもエイリアンタイプでもなく、異様な風体であること以外は、通常の地球人と同様の外見である。しかし、そのいでたちは常に黒いハットに黒ずくめのマントで、顔色も青黒い悪魔のような男で、不気味である(放送当時、主な視聴者である子供達の中には、その姿に震え上がった者も少なくなかったらしい)。水晶のような玉とステッキを持ち歩いては、悪魔の星・ブラックスターから円盤生物を次々に地球に送り込み、また、レオを狙う。シルバーブルーメによってMACやスポーツセンターの仲間を殺害した張本人であり、ゲンにとっては、マグマ星人に代わる(そしてトオルにとっても、ツルク星人に代わる)新たな仇である。実は手にしている水晶玉が弱点で最終話ではトオルやあゆみ、他少年少女たちによってこの水晶玉を取り上げられてそのまま泡となり断末魔の叫びを上げて消滅した。
- なお、日本語としては疑問も残るが、「ブラック司令」でなく「ブラック指令」が正式な表記である。
[編集] MAC
MAC(マック)の正式名称は「Monster Attacking Crew」。ダン隊長の指揮するレギュラー部隊は「宇宙パトロール隊」と呼ばれる。
世界各地の主要都市上空に基地である宇宙ステーション、通称「MACステーション」を構え、怪獣や星人の襲来をいち早く察知、撃退することが目的である。ウルトラマンレオこと「おゝとりゲン」が所属することになるMACアジア本部は東京上空400kmに静止しており、約100名の隊員が勤務している。地上の主要地域にも拠点となる基地は存在するが、メインベースはあくまでも宇宙ステーションである。また物語の構成ゆえ、今までの防衛チームに比べて活躍の機会が少ない様に見られやすく、隊員の入れ替わりが多い他、殉職者もかなり多く出ている。ただし、39話までの殉職者はすべてMACの一般隊員であり、精鋭である宇宙パトロール隊では歴代特捜チーム同様、特に犠牲者は出ていなかった。しかし、40話で円盤生物シルバーブルーメの急襲によって、おゝとりゲンを除く全隊員が殉職、全滅した。そのためファンの間では「全滅MAC」の異名がある。第1話から登場している隊員にのみ、制服の右肩と腕に背番号が付いている他(第11話から登場の平山隊員のみ例外的に背番号3)、女性隊員の場合は、前作『ウルトラマンタロウ』のZATと同様のミニスカート状の形が採用されているほか、ベレー帽も着用している。正確には途中で交代して地球に残ったままの隊員や参謀たちもいるし、シルバーブルーメに捕食されたのは「アジア本部」であるため全世界の防衛チーム関係者が全滅したわけではないのだが、主人公が所属する防衛チーム本部自体が怪獣に食われて消滅したという事態は極めてインパクトがある事件であった。
[編集] MACの装備
- マックガン
- MAC隊員が所持している標準携帯銃。炸裂弾のほかレーザー銃として使用することも可能、カードリッジの取り付けによってさまざまな特殊弾を撃つことができる。
- マックナイフ
- 第11話から登場した特殊ナイフ。主に宇宙人との格闘時に使用されるが、13話でバイブ星人に悪用されたこともある。
- マックシーバー
- 腕時計型の通信機。怪獣探知の機能も備わっている。
- マッキー1号
- 全長82m、乗員10名の大型戦闘機。普段はMACステーションにドッキングしている。また、マッキー2号、3号などのメカを内部に収納することも可能である。最高速度は何と光速の98.9%。しかし実際に活動することは少なかった(1・3話のみ)。
- マッキー2号
- 乗員4名の中型戦闘機。マッキー3号と共に戦闘によく出る。また、2機(胴体部、ロケット状のαと翼部のβ)に分離することも可能である。武器としてはミサイルやレーザー砲を装備している。
- マッキー3号
- 乗員2名の小型戦闘機。主にダン隊長が乗り込む。武器としてミサイルやレーザー砲などがある。自爆攻撃によりバイブ星人を倒した。
- マックカー
- MACの専用車両で、主にパトロールに使用される。MAC全滅後、退職金代わりとしてゲンが譲り受けたらしい(塗色はオレンジ1色になっていた)。ホンダ・シビックがベース。
- マックロディー
- MACの専用ジープで、パトロールのほか実戦に出ることもある。無公害原子力エンジン搭載。装備としてレーザー砲やバズーカ砲、時限爆弾などがある。ベースは三菱J3・J4もしくはトヨタ・ランドクルーザーと思われる。
- マックジープ
- 2種類あり、6話で登場したいすゞ・ユニキャブをベースとしたものと、39話で使用された三菱J3・J4ベースのものが存在する。前者は恐らく通常はパトロールに用いると思われる。後者は銃架を備え、野戦用として使用される。
- マックシャーク
- 乗員23名の大型潜水艦。19話で名前のみ登場、28話からのオープニング映像に登場するが劇中未登場。
- マックモール
- MACの地底探索用戦車。ミニチュアも製作されたが劇中未登場。
- マック特殊ヘリコプター
- 後述の桃型カプセルを輸送した。ミニチュアは前作『ウルトラマンタロウ』で登場したZATのドラゴンを塗り替えたもので、同型機か改良型の可能性もある。一部の資料では、「モスキータス」という名称で紹介されている。
- 麻酔ミサイル
- 怪獣オニオンの動きを止めるため使用。
- 桃型カプセル
- 果物好きな怪獣オニオンを油断させるため使用。中からは自ら望んで戦いに参加した桃太郎少年が入っていた。
- MACウラン
- MACが開発した新しいエネルギー。MACステーションを爆破できるほどのエネルギーのため、アトランタ星人に狙われた。
- UN-105X爆弾
- 星をひとつ破壊してしまうほどの威力を持つミサイル。ウルトラの星が地球に接近した際、発射されそうになった。
- その他の戦力
- F-4ファントムII改マックファントムやF-106改などの実機のカスタム機も使用する。マックファントムは残存していた機体が後に『ウルトラマン80』にも登場し、UNDAの戦力として地底人攻撃に使用された。ただしUNDAには既により新しいF/A-18が配備されていたため、それ以降の活躍は見られない。
[編集] 放映リスト
※怪獣・宇宙人の別名、出演者の芸名等はオープニングのテロップ表記に準ずる。なお各怪獣の詳細はウルトラマンレオの登場怪獣を参照
放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 | ゲストウルトラマン | スタッフ |
---|---|---|---|---|---|
1974/4/12 | 1 | セブンが死ぬ時! 東京は沈没する! | サーベル暴君マグマ星人 双子怪獣レッドギラス 双子怪獣ブラックギラス |
ウルトラセブン | 監督-真船禎 特殊技術-高野宏一 脚本-田口成光 |
1974/4/19 | 2 | 大沈没! 日本列島最後の日! | |||
1974/4/26 | 3 | 涙よ さよなら…! | 奇怪宇宙人ツルク星人 | ― | 監督-深沢清澄 脚本-田口成光 |
1974/5/3 | 4 | 男と男の誓い | ― | ||
1974/5/10 | 5 | 泣くな! お前は男の子 | 凶剣怪獣カネドラス | ― | 監督-東條昭平 脚本-阿井文瓶 |
1974/5/17 | 6 | 男だ! 燃えろ! | 暗闇宇宙人カーリー星人 | ― | 監督-東條昭平 脚本-田口成光 |
1974/5/24 | 7 | 美しい男の意地 | 植物怪獣ケンドロス | ― | 監督-外山徹 特殊技術-矢島信男 脚本-阿井文瓶 |
1974/5/31 | 8 | 必殺! 怪獣仕掛人 | 暴れん坊怪獣ベキラ | ― | |
1974/6/7 | 9 | 宇宙にかける友情の橋 | 宇宙星獣ギロ | ― | 監督-深沢清澄 特殊技術-高野宏一 脚本-土門鉄郎 |
1974/6/14 | 10 | かなしみのさすらい怪獣 | さすらい怪獣ロン | ― | 監督-深沢清澄 特殊技術-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1974/6/21 | 11 | 泥まみれ男ひとり | 怪異宇宙人ケットル星人 | ― | 監督-筧正典 特殊技術-矢島信男 脚本-田口成光 |
1974/6/28 | 12 | 冒険野郎が来た! | 風船怪獣バンゴ | ― | 監督-筧正典 特殊技術-矢島信男 脚本-阿井文瓶 |
1974/7/5 | 13 | 大爆発! 捨て身の宇宙人ふたり | 透明宇宙人バイブ星人 | ― | 監督-前田勲 特殊技術-東條昭平 脚本-田口成光 |
1974/7/12 | 14 | 必殺拳! 嵐を呼ぶ少年 | さそり怪獣アンタレス | ― | 監督-前田勲 特殊技術-東條昭平 脚本-阿井文瓶 |
1974/7/19 | 15 | くらやみ殺法! 闘魂の一撃 | 分身宇宙人フリップ星人 | ― | 監督-外山徹 特殊技術-大木淳 脚本-田口成光 |
1974/7/26 | 16 | 真夜中に消えた女 | 黒い花の星人アトラー星人 | ― | 監督-外山徹 特殊技術-大木淳 脚本-若槻文三 |
1974/8/2 | 17 | 見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 狼男の花嫁 |
狼男ウルフ星人 | ― | 監督-山本正孝 特殊技術-矢島信男 脚本-田口成光 |
1974/8/9 | 18 | 見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 吸血鬼! こうもり少女 |
こうもり怪獣バットン 吸血こうもり少女 |
― | 監督-山本正孝 特殊技術-矢島信男 脚本-阿井文瓶 |
1974/8/16 | 19 | 見よ! ウルトラ怪奇シリーズ よみがえる半漁人 |
半魚人ボーズ星人 | ― | 監督-外山徹 特殊技術-東條昭平 脚本-田口成光 |
1974/8/23 | 20 | 見よ! ウルトラ怪奇シリーズ ふしぎな子熊座の少年 |
牡牛座怪獣ドギュー 小熊座人ボック |
― | 監督-外山徹 特殊技術-東條昭平 脚本-阿井文瓶 |
1974/8/30 | 21 | 見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 北の果てに女神を見た! |
殺し屋宇宙人ノースサタン アルファ星人ニケの女神 |
― | 監督-外山徹 特殊技術-東條昭平 脚本-田口成光 |
1974/9/6 | 22 | レオ兄弟対怪獣兄弟 | 兄怪獣ガロン 弟怪獣リットル |
アストラ | 監督-深沢清澄 特殊技術-高野宏一 脚本-田口成光 |
1974/9/13 | 23 | ベッドから落ちたいたずら星人 | 快人コロ星人 虹怪獣レンボラー |
― | 監督-深沢清澄 特殊技術-高野宏一 脚本-若槻文三 |
1974/9/20 | 24 | 美しいおとめ座の少女 | ロボット怪獣ガメロット サーリン星人ドドル アンドロイド少女カロリン |
― | 監督-前田勲 特殊技術-矢島信男 脚本-奥津啓二郎 |
1974/9/27 | 25 | かぶと虫は宇宙の侵略者! | 宇宙昆虫サタンビートル 幻想宇宙人クリーン星人 |
― | 監督-前田勲 特殊技術-矢島信男 脚本-若槻文三 |
1974/10/4 | 26 | 日本名作民話シリーズ! ウルトラマンキング対魔法使い(※) |
怪獣人プレッシャー | ウルトラマンキング | 監督-大木淳 特殊技術-東條昭平 脚本-田口成光 |
1974/10/11 | 27 | 日本名作民話シリーズ! 強いぞ! 桃太郎! |
鬼怪獣オニオン | ― | 監督-大木淳 特殊技術-東條昭平 脚本-阿井文瓶 |
1974/10/18 | 28 | 日本名作民話シリーズ! 帰ってきたひげ船長! |
海棲人パラダイ星人 星獣キングパラダイ |
― | 監督-山本正孝 特殊技術-矢島信男 脚本-若槻文三 |
1974/10/25 | 29 | 日本名作民話シリーズ! 運命の再会! ダンとアンヌ |
超能力星人ウリンガ | ― | 監督-山本正孝 特殊技術-矢島信男 脚本-阿井文瓶 |
1974/11/1 | 30 | 日本名作民話シリーズ! 怪獣の恩返し |
宇宙鶴ローラン サーベル暴君マグマ星人 |
― | 監督-筧正典 特殊技術-高野宏一 脚本-田口成光 |
1974/11/8 | 31 | 日本名作民話シリーズ! 地球を守る白い花 |
昆虫星人バーミン星人 | ― | 監督-筧正典 特殊技術-高野宏一 脚本-奥津啓二郎 |
1974/11/15 | 32 | 日本名作民話シリーズ! さよならかぐや姫 |
月光怪獣キララ 月星人かぐや姫 |
― | 監督-中川信夫 特殊技術-矢島信男 脚本-石堂淑朗 |
1974/11/22 | 33 | レオ兄弟対宇宙悪霊星人 | 宇宙悪霊アクマニヤ星人 | アストラ | 監督-中川信夫 特殊技術-矢島信男 脚本-若槻文三 |
1974/11/29 | 34 | ウルトラ兄弟永遠の誓い | 二面凶悪怪獣アシュラン 怪獣ボール セブンガー |
帰ってきたウルトラマン | 監督-前田勲 特殊技術-大木淳 脚本-阿井文瓶 |
1974/12/6 | 35 | おいらは怪獣大将だ! | わんぱく怪獣タイショー | ― | 監督-前田勲 特殊技術-大木淳 脚本-田口成光 |
1974/12/13 | 36 | 飛べ! レオ兄弟 宇宙基地を救え! | 変身怪人アトランタ星人 | アストラ | 監督-岡村精 特殊技術-吉村善之 脚本-田口成光 |
1974/12/20 | 37 | 怪奇! 悪魔のすむ鏡 | 鬼女マザラス星人 異次元獣スペクター |
― | |
1974/12/27 | 38 | 決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟 | にせアストラ | ゾフィー ウルトラマン 帰ってきたウルトラマン ウルトラマンエース ウルトラの父(回想のみ) |
監督-東條昭平 特殊技術-矢島信男 脚本-若槻文三 |
1975/1/3 | 39 | レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時 | 暗黒星人ババルウ星人 にせアストラ |
ウルトラ兄弟 ウルトラマンキング アストラ |
監督-東條昭平 特殊技術-矢島信男 脚本-田口成光 |
1975/1/10 | 40 | 恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった! |
円盤生物シルバーブルーメ | ― | 監督-深沢清澄 特殊技術-大木淳 脚本-田口成光 |
1975/1/17 | 41 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の惑星から円盤生物が来た! |
円盤生物ブラックドーム | ― | |
1975/1/24 | 42 | 恐怖の円盤生物シリーズ! レオが危ない! 暗殺者は円盤生物 |
円盤生物アブソーバ | ― | 監督-前田勲 特殊技術-吉村善之 脚本-阿井文瓶 |
1975/1/31 | 43 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 挑戦! 吸血円盤の恐怖 |
円盤生物デモス デモスQ |
― | 監督-前田勲 特殊技術-吉村善之 脚本-若槻文三 |
1975/2/7 | 44 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 地獄から来た流れ星! |
円盤生物ブラックガロン | ― | 監督-外山徹 特殊技術-矢島信男 脚本-田口成光 |
1975/2/14 | 45 | 恐怖の円盤生物シリーズ! まぼろしの少女 |
円盤生物ブリザード | ― | 監督-外山徹 特殊技術-矢島信男 脚本-阿井文瓶 |
1975/2/21 | 46 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 戦うレオ兄弟! 円盤生物の最後! |
円盤生物ハングラー | アストラ | 監督-東條昭平 特殊技術-大木淳 脚本-田口成光 |
1975/2/28 | 47 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の星くずを集める少女 |
円盤生物ブラックテリナ テリナQ |
― | 監督-東條昭平 特殊技術-大木淳 ;脚本-若槻文三 |
1975/3/7 | 48 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 大怪鳥円盤日本列島を襲う! |
円盤生物サタンモア 怪鳥円盤リトルモア |
― | 監督-山本正孝 特殊技術-吉村善之 脚本-若槻文三 |
1975/3/14 | 49 | 恐怖の円盤生物シリーズ! 死を呼ぶ赤い暗殺者! |
円盤生物ノーバ | ― | 監督-山本正孝 特殊技術-吉村善之 脚本-阿井文瓶 |
1975/3/21 | 50 | 恐怖の円盤生物シリーズ! レオの命よ! キングの奇跡! |
円盤生物 星人ブニョ | ウルトラマンキング | 監督-山際永三 特殊技術-矢島信男 脚本-石堂淑朗 |
1975/3/28 | 51 | 恐怖の円盤生物シリーズ! さようならレオ! 太陽への出発(たびだち) |
円盤生物ブラックエンド | ウルトラセブン | 監督-山際永三 特殊技術-矢島信男 脚本-田口成光 |
(※):フィルムによっては「ウルトラマンキングのおくりもの」となっている。
[編集] 登場人物・出演者
[編集] レギュラー
- おゝとりゲン:真夏竜
- 大村正司:藤木悠
- MAC隊員
- 山口百子:丘野かおり
- 梅田カオル:冨永美子
- 野村 猛:伊藤幸雄
- 美山いずみ:奈良富士子
- 美山あゆみ:杉田かおる
- 梅田トオル:新井つねひろ
- 高倉司令官:神田隆
- 美山咲子:春川ますみ
- モロボシ・ダン:森次晃嗣
[編集] ゲスト出演者
- トオル、カオルの父(3・5話):二見忠男
- ピクニックに来た子供(5話):松田洋治
- 白土隊員の婚約者・洋子(6話)/テリナQに操られる女(47話):早川絵美
- 佐藤三郎隊員(12話):東龍明
- 道場破りの少年/さそり怪獣アンタレス(14話):川代家継
- 津山洋一(15話):潮哲也
- 小熊座人ボック(20話):小山渚
- 牡牛座怪獣ドギュー(20話):大前均
- 北山洋二隊員(21話):うたた賢
- ニケの女神(21話):麻理とも恵
- コロ星人の声(23話):高橋和枝
- サーリン星人・ドドル(24話):天本英世
- ドドルの孫・カロリン(24話):松岡まりこ
- 桃太郎少年(27話):矢崎友紀
- 漁船の船長(28話):岡田英次
- 漁師(28話):阿藤海
- アンヌとおぼしき女性(29話):ひし美ゆり子
- 大熊シンジ(30話):黒部進
- 星村かな子/宇宙鶴ローラン(30話):桜井浩子
- 花咲か爺さん/バーミン星人(31話):仲谷昇
- 白い花の精(31話):杉田かおる
- 郷秀樹/帰ってきたウルトラマン(34話):団次郎
- タイショーの声(35話):白石冬美
- 松丸先生(35話):桂木美加
- 内田三郎隊員/アトランタ星人(36話):成川哲夫
- トオル、カオルの母/マザラス星人(37話):原知佐子
- ウルトラマンキングの声、ババルウ星人の声(38話・39話):清川元夢
- 中本先生(40話):石丸博也
- 中森大介(44話):佐原健二
- 警官(45話):鈴木正幸
- トラック運転手・純平(46話):平泉成
- 和久宏(48話):石太郎
- 星人ブニョ(50話):蟹江敬三
[編集] スタッフ
- プロデューサー:円谷粲、熊谷健、橋本洋二(TBS)、熊谷国雄(TBS映画社)
- 脚本:田口成光、阿井文瓶、土門鉄郎、若槻文三、奥津啓二郎、石堂淑朗
- 監督:真船禎、深沢清澄、東條昭平、外山徹、筧正典、前田勲、山本正孝、大木淳、中川信夫、岡村精、山際永三
- 特撮監督:高野宏一、矢島信男、東條昭平、大木淳、吉村善之
- 音楽:冬木透
- 美術:鈴木儀雄、大沢哲三、菅野幸光
- 殺陣:渡辺安章
- 製作:円谷プロダクション、TBS
[編集] 主題歌・挿入歌・楽曲
- 「ウルトラマンレオ」(第1話~第13話主題歌)
- 歌:真夏竜、少年少女合唱団みずうみ
- オープニングでは1番・2番の歌詞が交替で使用された。
- タイトルコールは通常メインタイトル部分に被せられるが、初期編では本曲のイントロに被せられていることもある。
- 「戦え! ウルトラマンレオ」(第14話~第51話主題歌)
- 歌:ヒデ夕樹(映像では平野英之と表記)、少年少女合唱団みずうみ
- 「MACのマーチ」
- 歌:真夏竜、少年少女合唱団みずうみ
- 劇中での使用は4話が唯一だが、使用されたテイクは真夏竜のボーカルが無いものであった。
- 「星空のバラード」
- 歌:真夏竜
このほか、MACが活躍する際のBGMは、「ワンダバ」入りテイクも作成されたが未使用に終わった。作品世界と照らし合わせた結果NGとなった、と言われる。
なお、今作は『帰ってきたウルトラマン』と同じく主役俳優が主題歌(前期のみ)と挿入歌を担当した作品であるが、ウルトラシリーズで初めて途中から主題歌が変更された作品でもある。これは初期主題歌「ウルトラマンレオ」の歌詞が、前年から流行した「ノストラダムスの大予言」を想起させ、暗い印象を与える表現であるからと言われている他、やや低迷していた視聴率の影響もあると思われる。結局、劇中でも歌入りの「ウルトラマンレオ」は24話を最後に使用されなくなり、インストゥメンタル(使用回数こそ後期の「戦え! ウルトラマンレオ」と雲泥の差だったが)が最終回まで(および次回予告用のテイクが最終回予告分まで)使用された。しかし、一般的に人気のある主題歌はこの初期版と言われ、それを考慮してか2006年に発売されたDVDではOPテーマの選択可能な機能が付けられ、同年の『ウルトラマンメビウス』へのゲスト出演の際も、ゲンが変身してレオが登場するシーンには初期OPのアレンジ版が使用されている。
劇中の楽曲・BGMは、上記の通り、歌唱曲が川口真であるのに対して、歌唱曲のインストルメンタルの編曲も含め冬木透が担当している。彼のBGM作曲家としての登板は、ウルトラシリーズでは『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』に次いで4度目(前作・『ウルトラマンタロウ』のみ日暮雅信)。本編でモロボシ・ダン=ウルトラセブンが活躍し、主人公・レオとの師弟関係を通じた様々な葛藤・交流があることを反映し、随所にウルトラセブンのBGMのオリジナル曲、アレンジ曲、またレオのテーマ曲と交錯した曲等が用いられ、ウルトラセブンとの世界観・イメージの共通化に寄与していた。それ以外にも、他のシリーズ作品には見られない緊迫感漂う楽曲が多用され、本作の緊張感の高い作風を一層引き締めていた。また、33話などごく一部の話数では、同じ冬木作曲の『ミラーマン』の楽曲が流用されている。
余談だが、オープニング映像は『ウルトラマンタロウ』に続き、防衛チームの主要メカ発進シークエンスを用いたものであった。これは前述の主題歌変更および当のMACが全滅した後も最終回までほぼ同一のものが使用された(先に挙げたとおり、途中でマックシャークの潜航シーンが加わっている)。
[編集] 映画
- 『ウルトラマンレオ レオ兄弟対怪獣兄弟』:1979年4月28日公開
- 『ウルトラマンレオ かなしみのさすらい怪獣』:1979年7月21日公開
[編集] コミカライズ
- 「小学二年生」「小学三年生」誌上で内山まもるによって執筆された。両誌では基本設定を共通としながらも展開は大きく異なっている。
- 「二年生」誌上では放映番組よりも先行する形の内容であったが、当初はツルクライダー隊などの独創的アイディアも盛り込まれた作品もいくつか登場し、また「レオ、七つのぶきの巻」においては、オリジナルの武器に混じって放送に先行する形でレオヌンチャクも登場している。そして終盤は、テレビ版と同様に円盤生物シルバーブルーメによってMAC基地が全滅するのだが、ダンとゲンは地球に逃げ延びる展開となっている。ダンは修復されたウルトラアイによってセブンに変身するが、基地壊滅時に負ったケガで余命いくばくもないことを悟り、アイスラッガーをレオに託してMAC秘蔵のミサイルとともにシルバーブルーメに特攻をかけ、命を落とす。この設定はその後の「さよならウルトラ兄弟」(のちの『ザ・ウルトラマン』)へと引き継がれ、いわばプロトタイプになっている。
- 「三年生」誌上では最後までオリジナルの展開が続けられ、終盤では円盤生物は登場せず、ウルトラ兄弟もレオとセブンを残して全滅(アストラも含めて)と言う凄まじい展開になっていった。
- 両作においてはマグマ星人が前半~中盤までのライバル的役割を演じ、「二年生」ではババルウ星人が、「三年生」ではシャドウマンがそれぞれ後を引継ぐ形となっている(「二年生」版では「ブラック司令官」―ブラック指令の本作での呼称―がラスボスとなっていた)。
- 本作は2006年11月に、「二年生」版全12話と「三年生」版全12話を一まとめにした形で、小学館からコンビニコミックとして刊行されている。
[編集] トピックス
- 大場久美子主演の『コメットさん』63話「ウルトラマンと怪獣アカゴン」に、真夏竜演じるおゝとりゲン、そしてウルトラマンレオが登場する。設定としてはテレビシリーズの後日譚となっていて、変身すれば地球から去らなければいけないことを知りつつも、怪獣化した少年を治す為にゲンがレオに変身する、地球を愛しながらも心ならず去らなければならなくなったゲンの姿を通して、宇宙人であるコメットにもやがて訪れる別れを描いていた。本シリーズの最終回を引き継いだ後日譚となっており、最終話で旅だった後のゲンがウルトラの星へ旅立つまでの期間が描かれていたのだが、コメットさん終了後に発売された円谷プロ監修のある書籍に「レオは今も地球で旅をしている」と記述されている。このことから、このエピソードは上記の登場人物紹介欄にあるとおり、正史とは別のものしてと見るべきと思われる。
- ゲン役の真夏は『ウルトラマンマックス』第33・34話で警察官役でゲスト出演、『ウルトラマンメビウス』第34話ではウルトラマンレオ=おゝとりゲンとして登場した。本シリーズの設定や台詞、楽曲を活用していたり、本編から30年を経て若者を導く側となったゲンを真夏が存在感たっぷりに演じ、更に同作の過去のウルトラマン俳優のテレビ本編ゲスト出演者として初めて「変身」し、相手の宇宙人を一緒に撃破するなどの活躍を見せた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
Digital Ultra Series - DVDウルトラマンレオ
TBS系 金曜19時台前半 (本作まで第2期ウルトラシリーズ) |
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